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【注目】株式市場と金利市場で異なるシグナル 株式市場へのエクスポージャーをヘッジすべきとの声

 米株式市場と金利市場はそれぞれ異なるシグナルを発しているという。S&P500とダウ平均は、先週の大幅利下げ以降の勢いに拍車をかけるように月曜日にも過去最高値を更新。第3四半期のS&P500は4.7%上昇し、ダウは7.7%上昇している。このパフォーマンスはFRBによる低金利政策のもとで活況を呈する経済と急上昇する企業収益の様子を描き出している。

 しかし、ストラテジストは金利市場は別のシグナルを発していると指摘している。金利市場では2025年のFF金利が3%を下回ると予測しており、その要因の一部はインフレの2%目標への接近かもしれないが、この先米経済が弱体化する可能性を示唆している面もあるという。

 最初の利下げ後の株式市場の最終的な方向性は経済、ひいては企業収益がどうなるかによって決まるが、それは事後的にしか判明しないと指摘している。利下げサイクルと好調な経済が重なれば、株式にとっては素晴らしい事だが、経済が低迷すれば利下げサイクルの効果は圧迫される。

 今月初めに米雇用統計が景気減速を示唆したため株価は下落し、金利も低下していた。その後、経済が成長を維持していることを示すデータが幾つか発表されたことで、株価と金利は回復。ただ、米経済データは依然相反するシグナルを発信しており、昨日の9月の米PMIもサービス業は拡大を示していたものの、製造業は15カ月ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 同ストラテジストはこれらの状況を背景に、オプションを通じて株式へのエクスポージャーをヘッジすべきと推奨している。「どちらの市場が正しいかはいずれ証明されるだろう。ただ、経験則から言えば、金利市場である可能性が高い」と述べている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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