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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:古河池、サンケン、ニデック

古河池 <日足> 「株探」多機能チャートより
■古河電池 <6937>  1,389円  +247 円 (+21.6%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 古河電池<6937>は急騰。23日の取引終了後、同社に対し投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)と東京センチュリー<8439>の出資会社が株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1400円で、完全子会社化を目指す。古河池の株価はTOB価格にサヤ寄せをする動きをみせている。アドバンテッジと東京センチュの傘下にあり、自動車・産業向け鉛電池の製造・販売などを手掛けるエナジーウィズと古河池との将来的な経営統合を視野に、事業の相乗効果を生み出していく。買付開始時期は2025年3月下旬を予定。買い付け予定数の下限は307万600株で、上限は設定しない。古河池の自己株式と同社の親会社である古河電気工業<5801>の保有分を除いた少数株式の保有分を対象にTOBを実施する。TOB成立後に古河池は上場廃止となる見通し。TOB後に古河池は古河電の保有分について自社株買いを行う予定で、更に一連の取引後に古河電は買収会社に対し再出資する。発表を受け、東京証券取引所は古河池を監理銘柄(確認中)に指定した。

■サンケン電気 <6707>  8,177円  +780 円 (+10.5%) 一時ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率3位
 サンケン電気<6707>が続急伸し年初来高値を更新している。この日の寄り前、米国連結子会社アレグロ・マイクロシステムズ<ALGM>の株式の一部を、アレグロによる自己株式取得を通じて売却すると発表しており、売却益による業績への影響を期待した買いが入っているようだ。売却株数及び売却価額は未定だが、アレグロの発行済み株数の約20%相当を売却する予定で、アレグロ社は連結範囲から除外され持ち分法適用関連会社となる。また、売却による資金の使途として、株主還元や中計期間における資金需要、財務体質の抜本的改善などを挙げている。なお、アレグロの持ち分法適用関連会社化及び特別利益計上による影響を精査するため、25年3月期の業績予想をいったん取り下げた。

■イーグル工業 <6486>  2,064円  +194 円 (+10.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位
 イーグル工業<6486>が続急伸し、18年2月以来約6年5カ月ぶりの高値となっている。23日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、営業利益を82億円から95億円(前期比17.2%増)へ、純利益を71億円から80億円(同6.8%増)へ上方修正し、あわせて年間配当予想を中間・期末各40円の年80円から中間・期末各45円の年90円(前期80円)にすると発表したことが好感されている。半導体業界向け事業の回復が遅れる見通しから、売上高は1700億円から1690億円(同1.2%増)へ下方修正したが、欧州の自動車・建設機械業界向け事業が計画を上回る見通しであることに加えて、第1四半期において為替差益を計上することも寄与する。

■イオン九州 <2653>  2,939円  +202 円 (+7.4%)  11:30現在
 23日に発表した「株主優待制度を変更」が買い材料。
 株主優待制度を年1回→2回に変更。新制度では、8月末と2月末時点で100株以上保有する株主に対し5000円~2万5000円相当の買い物優待券をそれぞれ贈呈する。ネットポイント、イオンギフトカードの選択制は廃止する。24年8月末より贈呈。

■タムロン <7740>  4,480円  +305 円 (+7.3%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位
 タムロン<7740>が大幅続伸している。23日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1~6月)連結業績について、売上高が従来予想の410億円から448億円(前年同期比36.8%増)へ、営業利益が84億円から108億円(同66.7%増)へ、純利益が63億円から80億円(同50.1%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。写真関連事業で、前年来の新製品投入効果やレンズ交換式カメラ市場及び交換レンズ市場の堅調さから自社ブランド及びOEMともに計画を上回ったほか、監視&FA関連事業が注力分野のFA/マシンビジョン用レンズやカメラモジュールが計画を上回って推移したことが要因。また、モビリティ&ヘルスケア、その他事業も高成長を続ける主力の車載用レンズが引き続き好調に推移したことも寄与したという。これらに加えて、為替の円安影響があったことや原価低減推進効果なども利益押し上げに貢献した。

■ニデック <6594>  7,223円  +436 円 (+6.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率6位
 ニデック<6594>が大幅高で5日ぶりに反発している。23日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を2兆4000億円から2兆5000億円(前期比6.5%増)へ、営業利益を2300億円から2400億円(同47.6%増)へ、純利益を1650億円から1850億円(同48.1%増)へ上方修正したほか、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感されている。精密小型モータ事業でHDD用モータの需要が回復傾向にあることや、AIサーバ向け水冷システムの需要が急拡大していることに加えて、車載事業でニデックPSAイーモーターズの連結子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことなどが要因という。また、家電・商業・産業用事業でデータセンターに必要不可欠な発電機などの需要が急拡大しているほか、グリーンイノベーション関連需要の拡大に伴いバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の大幅成長が見込まれていることも寄与する。更に、為替レートが米ドル、ユーロともに想定以上の円安水準で推移したことも、売上高・利益を押し上げる。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高6481億6600万円(前年同期比14.8%増)、営業利益が602億5900万円(同0.1%増)、純利益1630億7600万円(同12.8%減)だった。

■サイゼリヤ <7581>  6,390円  +310 円 (+5.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率7位
 サイゼリヤ<7581>が大幅高で一気に6400円台まで水準を切り上げ、今月19日につけた年初来高値6240円を更新、新値街道に復帰している。外食業界では原料価格高騰などに伴い物価上昇圧力がかかっているが、同社は国内で価格を据え置き消費者ニーズを捉えており、24年8月期第3四半期(23年9月~24年5月)は本業のもうけを示す営業利益が前年同期比2.8倍の100億6500万円と大幅な伸びを達成している。足もとの円高進行で半導体などの輸出主力株が手掛けにくいなか、内需系の好業績株への資金シフトが顕在化しており、「同社をはじめ外食産業はコロナ禍前の水準を上回る業績で見直しムードが強い」(中堅証券ストラテジスト)という。また、「(同社株は)国内証券系調査機関の評価が軒並み高い点もポイント。直近(23日付)では野村証券が同社の投資判断を『Buy』とし、目標株価を7400円から7700円に引き上げたことも好感されているようだ」(同)としている。

■UNEXT <9418>  4,555円  +215 円 (+5.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率9位
 U-NEXT HOLDINGS<9418>が続伸している。同社は23日取引終了後、8月に開幕する2024~25シーズンから30~31シーズンまでの7年間、イングランドのプロサッカー1部リーグ(プレミアリーグ)及び長い歴史を誇るカップ戦「エミレーツFAカップ」の国内独占配信権を取得したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。同社はプレミアリーグ配信権取得を機に、コンテンツ配信サービス「U-NEXT」でサッカーコンテンツに特化した新プラン「U-NEXTサッカーパック」を8月9日から提供する予定。これにより、ARPU(ユーザー1人あたりの売り上げ)の向上及びユーザー基盤の拡大を図るとしている。

■サワイGHD <4887>  6,888円  +86 円 (+1.3%)  11:30現在
 サワイグループホールディングス<4887>が続伸している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「後発薬の供給不安を受け、大手各社が増産にかじを切る」と報じられており、同社についても9月にも増産準備に入ると紹介されていることが好材料視されているようだ。記事によると、福岡県飯塚市に建設した新工場棟で9月にも増産準備を始めるとしており、23年度に185億錠だった生産能力を24年度に205億錠、26年度に220億錠まで引き上げるとしている。

■ラウンドワン <4680>  899円  +8 円 (+0.9%)  11:30現在
 ラウンドワン<4680>が全般地合い悪に逆行して上値追いを継続、マドを開け一時5%高の935円まで駆け上がり年初来高値を更新した。時価は2007年12月以来約17年ぶりの高値圏に突入している。ボウリングやカラオケなど屋内での複合エンターテインメント施設を展開しており、訪日外国人観光客によるインバウンド需要を取り込んでいる。特にここ災害的ともいわれる酷暑で、屋外でのレジャーがままならず、屋内エンターテインメント施設を展開する同社の商機が高まっているとの見方が、投資資金の継続的な攻勢につながっている。出来高流動性の高さも特徴で、取引開始後わずか10数分で売買高は100万株を突破した。

■三菱重工業 <7011>  1,881円  +16.5 円 (+0.9%)  11:30現在
 三菱重工業<7011>が続伸している。23日の米株式市場では、米防衛大手のロッキード・マーチン<LMT>の株価が大幅に上昇した。同日の取引開始前に発表された24年4~6月期決算は、売上高と1株利益が市場予想を上回り、戦闘機「F-35」の納入再開などを背景に業績見通しを引き上げた。F-35の組み立てなどを担う三菱重の防衛関連事業にとって、米防衛大手の決算は株価の刺激材料となったようだ。F-35のエンジン部品を手掛けるIHI<7013>も底堅く推移している。

■東邦ホールディングス <8129>  4,499円  +27 円 (+0.6%)  11:30現在
 東邦ホールディングス<8129>が3日続伸している。23日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、シンガポールに拠点を置く投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合が8.44%から9.46%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入っているようだ。保有目的は純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこととしており、報告義務発生日は7月16日となっている。

■KOA <6999>  1,353円  -148 円 (-9.9%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ
 KOA<6999>は大幅安。約3カ月ぶりに年初来安値を更新した。23日取引終了後に4~6月期連結決算を発表。売上高が前年同期比4.5%減の162億1100万円、営業利益が同73.4%減の2億3000万円となっており、これが嫌気されている。自動車向けが堅調だったものの、日本やアセアンを中心に産業機器・家電向けが減少し全体を押し下げた。売上高の減少に加え、利益面では人件費の増加も響いた。なお、通期の増収・営業増益見通しは据え置いた。

■三菱自動車工業 <7211>  426.7円  -41.2 円 (-8.8%)  11:30現在  東証プライム 下落率2位
 三菱自動車工業<7211>がウリ気配スタート。23日の取引終了後、25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.3%減の6275億2200万円、最終利益は同38.5%減の294億6800万円となった。最終利益の通期計画に対する進捗率は約20%と低調な滑り出しとあって、ネガティブ視した売りが出たようだ。グローバルでの自動車販売台数は同1%減の19万4000台。営業利益段階では、販売費がかさんだことなどが利益を圧迫する要因となった。

■ディスコ <6146>  48,900円  -780 円 (-1.6%)  11:30現在
 ディスコ<6146>の下げが止まらない。株価は7月11日に上場来高値6万8850円をつけた後に急落しており、ここ売買代金も全上場銘柄を通じて断トツの1位となるケースが多くなっている。同社は半導体製造の後工程である切断・研削・研磨装置を手掛け、世界トップシェアを誇る。生成AI市場の急拡大を背景にAI用半導体向けで同社の商機が高まっており、足もとの業績も好調を維持している。しかし、「市場コンセンサスのハードルが高すぎるうえ、エヌビディア<NVDA>をはじめとする米半導体株の調整を横目に、利益確定を急ぐ動きが表面化し想定外の下落に見舞われている」(中堅証券ストラテジスト)状況だ。きょうは、ディスコの株価は午前中にプラス圏に浮上する場面があったが、その後は買いが続かなかった。このままマイナス圏で引ければ6日続落となる。市場では、個人投資家が信用取引を活用し押し目に買い向かっているとの観測もあるが、信用買い残が膨らんだ場合はその投げ売りを誘発する可能性があるだけに、半導体関連株全般を占ううえでも今後の同社株の動向から目が離せない。

●ストップ高銘柄
 WASHハウス <6537>  493円  +80 円 (+19.4%) ストップ高   11:30現在
 PRISMバ <206A>  530円  +80 円 (+17.8%) ストップ高   11:30現在
 以上、2銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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