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【特集】2025年の利益成長“青天井”ばく進、有力株リスト <新春特別企画>

ヤマシン―F <日足> 「株探」多機能チャートより
 明日からスタートする新年相場を前に、2025年に活躍が期待される銘柄を探ってみたい。本特集では、直近3ヵ月決算の経常利益が四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期見通しも最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄に注目。なかでも、四半期ベースで最高益を連続で更新している企業に照準を合わせた。

 下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近の3ヵ月決算において経常利益が2四半期以上連続で全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している31社を選び出し、直近四半期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップに輝いたのは、ヤマシンフィルタ <6240> [東証P]。24年7-9月期(第2四半期)の経常利益は8.7億円と過去最高だった直前の4-6月期実績を56.7%も上回って着地。主力の建設機械用フィルタが交換需要の増加を背景に、北米を中心に補給品の販売が伸びたほか、主要原材料価格やエネルギーコスト高騰への対応策として、販売価格の引き上げや原価低減を進めたことも奏功した。業績好調に伴い、25年3月期通期の経常利益予想を14期ぶりの最高益見通しに大幅上方修正するとともに、配当計画も増額修正した。株価は21年11月以来の高値圏を走る展開となっている。

 2位のアセンテック <3565> [東証S]は前期に受注した官公庁を含む複数の大型案件によってシンクライアント端末の売り上げが大幅に増加するなど、仮想デスクトップ事業の収益が急拡大し、8-10月期(第3四半期)の経常利益は3.7億円(前年同期比2.4倍)と3四半期連続の最高益更新を果たした。決算発表前の11月26日に、25年1月期の業績見通しと期末一括配当を上方修正したことが好感され、株価は約3年ぶりの高値圏に急浮上している。

 3位はスマートフォン向け携帯充電器のレンタルサービス「チャージスポット」を提供するINFORICH <9338> [東証G]が入った。7-9月期(第3四半期)はモバイルバッテリーシェアリングサービスに対するニーズが高まる中、充電スタンドの利用者やレンタル数が増加したうえ、料金改定による国内レンタルの単価上昇も寄与し、売上高、経常利益ともに2四半期連続で過去最高を達成した。

 4位のゼンショーホールディングス <7550> [東証P]は海外事業における複数の持ち帰りすし店運営会社の買収効果に加え、主力の牛丼チェーン「すき家」、回転ずし「はま寿司」の既存店売上高が前年同期を上回って好調に推移し、7-9月期(第2四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。11月18日には「すき家」で今期2度目となる値上げを実施すると発表。これが評価される形で株価は急伸し、上場来高値圏で推移している。

 5位に入った松屋アールアンドディ <7317> [東証G]の7-9月期(第2四半期)は、インド向けエアバッグ用製造設備や中国向け大型レーザー断裁機などの大口受注を獲得した。また、ベトナム新工場におけるカーシートの生産好調に加え、生産能力の増強や工程自動化も寄与し、2四半期連続の最高益更新を達成した。業績好調に伴い、最高益予想だった25年3月期通期の同利益をさらに上乗せしたが、上期(4-9月)実績の修正した通期計画に対する進捗率は60.6%と高水準で、一段の上振れが視野に入る。

 6位は有名アーティストのファンクラブサイト運営を主力とするエムアップホールディングス <3661> [東証P]。7-9月期(第2四半期)はコンテンツ事業で新規ファンクラブの開設や既存ファンクラブでの新規会員獲得が進み、有料会員数が大きく増加したほか、電子チケットの取り扱い枚数やeコマースでのグッズ販売も好調だった。併せて、25年3月期通期の業績見通しを上方修正している。

 10位には法律情報を提供するリーガルメディアなどを展開するアシロ <7378> [東証G]がリスト入りした。8-10月期(第4四半期)はリーガルメディアで高単価の新商品が好調に推移したうえ、派生メディアでは主力の転職メディア「キャリズム」の成長が継続し、売上高、税引き前利益ともに過去最高を更新した。続く25年10月期は税引き前利益が前期比4.0倍の12.6億円に急拡大し、3期ぶりに最高益を更新する見通しだ。配当も33.9円と前期から9.72円増配する方針を示した。発表を受けて株価は急騰し、12月17日に上場来高値1951円まで上値を伸ばす場面があった。

 このほか、尾家産業 <7481> [東証S]、ナレルグループ <9163> [東証G]、アトラエ <6194> [東証P]、MS&ADインシュアランスグループホールディングス <8725> [東証P]、イントラスト <7191> [東証S]、南総通運 <9034> [東証S]は年間ベースの配当利回りが3%を上回っており、株主還元の切り口でも投資妙味があるとして注目したい。

            ┌ 四半期 経常利益 ┐ ┌ 通期 経常利益 ┐ 最高益  予想
コード 銘柄名     上振れ率 直近四半期 上振れ率 今期予想 連続期数  PER
<6240> ヤマシン―F    56.7     876    9.0   2280    2  32.2
<3565> アセンテック    56.5     374   51.3   1080    3  18.4
<9338> インフォR     33.2     493    139   1515    2  26.9
<7550> ゼンショHD    29.7    22080   20.8   61500    3  38.1
<7317> 松屋R&D     27.3     611   37.7   1800    2  10.8
<3661> エムアップ     24.5    1098   36.0   3900    2  28.5
<6638> ミマキエンジ    21.4    2369   53.6   7500    2   8.3
<7481> 尾家産       18.2    1063    7.5   3510    2   6.8
<9163> ナレルG      18.1     947    5.3   3220    2   9.5 *
<7378> アシロ       16.6     197    164   1261    2  14.8 *
<6194> アトラエ      16.1     542   33.6   2061    2  14.0
<9828> ゲンキGDC    14.1    2118   26.0   6400    2  15.0
<4107> 伊勢化       13.4    2316   46.6   7500    2  29.9
<5139> オープンW     13.3     453    17   1000    2  22.8
<2932> STIFHD    13.1     883   28.8   3000    3  14.3
<8725> MS&AD     11.2   332178    114  893000    2   8.2
<9343> アイビス      9.9     311    175   1178    3  16.6
<7191> イントラスト    9.6     596   12.1   2320    6  13.3
<8704> トレイダーズ    8.9    2233   13.9   5000    2   8.1
<9034> 南総通運      8.5     625    2.9   2004    2   7.3
<6088> シグマクシス    6.7    1550   30.2   5650    2  18.4
<4828> ビーエンジ     5.4    1247   10.9   4300    2  14.8
<4307> 野村総研      4.2    33385   10.0  129000    2  30.2 *
<4462> 石原ケミ      3.8     909   23.3   3100    2  16.1
<5838> 楽天銀       3.7    15828   34.6   65083    4  16.7
<3798> ULSグルプ    1.0     730   25.1   2200    2  20.4
<4626> 太陽HD      0.8    6235   16.8   21100    2  15.4
<5038> eWeLL     0.3     296   22.2   1112    2  40.2
<9889> JBCCHD    0.3    1663   29.7   5900    2  17.4
<5803> フジクラ      0.1    26107   47.7  103000    2  28.0
<4972> 綜研化学      0.1    1816   58.6   6200    2   7.1

※ 2023年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。


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