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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―抵抗線クリアでショートカバーが強まりやすい

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 今週の日経225先物は、ロング優勢の相場展開が見込まれる。注目された日米金融会合では、米連邦準備理事会(FRB)の大幅な利下げによってソフトランディングへの期待が強まり、NYダウ S&P500指数は最高値を更新。一方、日銀の金融政策決定会合では予想通り政策金利が据え置かれた。日米金融イベント通過後はショートカバーが強まり、19日に710円高で3万7000円を回復した日経225先物は、20日には3万7770円まで買われる場面もみられた。これにより9月4日の急落以降、上値抵抗線として機能していた25日・200日移動平均線を抜いてきた。

 さらに、日銀会合後に植田和男総裁は、円高の修正によって物価上振れリスクは相応に減少していると説明。追加利上げに慎重と受け止められ、20日の取引終了後のナイトセッションでは3万8000円を回復した。75日線も突破し、4日の急落局面で残した大陰線(3万6620-3万8630円)を埋めに行く動きが意識されてきそうだ。

 20日の取引終了後のナイトセッションでは、概ね3万7900円~3万8180円での推移だったが、23日の祝日取引では3万8400円を上回る場面もみられている。為替市場では円相場が1ドル=144円台前半と円安に振れて推移しており、連休明けの東京市場は一段の上昇が期待される。7月下旬に75日線を割り込み、8月の急落以降のリバウンド局面でも同線が抵抗線として機能していた。この抵抗線を明確に上放れてくると、ショートカバーが強まることになろう。

 日経225先物は、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8220円)を捉えてきた。バンドは足もとで収斂をみせていたが、先週半ば以降の上昇局面で拡大をみせつつあり、バンドの拡大に沿ったリバウンドが意識されてくる。+1σ水準で底堅さがみられるようだと、9月2日の戻り高値(3万8950円)を目先的なターゲットとしつつ、+2σ(3万9180円)とのレンジに移行することになろう。まずは+1σおよび75日線水準での押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。

 また、週足形状では13週線(3万7880円)、26週線(3万8110円)を突破しており、パラボリックは陰転シグナルが継続しているが、SAR値は3万8810円辺りまで低下してきたため、シグナル好転が近づいてきた。9月の戻り高値を捉えてくる局面ではシグナル好転による先高期待なども高まってくると考えられる。

 8月の急落局面でヘッジファンドなどは持ち高を解消したとみられるが、すぐさま方針を変更しているとも考えづらく、足もとのリバウンド局面でロングはさほど積み上がっていないと考えられる。反対にショートに傾いているとみられるため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円のレンジを想定する。

 また、今週は3・9月期決算企業の配当落ちとなる。企業の配当政策によって配当金は高水準であり、27日の配当落ち分は日経平均株価で約280円程度とみられている。パッシブ連動資産はこの配当分を先物買いでヘッジを行う。金額ベースでは日経225先物に2000億円、TOPIX先物に1兆1000億円ほど買い需要が発生するとみられている。この需給要因が下支えとして意識されやすいためショートが仕掛けづらい一方で、押し目待ち狙いのロングは入りやすいとみられる。

 なお、20日の米VIX指数は16.15(前日は16.33)に低下した。VIX指数は18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明時には19.39まで上昇し、25日線(18日時点17.29)を上回る場面もみられたが20.00を上回ることはなかった。その後の低下で20日には75日線(16.27)を下回り、200日線(14.77)に接近してきた。7月以降、支持線として機能していた75日、200日線を明確に下放れてくると、リスク選好が強まりやすい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。14.30倍を回復して始まり、一時14.24倍まで軟化する場面もみられたが、200日線(14.22倍)が支持線として意識される形で切り返していた。8月22日に付けた戻り高値の14.35倍に接近しており、この水準を突破してくると、NTロングによるスプレッド狙いの動きに向かわせよう。また、25日にマイクロン・テクノロジー<MU>の決算発表が予定されており、決算内容次第でNTスプレッドに影響を与えそうだ。

 9月第2週(9月9日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週連続の売り越しであり、売り越し額は1兆0981億円(9月第1週は7553億円の売り越し)だった。なお、現物は1兆5425億円の売り越し(同8235億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は4444億円の買い越し(同物は682億円の買い越し)と4週連続の買い越し。個人は現物と先物の合算で2284億円の買い越しで2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で268億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。

 主要スケジュールでは、23日に米国9月製造業PMI、24日に米国7月S&Pケースシラー住宅価格、米国9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、25日に8月企業向けサービス価格指数、米国8月新築住宅販売件数、26日に日銀金融政策決定会合議事要旨(7月30・31日開催分)、米国4-6月期GDP(確報値)、米国8月耐久財受注、パウエルFRB議長がNY連銀主催のカンファレンスで挨拶、27日に9月東京都区部消費者物価指数、7月景気動向指数(確報値)、自民党総裁選挙投開票、中国1-8月工業企業利益、米国8月個人所得、米国8月個人消費支出などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75
11月限 日経225 32454.88  TOPIX  2318.99
12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77
01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46
02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93
03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15
04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89
05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 09月20日  36860  37770  36800  37530  +640
24/12 09月19日  36220  37170  36050  36890  +710
24/12 09月18日  36020  36550  35890  36180  +170
24/12 09月17日  36450  36480  35570  36010  -280

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 09月20日  2588.0  2644.0  2584.5  2615.5  +25.5
24/12 09月19日  2547.0  2609.5  2538.0  2590.0  +46
24/12 09月18日  2536.0  2572.5  2520.5 2544.0  +9.5
24/12 09月17日  2555.0  2566.5  2496.5  2534.5  -10.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
09月20日(12月限) 37975  +445
09月19日(12月限) 37530  +640
09月18日(12月限) 36370  +190
09月17日(12月限) 36410  +400
09月16日(12月限) 36435  +145
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
09月13日    1690億円 -2543億円 1兆4256億円  +3072億円
09月06日    4233億円  -706億円 1兆1184億円  -4548億円
08月30日    4940億円  -428億円 1兆5733億円  -313億円
08月23日    5368億円  -25億円 1兆6046億円  +374億円
08月16日    5393億円  -748億円 1兆5671億円  +2230億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
09月18日    3164万株    -25万株  6億6212万株   +4143万株
09月17日    3189万株   -2161万株  6億2069万株   -6026万株
09月13日    5350万株 -1億1836万株  5億6042万株   -4643万株
09月12日  1億7186万株   -4137万株  6億0686万株   +1億5176万株
09月11日  2億1324万株   +3705万株  4億5510万株   +3553万株
09月10日  1億7618万株   +694万株  4億1956万株   +1241万株
09月09日  1億6923万株   +3502万株  4億0715万株   -1126万株
09月06日  1億3421万株   -3199万株  4億1841万株   +252万株
09月05日  1億6621万株   -196万株  4億1589万株   +369万株
09月04日  1億6818万株   +850万株  4億1220万株   -1億0997万株
09月03日  1億5968万株   +323万株  5億2217万株   -2307万株
09月02日  1億5645万株    +8万株  5億4525万株   -1386万株
08月30日  1億5636万株   -836万株  5億5911万株   -279万株
08月29日  1億6473万株    +46万株  5億6190万株   -70万株
08月28日  1億6426万株    +34万株  5億6260万株   +1520万株
08月27日  1億6391万株   -325万株  5億4740万株   +99万株
08月26日  1億6716万株    +22万株  5億4641万株   -1309万株

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