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【特集】株式投資いつやめますか? ―人生の終わりと運用の幕引き―
日経CNBC×株探 コラボ第3弾
「幸福寿命」を延ばす資産形成アカデミー 第10回
2024年が終わりを迎えます。私は1989年に入社していまも東京証券取引所記者クラブ(兜クラブ)に出入りしていますが、36年間の取材人生でこれほど激動の1年は経験したことがありません。本題に入る前にマーケット史に残る1年を、記録を兼ねて10大ニュース形式でまとめてみました(図1)。
首位は1989年12月末、バブル末期の最高値3万8915円(終値ベース)の更新。私は在職中、否、生きている間にこの目でみることはできないと思った時期さえありました。なにせリーマン・ショック後には日経平均株価が7054円98銭(同)まで沈んだからです。バブル崩壊後20年近くを経てなお高値比82%安。経済的にはもはや日本沈没でしたね。
アベノミクス以降の動きを織り込んでも、今回の34年ぶり高値更新は投資家、企業、資本市場などステークホルダー全員に大きな意味があると思います。
それ以外にも史上初や40年ぶりなどのオンパレード。ベテラン勢が揃う株探ユーザーはいざ知らず、新NISA(少額投資非課税制度)がきっかけの「初めて投資」家さんはとんでもない船出になったと言えそうです。
図1 歴史を刻んだ2024年 マーケット10大ニュース
さて、2025年は「トランプ2.0」が始動します。2024年よりはおとなしい1年かとは思いますが、トランプ次期米大統領の一挙手一投足でマーケットが揺れる場面も出そうです。中国とドイツの30年債利回りが12月、日本を下回りました。不動産不況にあえぐ中国、エネルギー政策失敗で政治的混乱を極めるドイツ。ジャパナイゼーションかどうかはわかりかねますが、風雲急を告げているようです。
巳年は「金運の1年」と言われますが、「辰巳天井」とも。不確実な1年にはなりそうですね。
■株式投資、いつやめますか?
閑話休題。今回は1年の締めくくりにちなんで、資産運用の幕引き、人生の終わりを考えてみようという少々シリアスなテーマです。ぶっちゃけ、いつ株式投資をやめるのか――。
NISA改革もあって「人生100年時代、資産形成を始めよう」しか聞こえてこない世の中ですが、それは当たり前で金融・証券業界にとっての商機が消えてしまうからです。
われわれ、マスコミだって同じです。日経電子版の購読はPRしますが、「読むのをやめましょう」なんて絶対言いません。
しかし、投資においては必ず幕を引く時を迎えます。人生は早晩終わるのだし、それ以前に弁識力が衰えてくると事故やトラブルを招いてしまいます。図2にやめるきっかけを挙げてみましたが、みなさんはどうでしょうか。
図2 株式投資、いつやめますか?
御年88歳の藤本茂さん。日経CNBCでも特集でオンエアしましたが、資産20億円を動かすとんでもない現役トレーダーです(図3)。夜明け前には起床して日経CNBCもつけっぱなし、ニュースやマーケット動向をモニタリングされておられるとか。
図3 88歳の現役トレーダー、藤本茂さんを日経CNBCで特集
個人投資家として晩年もこうありたいと思うかもしれませんが、藤本さんはやはり例外でしょう。70代には軽度認知障害などが起こり始めるわけですから、どこかで運用生活にさようならを告げるタイミングを見つけないといけません。
これは投資力とは全く違うヘルスケア・リテラシーが必要になってきます。私は健康検定マスターの普及認定講師を務めており、来春もウェビナーを行う予定なのですが、「健康寿命」の観点から投資撤退期を考えてみましょう。
本稿は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(田中彰一著)から抜粋し、株探ユーザー向けに加筆・再構成しました。
また、日本健康マスター検定(文科省、日本医師会後援)主催の新春ウェビナーにて筆者が「輝く2025年へ! 幸福寿命を延ばす健康とお金の新リテラシー」と題したウェビナーを開きます。あわせてご視聴ください。詳細はこちら=<https://kenken.or.jp/certification/seminar2#semi19>
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「幸福寿命」を延ばす資産形成アカデミー 第10回
田中彰一
日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員
1989年、日本経済新聞社入社。主に金融・資本市場担当。ニューヨーク駐在などを経て2018年より現職。日経電子版コンテンツ開発、ニュースレター執筆、経済番組解説の「創る・書く・話す」の三刀流をこなす。お宝株を紹介する日経CNBCの動画「未来のブルーチップを探せ」は2023年の年間アクセス数首位。著書は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日本経済新聞出版)など多数。小冊子「日経記事でマネートレーニング」(東京証券取引所)は金融経済教育を推進する証券知識普及プロジェクトの認証を受けた。マネーと不動産の実務と健康に詳しい。
日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員
1989年、日本経済新聞社入社。主に金融・資本市場担当。ニューヨーク駐在などを経て2018年より現職。日経電子版コンテンツ開発、ニュースレター執筆、経済番組解説の「創る・書く・話す」の三刀流をこなす。お宝株を紹介する日経CNBCの動画「未来のブルーチップを探せ」は2023年の年間アクセス数首位。著書は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日本経済新聞出版)など多数。小冊子「日経記事でマネートレーニング」(東京証券取引所)は金融経済教育を推進する証券知識普及プロジェクトの認証を受けた。マネーと不動産の実務と健康に詳しい。
2024年が終わりを迎えます。私は1989年に入社していまも東京証券取引所記者クラブ(兜クラブ)に出入りしていますが、36年間の取材人生でこれほど激動の1年は経験したことがありません。本題に入る前にマーケット史に残る1年を、記録を兼ねて10大ニュース形式でまとめてみました(図1)。
首位は1989年12月末、バブル末期の最高値3万8915円(終値ベース)の更新。私は在職中、否、生きている間にこの目でみることはできないと思った時期さえありました。なにせリーマン・ショック後には日経平均株価が7054円98銭(同)まで沈んだからです。バブル崩壊後20年近くを経てなお高値比82%安。経済的にはもはや日本沈没でしたね。
アベノミクス以降の動きを織り込んでも、今回の34年ぶり高値更新は投資家、企業、資本市場などステークホルダー全員に大きな意味があると思います。
それ以外にも史上初や40年ぶりなどのオンパレード。ベテラン勢が揃う株探ユーザーはいざ知らず、新NISA(少額投資非課税制度)がきっかけの「初めて投資」家さんはとんでもない船出になったと言えそうです。
図1 歴史を刻んだ2024年 マーケット10大ニュース
さて、2025年は「トランプ2.0」が始動します。2024年よりはおとなしい1年かとは思いますが、トランプ次期米大統領の一挙手一投足でマーケットが揺れる場面も出そうです。中国とドイツの30年債利回りが12月、日本を下回りました。不動産不況にあえぐ中国、エネルギー政策失敗で政治的混乱を極めるドイツ。ジャパナイゼーションかどうかはわかりかねますが、風雲急を告げているようです。
巳年は「金運の1年」と言われますが、「辰巳天井」とも。不確実な1年にはなりそうですね。
■株式投資、いつやめますか?
閑話休題。今回は1年の締めくくりにちなんで、資産運用の幕引き、人生の終わりを考えてみようという少々シリアスなテーマです。ぶっちゃけ、いつ株式投資をやめるのか――。
NISA改革もあって「人生100年時代、資産形成を始めよう」しか聞こえてこない世の中ですが、それは当たり前で金融・証券業界にとっての商機が消えてしまうからです。
われわれ、マスコミだって同じです。日経電子版の購読はPRしますが、「読むのをやめましょう」なんて絶対言いません。
しかし、投資においては必ず幕を引く時を迎えます。人生は早晩終わるのだし、それ以前に弁識力が衰えてくると事故やトラブルを招いてしまいます。図2にやめるきっかけを挙げてみましたが、みなさんはどうでしょうか。
図2 株式投資、いつやめますか?
御年88歳の藤本茂さん。日経CNBCでも特集でオンエアしましたが、資産20億円を動かすとんでもない現役トレーダーです(図3)。夜明け前には起床して日経CNBCもつけっぱなし、ニュースやマーケット動向をモニタリングされておられるとか。
図3 88歳の現役トレーダー、藤本茂さんを日経CNBCで特集
個人投資家として晩年もこうありたいと思うかもしれませんが、藤本さんはやはり例外でしょう。70代には軽度認知障害などが起こり始めるわけですから、どこかで運用生活にさようならを告げるタイミングを見つけないといけません。
これは投資力とは全く違うヘルスケア・リテラシーが必要になってきます。私は健康検定マスターの普及認定講師を務めており、来春もウェビナーを行う予定なのですが、「健康寿命」の観点から投資撤退期を考えてみましょう。
■健康とマネー力を大幅アップ 新春ウェビナー1月13日開催
本稿は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(田中彰一著)から抜粋し、株探ユーザー向けに加筆・再構成しました。
また、日本健康マスター検定(文科省、日本医師会後援)主催の新春ウェビナーにて筆者が「輝く2025年へ! 幸福寿命を延ばす健康とお金の新リテラシー」と題したウェビナーを開きます。あわせてご視聴ください。詳細はこちら=<https://kenken.or.jp/certification/seminar2#semi19>
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