【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):セルシス、メドレー、トヨタ
セルシス <日足> 「株探」多機能チャートより
セルシス<3663>がストップ高に買われ、年初来高値を連日で更新した。18日の取引終了後、東京証券取引所が同社株の市場区分を25日付でスタンダードからプライムに変更すると発表。これを好感する買いが向かったようだ。
■八洲電機 <3153> 1,787円 +191 円 (+12.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
八洲電機<3153>は大幅に3日続伸。18日取引終了後、25年3月期通期連結業績予想について、売上高を650億円から660億円(前期比1.8%増)へ、営業利益を42億円から46億円(同18.1%増)へ、最終利益を29億円から34億円(同28.0%増)へ上方修正しており、好感された。同社は電気機器関連の販売・システム工事会社。プラント事業における半導体製造に関連する企業の電源設備付帯工事及びプラント設備の保守・改修や、産業・設備事業におけるデータセンター向けの空調機器設備案件、更に交通事業における受変電設備更新工事など、エンジニアリング案件が好調に推移。また、固定資産の売却による特別利益計上も寄与する。
■メドレー <4480> 3,330円 +245 円 (+7.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
メドレー<4480>が急反発。同社は18日、医療・介護・福祉事業所が抱える人材領域における経営課題の解決を目的に、りそなホールディングス<8308>傘下の埼玉りそな銀行との協業を開始したと発表。これが材料視されたようだ。この取り組みは、埼玉りそな銀行を通じて埼玉県内の介護事業所を中心とした医療・介護・福祉事業所に、メドレーが手掛ける日本最大級の医療介護求人サイト「ジョブメドレー」、介護・障がい福祉・在宅医療向けのオンライン動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」を提供するもの。メドレーは今後も、地域金融機関をはじめとした地域で事業を展開する他業種と連携を図っていくとしている。
■エターナルG <3193> 3,860円 +225 円 (+6.2%) 本日終値
エターナルホスピタリティグループ<3193>が後場に一段高となった。19日正午、中期経営計画を公表した。27年7月期に売上高を600億円(24年7月期実績は419億1400万円)、営業利益を60億円(同32億4800万円)に伸ばす目標を掲げた。事業拡大に伴う1株利益(EPS)の上昇を期待した買いが集まったようだ。同社は焼き鳥店「鳥貴族」を展開する。日本国内では出店エリアの拡大と新規出店により成長を図るほか、米国・東アジアにおける店舗モデルの構築・展開に臨む方針。海外市場での将来的な店舗網の拡大につなげる構えを示している。27年7月期の海外売上高目標は60億円とした。
■トヨタ自動車 <7203> 2,610.5円 +125.5 円 (+5.1%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が大幅高で一気に2600円台まで上値を伸ばす強調展開をみせている。注目されたFOMCではFRBが0.5%の政策金利引き下げを決定、通常の2倍に相当する利下げ幅で、外国為替市場ではいったんドルが大きく売られる展開となったものの、その後はアンワインドの動きが鮮明化し、足もとで1ドル=143円台半ばまで急速に円安方向に押し戻される荒い値動きとなっている。ここ同社株をはじめ自動車セクターはドル・円相場の円高進行を嫌気する形で株価は軟調な動きを強いられていたが、円買いポジションの巻き戻しが発生したことを背景に、ショート筋の手仕舞いを誘発する格好となった。特に対ドル1円の変動で営業利益を500億円左右すると試算されるトヨタは、足もとの円安が株価に与えるインパクトが大きくなっている。
■日経レバ <1570> 24,400円 +990 円 (+4.2%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急騰。日本時間きょう未明に結果が判明したFOMCでは、通常の2倍にあたる0.5%の政策金利引き下げが決定され、会合後のパウエルFRB議長の記者会見でも米経済に対する弱気な見方は示されなかった。米株市場はFOMC後に売り買いが錯綜し上下に不安定な値動きとなり、結局NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落して取引を終えた。しかし、東京市場では朝方から先物を絡めた買いが一気に流入、為替市場では急速にドルが買い戻され、1ドル=143円台後半まで円安が進行した。これを受けて株式市場でもリスクオン一色となっている。日経平均は1000円を超える上昇をみせたが、日経平均連動型でハイボラティリティに組成された日経レバもこれと歩調を合わせる格好となった。日経レバの売買代金は全市場を通じてレーザーテック<6920>に次ぐ2位となっており、個人投資家を中心とした短期筋の参戦が活発化していることを物語っている。
■住友林業 <1911> 6,770円 +265 円 (+4.1%) 本日終値
住友林業<1911>が3連騰。米商務省が18日に発表した8月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は、前月比9.6%増の135万6000戸となった。市場予想を上回り、今年4月以来、4カ月ぶりの高水準となっている。米国で住宅事業を展開する住友林に対しては、業績へのポジティブな影響を期待した買いが入ったようだ。同日まで米連邦準備制度理事会(FRB)が開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.50%幅の大幅利下げが決まったことにより、住宅ローン金利が低下し現地の住宅需要が下支えされるとの思惑も、引き続き株価を支援している。住宅株では、積水ハウス<1928>やオープンハウスグループ<3288>なども堅調に推移している。
■三菱重工業 <7011> 1,856円 +67 円 (+3.8%) 本日終値
三菱重工業<7011>が大幅反発。18日、世界有数の衛星オペレーターであるフランスのユーテルサットと複数の衛星打ち上げに関して合意に至ったと発表。これが材料視されたようだ。三菱重は2027年以降、新型基幹ロケット「H3」による複数の打ち上げ輸送サービスを提供し、ユーテルサットの継続的な衛星サービスに貢献するとしている。
■住友化学 <4005> 403.2円 +13 円 (+3.3%) 本日終値
住友化学<4005>が反発。18日の取引終了後、持ち分法適用関連会社である住友ベークライト<4203>の株式の一部をシンガポール政府投資公社に売却すると発表。資本効率の向上につながる取り組みと受け止めて評価した投資家の買いが入ったようだ。住友化の議決権所有割合は22.62%から15.61%に低下し、住友ベは住友化の持ち分法適用関連会社から外れる見通し。住友化は25年3月期第2四半期(7~9月)の連結決算において、株式売却に伴う収益(コア営業利益)として100億円、残存持ち分の公正価値測定による評価益(非経常項目)として60億円をその他の営業収益に計上する予定。業績予想の変更はないという。
■シンフォニア <6507> 4,760円 +130 円 (+2.8%) 本日終値
シンフォニア テクノロジー<6507>はジリジリと上値指向を継続し新値街道を走る展開。きょうで5連騰となり前日ザラ場につけた年初来高値4700円を上回った。半導体向け搬送装置などを主力展開するが、生成AI市場の拡大を背景とした、高水準の半導体設備投資需要が追い風となっている。同社は中期的にも半導体関連事業に注力の構えを明示、2030年には前期実績比で2.7倍となる年商800億円を計画している。ここ半導体関連の主力銘柄が軟調な値動きとなるなかも、同社株には法人筋の実需買いとみられる継続的な資金流入が観測される。きょうはレーザーテック<6920>を筆頭に半導体製造装置関連が軒並み高に買われており、その流れに乗る形となった。
株探ニュース