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【注目】ストラテジスト、S&P500の目標を最低に引き下げ 関税圧力が高まる中

NY株式25日終値
*S&P500 5776.65(+9.08 +0.16%)

 ストラテジストは、世界的な貿易摩擦の高まりにより、今年の米株式市場の上昇は限定的になる可能性があると指摘。そのうえで、今年のS&P500の目標を従来の6600から5900に引き下げた。これは年初来の値上がりが僅か0.3%に留まることを意味し、ウォール街の見通しの中で最も低い。

 今回の下方修正は、トランプ関税を理由に挙げている。さらに、最近の調査データによると消費者および投資家は今後の米経済見通しに懸念を抱いている点も指摘。

◆基本シナリオ
 関税が米経済活動を大幅に減速させるものの、完全な景気後退までには至らない。それでも企業業績は打撃を受けると想定。関税については、中国への高関税は維持されるが、エスカレートはしない。他国への相互関税は5%。確率は65%

◆強気シナリオ
 政財界からの反対が強まるにつれて、トランプ大統領が関税を撤回。それにより貿易摩擦とマクロ経済の逆風が緩和され、S&P500は高値の6700まで回復。確率は25%。

◆弱気シナリオ
 カナダとメキシコの関税、および各国への相互関税と、中国への完全な関税の影響により、S&P500企業の1株利益の伸びに直接的かつ大幅な影響が生じ、二次的効果により米GDPがマイナス成長に陥り、その場合、S&P500は4400まで下落し、弱気相場に突入。確率は15%。

 そのうえで、金融セクターの投資判断を「強気」に引き上げ、今後は金融セクターとヘルスケア、そして大手IT・ハイテクが有望と付け加えた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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