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【経済】ISM製造業景気指数、製造業の厳しい状況を浮き彫りに

*ISM製造業景気指数(8月)23:00
結果 47.2
予想 47.5 前回 46.8
新規受注 44.6(47.4)
生産   44.8(45.9)
雇用   46.0(43.4)
入荷遅延 50.5(52.6)
在庫   50.3(44.5)
仕入価格 54.0(52.9)
輸出   48.6(49.0)
()は前回

 この日発表の8月のISM製造業景気指数は47.2に前回から上昇したものの5カ月連続での活動縮小となった。受注と生産がさらに低下した。生産指数は5カ月連続で低下しており、2020年5月以来の低水準に落ち込んだ。新規受注も15カ月ぶりの低水準。輸出も縮小が続き1月以来の低水準となった。

 受注の落ち込みや受注残の低調は生産への逆風となっており、製造業の厳しい状況を浮き彫りにした。一方、雇用指数は前回から上昇したものの3カ月連続で50を下回る縮小圏で推移している。

 今回の上昇が在庫増や入荷遅延の改善に支えられていたことを踏まえれば、さらなる財のディスインフレの可能性を示唆している。意図せざる在庫増は今後数カ月の生産減速に繋がるとの指摘も出ている。

 借り入れコストの高止まりや11月の米大統領選挙を巡る不透明感を背景に、設備投資や雇用を控える企業も出てきているが、FRBの利下げ開始も予想されており、それが一定の支えとなる可能性はある。
 
 ISM製造業調査委員会は会見で「9月に実施されるとみられる利下げが助けになるのは間違いないが、短期的な支えとなるかは定かでない」と指摘。「状況が実際に変わり始めるのは12月か来年になってからだろう」と述べた。

 仕入れ価格が前月から上昇し、3カ月ぶりの高水準となった。仕入れ価格は昨年の大半を縮小圏で推移したが、今年は拡大圏が続いている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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