【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヤマシン―F、セルソース、東宝
ヤマシン―F <日足> 「株探」多機能チャートより
ヤマシンフィルタ<6240>が続騰。一時ストップ高の水準となる前営業日比80円高の558円に買われた。同社は建設機械の油圧やエンジンオイル、燃料、トランスミッションに向けたフィルターを主力商品とする。11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利を収めるとの見方から、金融市場全般にトランプラリーの色彩が強まっている。インフラ開発面で恩恵を受けるとされる建機株に思惑的な資金が流入するなか、ヤマシン―Fは1期目のトランプ政権の初期において、建機関連の需要拡大が見込まれる銘柄として注目された過去がある。株価は3ケタ台にとどまっていることもあって、短期志向の個人投資家の資金が流入し、株高に弾みがついたようだ。
■セルソース <4880> 1,588円 +176 円 (+12.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
セルソース<4880>が大幅高で3日続伸。16日の取引終了後、東京都から「卵子凍結に係る対象者向けオンライン説明会運営業務」を受託したと発表しており、好材料視された。東京都が行う「卵子凍結に係る費用の助成」の対象者に向けたオンライン説明会の運営業務を受託した。助成にあたっては、希望する人が安全かつ安心な環境で卵子凍結を行えるよう、卵子凍結に関する正しい知識を身に付けるための同説明会への参加が要件となっていることから、同社では、これまで卵子凍結保管受託サービス「卵子凍結あんしんバンク」提供に際して行ってきた卵子凍結・保管に関する説明会で得た経験を生かし、受託業務を遂行するとしている。
■東宝 <9602> 5,079円 +543 円 (+12.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
東宝<9602>が続急伸。16日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高859億7600万円(前年同期比15.9%増)、営業利益245億7600万円(同34.1%増)、純利益161億4900万円(同31.4%増)と大幅な増収増益となったことが好感された。映画営業事業で、前期第4四半期からの続映作品で興行収入110億円を突破した「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」や興行収入150億円を超えた「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」のほか、「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)」などがヒットし業績に貢献した。また映像事業において、「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」などが劇場公開、動画配信、商品化権、パッケージ販売などの多面的展開により好調に推移した。なお、25年2月期通期業績予想は、売上高2800億円(前期比1.2%減)、営業利益550億円(同7.2%減)、純利益390億円(同13.9%減)の従来見通しを据え置いている。
■HIOKI <6866> 8,390円 +730 円 (+9.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
HIOKI<6866>は急反発。16日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算は、売上高186億6200万円(前年同期比8.2%減)、営業利益33億4400万円(同26.4%減)と減収減益だったものの、9日に上期及び通期業績予想の下方修正を発表済みであったことから、アク抜け感が強まったようだ。中国を中心に電気自動車(EV)の成長が短期的に鈍化していることを受けて、中国のバッテリーやエネルギー市場における計測器需要が落ち込んだことが響いたという。なお、24年12月期通期業績予想は、売上高400億円(前期比2.2%増)、営業利益80億円(同0.6%増)の修正予想を据え置いている。
■名糖産業 <2207> 2,080円 +100 円 (+5.1%) 本日終値
名糖産業<2207>が大幅高で続伸。16日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、最終利益を14億円から40億円(前期7億300万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。同社及び子会社エースベーカリーが保有するC&Fロジホールディングス<9099>株式の全てについて、SGホールディングス<9143>が実施したTOBに応募したのに伴い、第2四半期に投資有価証券売却益33億6300万円を特別利益として計上することなどが要因としている。なお、売上高280億円(前期比14.8%増)、営業利益8億円(同3.4倍)は従来見通しを据え置いている。
■ギフティ <4449> 1,162円 +55 円 (+5.0%) 本日終値
ギフティ<4449>が3日続伸。同社は16日、自社の自治体・地域課題を解決するデジタルプラットフォームサービス「e街プラットフォーム」が静岡ガス<9543>に採用されたと発表。これが株価を刺激したようだ。これにより、静ガスの会員サイト「Webエネリア」の会員を対象に付与されるポイント「エネリアmottoポイント」と交換可能な電子商品券「エネリアe街チケット」の発行を開始。「エネリアe街チケット」は、静ガスグループの事業エリアにおける飲食店などの登録加盟店で利用可能だという。
■イオンファンタジー <4343> 2,250円 +102 円 (+4.8%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>が反発した。16日の取引終了後、6月度の売上概況を発表した。国内単体の既存店売上高(曜日調整前)は前年同月比20.3%増と2カ月ぶりの増収で高い伸びを示し、好感されたようだ。曜日調整後の既存店売上高は同10.9%増となった。キッズプライム部門では同社限定の「ディズニーキャラクター ~Fantasy Stories~」マスコット景品を導入。プライズ部門では「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Flower Party」限定景品などを展開し、ともに好調に推移した。
■トライアル <141A> 2,620円 +105 円 (+4.2%) 本日終値
ここグロース市場の物色人気が復活の兆しをみせている。旧東証マザーズ指数である東証グロース市場250指数は前日まで3営業日続伸となっていたが、きょうも2%高で今年4月10日以来約3カ月ぶりとなる700台復帰を目前にとらえている。前日の米国株市場ではNYダウが740ドルあまりの大幅高をみせたが、一方で中小型株への買いが活発化し、中小型株で構成されるラッセル2000は3.5%高と急騰、5日連続で1%を超える上昇をみせ、5日間合計で12%近く水準を切り上げている。この流れが東京市場にも波及している。グロース250は5月30日に602.27で年初来安値をつけたが、その後は戻り足を鮮明としており、週足ベースで6月第3週は“トンボ足”を形成したが、それ以外は陽線5本を記録、今週も陽線となる可能性が高い。テクニカル的には長期波動の転換を示唆するに十分な状況にある。きょうは、時価総額で断トツのトライアルホールディングス<141A>のほか、時価総額上位に位置するカバー<5253>、ジーエヌアイグループ<2160>などが大きく買われ、指数押し上げに寄与している。
■東海カーボン <5301> 992.4円 +37.2 円 (+3.9%) 本日終値
東海カーボン<5301>が4日続伸。同社は16日取引終了後、電極事業の構造改革の一環として、25年7月までに日本と欧州の黒鉛電極の生産能力を年間5万6000トンから同3万2000トンに削減すると発表しており、これが評価されたようだ。黒鉛電極生産体制再構築の概要は、「国内生産は防府工場(山口県防府市)に集約し、滋賀工場(滋賀県近江八幡市)での生産を25年7月末までに終了。出荷能力は年間2万6000トンから同1万2000トン体制とする」「欧州拠点の生産能力を約30%削減し、年間3万トンから同2万トン体制とする」とし、北米拠点での生産能力は変更しない。構造改革の背景には世界的な鉄鋼生産低迷で電極需要が減少していることに加え、中国・インド勢による低価格製品の流入で市況が大幅に軟化し、構造不況状態になっていることがあるという。
■コマツ <6301> 5,066円 +179 円 (+3.7%) 本日終値
コマツ<6301>が連日の上値追い。前日も140円あまりの上昇をみせ動兆著しかったが、きょうは一段と買いの勢いが強まり、今月4日につけた上場来高値4998円を大陽線で上抜き最高値街道に復帰した。米国では銃撃事件を経てトランプ前大統領が11月の大統領選で勝利する可能性が高まったとみられており、ひと足先に政策を先取りした「トランプ・トレード」が活発化している。これは東京市場にも影響を与えている。トランプ氏は財政出動に積極的な姿勢を示していることから、海外売上高比率が約9割と高く北米に主力展開する同社への追い風も意識され、買いを引き寄せている。
株探ニュース