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【特集】メディアS Research Memo(1):日本リビング保証と経営統合し、新会社「Solvvy株式会社」へ

メディアS <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

メディアシーク<4824>は、2000年に設立されたシステム開発の専門企業で、長年にわたり特定の領域で高い実績を誇っている。市場のニーズに応じて5つの事業ポートフォリオを策定している。5つの事業ポートフォリオとは、法人向けのシステムコンサルティングサービス「コーポレートDX」、バーコードとQRコードの読み取り機能を搭載したアプリケーションとAI技術の研究開発に焦点を当てた「画像解析・AI」、教育やヘルスケア、エンターテインメントを含む様々なオンラインサービスを提供する「ライフスタイルDX」、治療用アプリの研究開発とブレインテック技術の民間利用を進める「ブレインテック・DTx※」、そしてスタートアップ企業を支援しIPOに至るまでのプロセスを顧客とともに歩む「ベンチャーインキュベーション」である。「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」を拡大する一方で、新しい技術の研究開発にも力を入れており、特に社会に良い影響を与える新技術に注力している。加えて、スタートアップ企業との協業を積極的に進めることで、常に最先端の技術領域に挑戦し続けている。2024年8月9日、日本リビング保証<7320>と同社は、株式交換による経営統合を決議し、2024年11月1日に効力が発生する予定である。これに伴い、同社の株式は2024年10月30日に東証グロース市場で上場廃止となり、日本リビング保証は「Solvvy株式会社」へ商号を変更する。この経営統合により、両社はシナジーを最大限に引き出し、新たな成長を目指す方針である。

※ 「デジタルセラピューテックス」の略で、デジタル技術による治療を指すが、明確な定義はまだない。

1. 2024年6月期の連結業績概要
2024年6月期の連結業績は、売上高で前期比0.6%減の864百万円、営業利益で同48.7%増の61百万円、経常利益で同158.6%増の202百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同98.5%増の119百万円と、利益面では大幅な増益となった。2024年6月期の期初予想では、売上高で前期比1.7%減の855百万円、営業利益で同17.1%減の34百万円、経常利益で同133.3%増の182百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同90.0%増の114百万円であったものの、これを上回る結果となった。「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」のビジネスユニットが売上増に寄与し、特に「マイクラス」の成長が安定している。なお、2024年6月期は、決算期の変更により、2023年8月1日から2024年6月30日までの11ヶ月である。

2. 2025年6月期の連結業績見通し
同社は、日本リビング保証との株式交換による経営統合を決議し、2024年11月1日に効力発生予定である。これに伴い、同社株式は2024年10月30日に上場廃止となる見込みで、2025年6月期の業績及び配当予想は発表を控えている。経営統合により、両社のシナジーによる成長が期待されている。

3. 今後の展望
日本リビング保証と同社は、2024年4月26日に締結した基本合意書に基づき、株式交換による経営統合を決議し、2024年11月1日に効力を発生させる予定である。この統合により、新会社「Solvvy」はITシステム開発体制を強化し、社内ITエンジニア100名体制を構築することで、既存クライアントへのSIサービス提供やSaaS/FinTech事業の拡大を加速させる。同時に、社内SIの内製化によるコスト削減効果も期待されている。さらに、日本リビング保証の保証・金融・BPO機能と同社のシステムインテグレーション機能を融合させることで、顧客企業に対して「ストックビジネスコンサルティング」を提供する計画である。「Solvvy」では、増収増益と2027年6月期に売上高及び営業利益の倍増を目指す中期経営計画を策定し、既存事業の成長と新規事業の早期確立を両立させ、持続的な成長を実現することを目指している。

■Key Points
・2024年6月期は大幅な増益。「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」が売上増に寄与し、特に「マイクラス」の成長が安定
・日本リビング保証との経営統合により、2024年10月30日に上場廃止予定
・2024年11月1日より新会社「Solvvy株式会社」体制で、2027年6月期に売上高及び営業利益の倍増を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《HN》

 提供:フィスコ

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