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【市況】新興市場見通し:決算発表一巡で売買代金減少か、指数の方向性は乏しく個別物色中心に

日経平均 <日足> 売買代金 「株探」多機能チャートより

 

■決算発表を中心とした物色が活発

今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が-2.17%だったのに対して、グロース市場指数は-0.28%、グロース市場250指数は-0.15%と新興市場は下げ渋る展開となった。トランプ次期政権の掲げる政策により生じる可能性が高まっている貿易摩擦への懸念が、プライム市場の重しとなったが、内需株が多い新興市場は相対的にしっかり。主力処の決算発表を中心とした物色が活発となり、13日以降、売買代金が増加した。グロース市場指数、グロース市場250指数ともに、日経平均やTOPIX比ではしっかりとした推移となった。

時価総額上位銘柄では、8日に上場来高値をつけたGENDA<9166>が売り優勢となったほか、闇バイト対策で後手にまわったタイミー<215A>は、12日続落で上場来安値を更新した。一方、決算と株式分割が材料視されてBuysell<7685>が週末ストップ高となったほか、カバー<5253>が好業績や証券会社のポジティブなレポートを材料に大商いで上昇した。その他の銘柄では、yutori<5892>、雨風太陽<5616>、ライスカレー<195A>などは決算で売られた。一方、UUUM<3990>は支配株主によるTOB実施で週末急騰したほか、STG<5858>、MTG<7806>などは業績が材料視されて上昇した。

■材料が出た銘柄などを中心とした物色か

来週の新興市場は、プライム市場同様、決算発表一巡に伴い売買代金が減少しそうだ。グロース市場250指数は、25日移動平均線(25MA)を上回っているが、5日移動平均線(5MA)を下回っており、方向感に乏しい。売買代金が増加した今週でも明確な方向性を出せなかったことを考慮すると、指数の堅調推移は難しいか。プライム市場であれば、決算発表後の証券会社のレポートに絡んだ物色が多少は期待できるものの、新興市場はカバレッジが少ないことからレポート関連の物色は期待しにくい。来週は、今週材料が出た銘柄や足元動意付いている銘柄を中心とした物色を想定する。

時価総額上位では、週末ストップ高で取引を終えたBuysellの買いが続くか注目されるほか、10月末から急騰しているカバーは、13日に500億円の売買代金を記録するなど投資家の関心が非常に高い。短期資金を巻き込んだ相場展開となっていることから、乱高下に警戒したい。一方、8日の上場来高値から半値以下まで売られているSapeet<269A>は、そろそろ値ごろ感が意識されそうだ。このほか、ビットコイン価格が高止まりしていることから、暗号資産関連銘柄への思惑的な売買は続くと考える。

なお、22日にはスタンダード市場に飲食事業を手掛けるガーデン<274A>が上場する。10月29日に上場したSapeet以来のIPOで、スタンダード市場への上場と飲食事業ということで派手さはないが、堅調な価格形成となれば、年末にかけてのIPOラッシュにも弾みがつく可能性はある。

《FA》

 提供:フィスコ

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