【市況】株価指数先物【寄り前】 トランプ大統領の発言を警戒しつつ押し目狙いのロング対応
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37310 -90 (-0.24%)
TOPIX先物 2770.5 -7.0 (-0.25%)
シカゴ日経平均先物 37355 -45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。貿易戦争や世界経済の混乱が警戒されるなか、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やシカゴ連銀のグールズビー総裁が講演で、金融政策の変更を急がない姿勢を示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが想定より先になるとの見方から売られる場面もあった。その後、トランプ米大統領は相互関税を巡り「柔軟性がある」との認識を示したほか、中国の習近平国家主席と会談し、関税について協議を計画していると報じられたことを受けて買いに転じた。
NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、JPモルガン・チェース<JPM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が上昇。一方で、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>、コカ・コーラ<KO>、ホーム・デポ<HD>が売られた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器、メディアが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、不動産、素材が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比45円安の3万7355円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万7420円で始まり、3万7470円まで買われた後に軟化し、3万7260円~3万7360円辺りでのレンジ推移を継続。米国市場の取引開始時にレンジを下抜けると、3万7100円まで売られる場面もみられた。ただし、中盤以降はショートカバーが優勢となるなか、終盤にかけて3万7380円まで下げ幅を縮める場面もあり、3万7310円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。先週の日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ突破から25日移動平均線を捉えたが、同線が抵抗線として意識されやすい。トランプ政権は4月2日にも貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」を発動する方針だが、トランプ大統領の関税を巡る発言が警戒されるなか、積極的なロングは手控えられるだろう。
ただし、相互関税は一部の国・地域は除外される見込みとも報じられており、市場の不安が和らぐ可能性がありそうだ。そのため、ショートも仕掛けづらいなか、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。25日線水準では強弱感が対立すると考えられ、オプション権利行使価格では、3万7000円から3万7625円でのレンジを想定する。
21日の米国市場ではマイクロン・テクノロジー<MU>が8%を超える急落となったほか、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などハイテク株の一角が売られ、半導体SOX指数は続落した。アドバンテスト<6857>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる可能性がある。
また、21日の米VIX指数は19.28(20日は19.80)に低下した。25日線(20.84)が抵抗線として意識されてきており、連日で20.00を下回って終えている。トランプ関税の影響は不透明ながらも、カバーが強まる可能性はあるだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.46倍に低下し、2020年4月以来の13.50倍を下回ってきた。ハイテク株の一角が不安定な一方で、期末要因から配当志向の物色が意識されて、相対的にTOPIX型優位の展開が続く可能性がある。
株探ニュース