【特集】日産東HD Research Memo(10):「ニッサン・リテール・コンセプト」店を着実に拡大
日産東HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画
4. 店舗ネットワーク
店舗は、顧客の多様なニーズに応えつつ、来店から納車までワクワクするような体験を提供する主要なタッチポイントである。このため、「ニッサン・リテール・コンセプト」に基づく店舗リニューアル・新規出店も、重要戦略と考えて差し支えないだろう。2023年3月期はリニューアル9店、2024年3月期はリニューアル1店、2025年3月期は新規出店とリニューアルで4店と、着実に計画をこなしていく予定である。また、新たなタッチポイントとして、デジタル技術やメタバース技術を活用した自動車の新たな販売方法を探ることも検討しており、近い将来ではないかもしれないが、主要販路となる可能性があると考えられている。
投資を前倒したことで早期に成果が顕在化
5. 投資計画
中期経営計画のなかで同社は、既存領域への投資に加え注力領域への投資も積極化し、4年間で総額300億円規模の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化に向け、ネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円、変革への推進力となる人財・DXに向け、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティス強化に20億円、新規事業への参入や資本業務提携による事業領域拡大に向け、モビリティ関連やEV周辺事業などに30億円を投資する考えである。こうした投資により収益を向上し、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画している。そのため、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を目指すことでD/Eレシオ0.26倍を目指す。ただし、1年目に総投資額の半分にあたる150億円の投資を決定したことで成果が前倒しで顕在化させる方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
提供:フィスコ