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【材料】【スマサポ:不動産テックの挑戦vol.2】柳川教授対談_本当に入居者対応はAI化できるのか?未来の入居者対応戦略

スマサポ <日足> 「株探」多機能チャートより

 

不動産賃貸マーケットに対してテクノロジーを活用したサービスを提供する株式会社スマサポ<9342>の代表取締役社長CEO小田慎三氏と、東京大学大学院経済学研究科教授を務め当社の研究アドバイザーでもある柳川 範之氏が、不動産業界における課題とテクノロジー活用の未来について対談している。数回に渡り対談の内容を記事にまとめて公開する。

小田:
業界のニーズとして、クレームが出ない世界が求められていると感じていますが、不動産管理会社と入居者とのデジタルコミュニケーションで蓄積されるデータを活用して、不動産管理業務全体の効率化を図ることが不可欠だと考えています。入居者とのコミュニケーションから得られる情報を分析し、トレンドやパターンを把握することで、未然に問題を防ぐ仕組みの構築や、入居者対応の AI 化などを目指すことについてどう考えられるでしょうか? 柳川教授:
業界のニーズとしてはそういう方向性だと思いますが、ネガティブな問題を減らす、あるいは全てAI化するみたいなのはエクスポネンシャルにはあまり広がりにくいと思います。
統計的に見れば、大量のデータを収集することで内容分析や予測モデルの構築が可能になります。しかし、そのようなデータを十分に収集することができていません。クレームを未然に防ぐには、クレームデータが十分に集まらなければ、クレームの削減を実現することは難しいという課題があります。
テクノロジーとデータ解析の進展がどこまでこの課題を克服できるかという点については、不動産管理会社と入居者とのコミュニケーションは個別性が高いので適用しづらいのでは、というのが直感としてあります。
しかし、デジタルを活用して得られる膨大なデータは、業務効率化だけでなく、マーケティングにも大きな力を発揮し得るものとして期待されると感じました。

◆スマサポ代表取締役社長CEO小田慎三氏のコメント
入居者対応をAI化することの可能性について、確かにAIを活用することで一部の業務効率化や自動化は可能です。しかし、不動産管理業界では個別対応が求められるパーソナルな問い合わせが多いため、このような個別性の高い対応を支えるためには、インターネットで検索できるようなデータではなく、「実際にやりとりされた」詳細なコミュニケーションデータの収集が必要であると我々も考えております。
当社の入居者アプリ「totono」では、現状1日平均2,700件という実際に蓄積される膨大なデータを研究、分析、活用することを展開しており、このアプローチによってAIの活用範囲を広げつつ、人間の判断や対応が必要な場面にも柔軟に対応できる可能性があると考えております。

■柳川範之氏プロフィール
東京大学大学院経済学研究科教授。東京大学不動産イノベーション研究センター長。中学卒業後、父親の海外勤務の都合でブラジルへ。ブラジルでは高校にいかず独学生活を送る。大検を受けたのち慶應義塾大学経済学部通信教育課程入学。同課程卒業後、1993 年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。慶應大学専任講師、東京大学助教授等を経て、2011年から現職。

?次回、【スマサポ:不動産テックの挑戦vol.3】柳川教授対談_新しいプラットフォームが持つ可能性と不動産マーケィング の最前線に続く?

《NH》

 提供:フィスコ

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