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【注目】米当局、中国製ドローン2社を禁止リストに

 米連邦通信委員会(FCC)はきのう、中国で製造された全てのドローンと重要部品、および中国の主要ドローンメーカーである深?大彊創新科技(DJI)と深?市道通智能航空技術)の通信機器と映像監視機器の全てを禁止した。この指定により、両社とその子会社およびパートナーは、米国での新しいドローン機器の輸入・販売ができなくなる。

 米当局は10年近くに渡り、政府機関や愛好家が使用する人気の高い中国製ドローンを国家安全保障上の懸念を理由に禁止しようと取り組んできた。FCCの今回の決定は、現在店舗にあるモデルやすでに購入されたモデルには適用されない。ただ、FCCは過去に遡って古いモデルを禁止機器リストに追加する権限がある。

 中国製ドローン禁止に向けた動きは少なくとも2017年に遡る。当時、米陸軍はサイバーセキュリティー上の脆弱性を理由にDJIのドローンの使用中止を命じた。米政府は長年に渡り、中国共産党がDJIドローンで収集したデータにアクセスし、ドローンを操作または妨害する可能性があると警鐘を鳴らしてきた。

 米当局は、ダムや送電網の検査にDJIドローンを使用しないよう公益事業者に警告し、国防総省はDJIを中国軍事関連企業に指定。DJIはこの指定の取り消しを求めて提訴したが敗訴した。

 FCCによると、ホワイトハウス主導のグループが、外国製ドローンが容認できないリスクをもたらすとFCCに通知したため、今回の禁止措置に至った。

 DJIは、国家安全保障についての審査を歓迎しており、米政府機関によるものを含む独立した審査で、同社のドローンが安全であるとの結果が出ていると主張している。ユーザーはインターネット接続なしでドローンを飛行させることができ、収集した画像やデータはローカルに保存される。

 今回の禁止措置は、米商業用ドローン操縦士として認定を受けた約50万人の大多数から激しい反発を招いている。DJIは米国の商業用・地方自治体用・愛好家用ドローンの約70-90%を占めている。

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