【市況】後場に注目すべき3つのポイント~アップル関連と半導体がけん引役
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
3日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は4日続伸、アップル関連と半導体がけん引役
・ドル・円は小じっかり、ドルに買戻し
・値上り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■日経平均は4日続伸、アップル関連と半導体がけん引役
日経平均は4日続伸。前日比350.68円高(+0.88%)の40425.37円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えている。
2日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は162.33ドル高(+0.41%)の39331.85、ナスダック指数は149.46ポイント高(+0.84%)の18028.76、S&P500は33.92ポイント高(+0.62%)の5509.01で取引を終了した。週末に6月雇用統計の発表を控え様子見姿勢が広がる中、足元で上昇していた株に利益確定の売りが先行し寄り付きは下落した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、「インフレが再び鈍化傾向にある」と指摘したことで長期金利が低下し、相場を支援したほか、アマゾンやアップルなど主要ハイテク株が買われ相場を支えた。ナスダック指数、S&P500は史上最高値を更新した。
米国株上昇を材料に、東京市場は買い優勢で取引を開始した。アップル関連銘柄や半導体株などが上げ幅をじりじりと広げるなど、米ハイテク株上昇を素直に材料視した展開となった一方、足元の日本株のけん引役だった保険株や銀行株など金融株は上げ一服。TOPIXよりも日経平均が強い動きを見せた。なお、前場のプライム市場の売買代金は2.1兆円と連日で2兆円台に乗せた。
日経平均採用銘柄では、米アップルが史上最高値を更新したことなど影響して、太陽誘電<6976>、村田製作所<6981>、TDK<6762>、京セラ<6971>、アルプスアルパイン<6770>などアップル関連の上げが目立ったほか、スクリーンHD<7735>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、ディスコ<6146>、SUMCO<3436>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体株も買われた。このほか、防衛関連の三菱重<7011>、IHI<7013>、川崎重<7012>も上昇した。
一方、足元上昇が目立っていた東京海上<8766>、MS&AD<8725>、SOMPOホールディングス<8630>など保険株は反落したほか、千葉銀行<8331>、しずおかFG<5831>、ふくおか<8354>、コンコルディア<7186>など地銀株も売り優勢となった。このほか、横浜ゴム<5101>、ブリヂストン<5108>もさえない。
業種別では、機械、海運業、化学、その他金融業、ガラス・土石製品などが上昇した一方、石油・石炭製品、ゴム製品、保険業、鉱業、輸送用機器などが下落した。
後場の東京市場もハイテク株主導で日経平均優位の地合いとなりそうだが、今晩の米国市場が独立記念日の祝日前で半日立ち合いのため、後場の売買は細りそうだ。為替は1ドル161円60銭水準と円安ドル高は一服だが、今晩の重要な米経済指標(ADP雇用者数、貿易収支、ISM非製造業景気指数、FOMC議事録など)を見極めたいとするムードが強まっている様子。今晩から明日4日にかけて、米独立記念日の祝日等で参加者が減少することから為替は小動きとなりそう。「4日の米祝日のタイミングで政府・日本銀行が円買い介入を実施する」との声も聞かれることで、後場一段の円安ドル高進行は回避されよう。
■ドル・円は小じっかり、ドルに買戻し
3日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、161円39銭から161円64銭まで値を上げた。前日の米10年債利回りの低下は一服し、ドルの買戻しが強まった。一方、日経平均株価は堅調地合いとなり、日本株高を好感した円売りもドルを支える。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は161円39銭から161円64銭、ユーロ・円は173円47銭から173円69銭、ユーロ・ドルは1.0740ドルから1.0754ドル。
■後場のチェック銘柄
・PRISM BioLab<206A>、霞ヶ関キャピタル<3498>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・豪・5月小売売上高:+0.6%(前月比予想:+0.3%、4月:+0.1%)
・中・6月財新サービス業PMI:51.2(予想:53.4、5月:54.0)
【要人発言】
・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長
「物価はディスインフレ傾向再開を示すようになった」
「最近見られるようなデータがさらに続くのが望ましい」
「予想外の労働市場軟化、行動のきっかけになりうる」
「1年後のインフレ率は2%台前半を予想」
<国内>
・14:00 日銀・需給ギャップと潜在成長率
<海外>
・特になし
《CS》
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