【市況】10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは57ドル安、CPIを嫌気
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは57ドル安、CPIを嫌気
米国株式市場は反落。ダウ平均は57.88ドル安の42,454.12ドル、ナスダックは9.57ポイント安の18,282.05で取引を終了した。
消費者物価指数(CPI)が予想を上回り連邦準備制度理事会(FRB)の速やかな利下げ期待の後退で、寄り付き後、下落。大型ハリケーンが影響し週次新規失業保険申請件数が大幅増加したことも景気見通し悪化につながり、さらなる売り圧力となり続落した。人工知能(AI)分野を先導する半導体エヌビディア(NVDA)の上昇が相場全体の下支えとなり、終盤にかけ下げ幅を縮小し終了。セクター別では、エネルギーや半導体・同製造装置が上昇した一方で、電気通信サービスが下落した。
石油会社のエクソンモービル(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高で収益増期待にそれぞれ上昇。一方、航空会社デルタ(DAL)は四半期決算で大規模なシステム障害が影響し減益を計上したほか、第4四半期の売上見通しが弱く、下落。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はイベントで、人工知能(AI)プロセッサーの次期製品ラインを発表したが、期待には達せず、下落。
太陽電池モジュール製造会社のファースト・ソーラー(FSLR)は四半期決算発表を控え、労働者不足やサプライチェーン混乱が業績見通しに影響する可能性を、アナリストが警告し、下落。製薬会社のファイザ―(PFE)は物言う投資家スターボードバリューからの圧力が強まる中、前CEO、最高財務責任者(CFO)が現ブーラCEOを支持する姿勢を示したため業務再編への期待が後退し、下落した。
アトランタ連銀のボスティック総裁はインタビューで、データが適切と示唆する場合、利下げを見送ることは全く問題ないとの見解を示した。同総裁は2024年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つ。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドルは一時乱高下、CPI予想上振れで利下げ見送り観測も
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は149円53銭まで上昇後、148円30銭まで下落し、148円58銭で引けた。米9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、インフレ鈍化の改善が停滞したことが明らかになりドル買いが加速した。同時に、米先週分新規失業保険申請件数が前回から予想外に増加したため景気悪化も警戒され、一時ドル売りに転じた。その後、アトランタ連銀のボスティック総裁が年内あと2回ある連邦公開市場委員会(FOMC)のうち1回利下げ見送りの可能性を示唆したため、長期金利上昇に伴いドル買いが再開した。
ユーロ・ドルは1.0955ドルまで上昇後、1.0900ドルまで下落し、1.0935ドルで引けた。ユーロ・円は、163円05銭から162円18銭まで下落。ポンド・ドルは1.3088ドルまで上昇後、1.3022ドルまで下落。ドル・スイスは0.8613フランまで上昇後、0.8560フランまで下落した。
■NY原油:大幅反発で75.85ドル、時間外取引で一段高
NY原油先物11月限は大幅反発(NYMEX原油11月限終値:75.85 ↑2.61)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+2.61ドル(+3.56%)の75.85ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.26ドル-76.24ドル。アジア市場の序盤で73.26ドルまで売られたがイスラエルの報復攻撃が警戒されたことや一部産油国の生産抑制などを受けて、じり高となり、通常取引終了後の時間外取引で76.24ドルまで一段高となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 39.97ドル -0.22ドル(-0.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 108.08ドル -0.96ドル(-0.88%)
ゴールドマン・サックス(GS)503.72ドル -1.46ドル(-0.28%)
インテル(INTC) 23.22ドル -0.24ドル(-1.02%)
アップル(AAPL) 229.04ドル -0.50ドル(-0.21%)
アルファベット(GOOG) 163.18ドル +0.12ドル(+0.07%)
メタ(META) 583.83ドル -6.68ドル(-1.13%)
キャタピラー(CAT) 396.64ドル +0.45ドル(+0.11%)
アルコア(AA) 39.25ドル +0.81ドル(+2.10%)
ウォルマート(WMT) 79.61ドル -0.79ドル(-0.98%)
《ST》
提供:フィスコ