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【特集】アルプス技研 Research Memo(1):2024年12月期上期は計画を上回る増収増益


■要約

1. 会社概要
アルプス技研<4641>は、機械、電気・電子、ソフト・IT、化学などの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。経営理念である“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を大切にしており、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力している。創業55周年を迎えた2023年7月には、2028年までのありたい姿として第12次5ヶ年計画(定性目標)を公表した。最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業など新たな収益の柱を伸ばすことにより、持続的な成長に向けた基盤強化に取り組む方針である。

2. 2024年12月期上期の業績
2024年12月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の24,098百万円、営業利益が同3.2%増の2,457百万円と計画を上回る増収増益となった。半導体関連や次世代車の開発が激化する自動車業界などを中心に研究開発投資が堅調に推移するなか、稼働人数の拡大(高稼働率の維持)と契約単価の向上が増収に寄与した。損益面では、処遇向上に伴って売上原価が増加したものの、増収により営業増益を実現し、営業利益率も10%超えを維持することができた。将来を見据えた活動面でも、サービス付き高齢者向け住宅事業を含め、新規事業(農業・介護関連事業)などで注目すべき成果を残すことができた。

3. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比7.1%増の49,500百万円、営業利益を同4.4%増の5,200百万円と増収増益基調が継続する見通しである。需要が拡大している半導体や医療系、先端技術に関わるソフト開発等の好調な顧客ニーズを背景として、売上高、営業利益ともに順調に拡大する見通しである。また、子会社(株)デジタル・スパイスによる航空宇宙関連や外国人材の受け入れが進んできた農業関連分野などについても、業績の伸びに寄与する想定となっているようだ。

4. 中長期の成長戦略
2023年7月に公表した第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、(1) 技術系アウトソーシング事業の新領域への挑戦、(2) 新たな収益の柱を創る、(3) 持続可能で豊かな社会の創生へ貢献、(4) デジタル化で多様な人材が活躍する組織・風土の醸成を掲げている。また、今後3ヶ年の中期経営計画(ローリング方式)では、2026年12月期の目標として売上高55,500百万円、営業利益5,700百万円、ROE20%以上を目指している。

■Key Points
・2024年12月期上期は稼働人数の拡大や契約単価の向上により計画を上回る増収増益を実現
・需要が拡大している半導体関連や世代自動車向けR&Dのほか、注力する航空宇宙関連なども伸長
・2024年12月期の業績予想を据え置き、通期でも増収増益基調が継続する見通し
・第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業を中心とする新たな収益の柱の伸長に取り組む方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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