【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):アドテスト、DCM、アスクル
アドテスト <日足> 「株探」多機能チャートより
アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置は強弱観対立のなかもやや売りに押される展開。前週末にアドテストは3.9%高、ディスコも2.3%あまりの上昇をみせていたが、きょうは持ち高調整の動きが優勢となった。前週末の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>をはじめ半導体セクターが総じて軟調でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も1%安と5日ぶり反落した。米半導体株が上昇一服となったことで、東京市場でも買い手控えムードとなっている。ただ、下値では押し目買いニーズが強く下げ幅は限定的なものにとどまっている。来年はエヌビディアの株価動向が同社株ととりわけ連動性の高いアドテストやディスコの値動きに影響を与えそうで、エヌビディアの収益成長のスピードに一段とマーケットの耳目が集まる。
■DCMホールディングス <3050> 1,432円 -30 円 (-2.1%) 本日終値
DCMホールディングス<3050>は反落。前週末27日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)連結決算は、売上高4169億2200万円(前年同期比15.6%増)、営業利益278億5500万円(同17.9%増)と2ケタ営業増益となり、朝型はこれを好感した買いが優勢だったものの、買いが続かずマイナスに転じた。南海トラフ地震臨時情報の発表や台風の影響で防災用品が大きく伸長したほか、防犯意識の高まりで防犯用品も好調に推移した。また、9月にケーヨーを統合したことによる事業規模拡大と経費削減効果も寄与した。なお、純利益は前期にケーヨー段階取得に係る差益があった反動で153億4600万円(同28.8%減)となった。25年2月期通期業績予想は、売上高5505億円(前期比12.7%増)、営業利益340億円(同18.5%増)、純利益194億円(同9.5%減)の従来見通しを据え置いている。
■アスクル <2678> 1,684円 -29 円 (-1.7%) 本日終値
アスクル<2678>が反落。前週末27日の取引終了後に発表した12月度(11月21日~12月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比1.3%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったものの、同7.1%増だった11月に比べて伸び率が縮小したことが嫌気された。主力のASKUL事業は同1.9%増だったが、稼働日修正後は0.4%減とマイナスとなった。また、LOHACO事業も同3.7%減だった。
■オークワ <8217> 886円 -13 円 (-1.5%) 本日終値
オークワ<8217>が軟調推移。同社は前週末27日の取引終了後、25年2月期第3四半期累計(2月21日~11月20日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.6%増の1837億2700万円、営業利益は同89.3%減の1億2700万円、最終損益は1億1400万円の赤字(前年同期は6億6200万円の黒字)となった。大幅な営業減益でかつ、最終赤字に転落したことを嫌気した売りが出たようだ。増収を確保した一方で、人件費や光熱費などのコスト上昇が響いた。
■トヨタ自動車 <7203> 3,146円 -42 円 (-1.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は売りに押されるなかも、下値では押し目買いが観測される。今月中旬のホンダ<7267>と日産自動車<7201>の経営統合に向けた動きを背景に、にわかに自動車セクターへの注目度が高まった。外資による買収や業界再編の思惑が渦巻くなか、PBRの低い自動車セクターは、経営改善努力への期待と同時に水準訂正を見込んだ買いが流入している。自動車の販売台数で不動の世界首位に君臨し、東京市場でも断トツの時価総額を誇るトヨタは、前週にROEを20%に引き上げる方針を打ち出し株価を急動意させ、経営努力による自動車株割安返上に向けた流れの先陣を切っている。前週末まで3営業日続伸で計350円あまり水準を切り上げたことで目先利食い圧力も意識されるが、足もと外国為替市場でドル高・円安水準が維持されていることもあり、出遅れた向きの押し目買いを誘い底堅さを発揮している。
■ベルーナ <9997> 778円 -10 円 (-1.3%) 本日終値
ベルーナ<9997>が冴えない。同社は28日、一部の「おせち」商品を届けることができなくなったと発表。これを嫌気した売りが出たようだ。「ベルーナオリジナルおせち結(和三段重)」および「ベルーナオリジナルおせち彩寿(和洋中三段重)」のセット商品の一部において、商品出荷準備の手配にミスがあり、配送が不能となった。同社は今後、管理体制の強化を図り、再発防止に努めるとしている。
■住友電気工業 <5802> 2,853.5円 -31 円 (-1.1%) 本日終値
住友電気工業<5802>が反落。29日付の日本経済新聞朝刊で、「電気自動車(EV)向け半導体材料の量産計画を取りやめる」と報じられており、これが売り材料視された。富山県に新工場を建設するほか、兵庫県の既存工場にも新ラインを設ける計画で、投資額は合計300億円を予定していたが、EVの需要回復が見通しにくいことから撤回するという。
■DyDo <2590> 3,300円 -5 円 (-0.2%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が冴えない動き。前週末27日の取引終了後に発表した12月度(11月21日~12月20日)の国内飲料事業の販売状況で、自販機と流通の両チャネルを合わせた販売本数が前年同月比4.9%減となり、2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。自販機、流通ともに販売本数を減らした。
■あすか薬HD <4886> 2,099円 -1 円 (-0.1%) 本日終値
あすか製薬ホールディングス<4886>は小動き。前週末27日の取引終了後、食道静脈瘤硬化療法・胃静脈瘤退縮剤「オルダミン」について、「静脈奇形の硬化退縮」の追加適応を取得したと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。
■DWセラピ研 <4576> 201円 +38 円 (+23.3%) 本日終値
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>が急騰。前週末27日の取引終了後、ライセンスアウト先の興和(名古屋市中区)より、「グラアルファ配合点眼薬」がタイにおいて、緑内障・高眼圧症を適応症として承認を取得したとの連絡を受けたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。2022年12月に興和において日本国内での販売が開始された点眼剤で、海外での承認取得は初めて。DWTIは興和から契約に基づく実施料を受領するという。24年12月期の業績予想の修正はないとしながらも、中長期的な業績向上に資するものとの認識を示している。
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