【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):INPEX、ソフトバンクG、グリコ
INPEX <日足> 「株探」多機能チャートより
INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が高い。11日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比0.16ドル高の1バレル=77.90ドルと上昇した。11日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した6月の短期エネルギー見通しで、24年の世界の石油・液化燃料の需要の見通しが従来予想から上方修正されWTI価格が上昇したことなどが好感された。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,703円 +34 円 (+0.4%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は全般軟調地合いに抗して上昇、158円高の9827円まで上値を伸ばす場面があった。前日の米国株市場ではNYダウは反落したもののハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸し、連日で史上最高値を更新した。米ハイテク株に積極投資を行い、ナスダック指数と株価連動性の高い同社株には追い風となっている。また、米株市場に上場する同社傘下の英半導体設計アーム<ARM>の株価がここ上昇トレンドを鮮明としていることもポジティブ視されている。足もとではメジャーSQ算出を控え、先物主導で日経225採用銘柄にはインデックス売り圧力が働いているが、日経平均寄与度の高い同社株は裁定解消売りをこなして頑強な値動きが目立つ。最近は信用売り残が増加傾向をたどる一方、買い残の整理が進捗しており、株式需給の改善効果もプラスに働いているもようだ。
■江崎グリコ <2206> 4,146円 +3 円 (+0.1%) 本日終値
江崎グリコ<2206>がしっかり。11日の取引終了後、基幹システム障害に伴い出荷を停止していたチルド商品について、一部商品で出荷を再開すると発表。売り方の買い戻しを誘う形となったようだ。「アーモンド効果」各種や「グリコ牛乳」各種のほか、キリンホールディングス<2503>傘下のキリンビバレッジから販売を受託している紙パック商品の「キリン 午後の紅茶」などについて25日以降、順次出荷を再開する。その後、対象品目を拡大する予定としている。
■東宝 <9602> 4,692円 -418 円 (-8.2%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
東宝<9602>が大幅安。11日、月次の映画興行部門成績速報を発表した。5月の興行収入(TOHOシネマズなどで上映されたすべての作品の興行収入)が前年同月比40.2%減と大幅に落ち込んでおり、これが売り材料視された。前月(13.5%減)に続き2カ月連続でのマイナスとなった。1~5月累計でも前年同期比6.7%減だった。
■物語コーポレーション <3097> 3,215円 -190 円 (-5.6%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
物語コーポレーション<3097>が売られ、年初来安値を更新した。11日取引終了後、5月度の月次売上高(速報値)を開示した。国内直営店とフランチャイズ店の合計による既存店売上高は前年同月比2.1%減と、2カ月連続で前年同月を下回っており、嫌気されたようだ。部門別では焼肉とお好み焼きの店舗で減収となった。ラーメンと「ゆず庵」は増収を確保した。全店舗ベースでの売上高は同4.1%増となった。
■柿安本店 <2294> 2,566円 -82 円 (-3.1%) 本日終値
柿安本店<2294>が冴えない。11日の取引終了後、24年4月期の連結決算発表にあわせ、25年4月期の業績予想を開示した。売上高は前期比1.2%増の375億円と増収を見込む一方で、経常利益は同1.5%減の22億円の計画。加えて同時に公表した5月の月次売上高は既存店ベースで減収となっており、見切り売りを促す要因となったようだ。なお、柿安本店は創業家の資産管理会社である赤塚興産(三重県桑名市)の株式を取得し、完全子会社化するとも発表。取得価額は概算で26億2800万円としている。赤塚興産が保有する柿安本店株に関しては、吸収合併に伴って自己株式としての取得を検討しているという。また、取得後の自己株式についてはM&Aなどへの有効活用などを含めて検討する方針を示している。
■JR西日本 <9021> 3,020円 -95 円 (-3.1%) 本日終値
JR西日本<9021>は続落。SMBC日興証券は11日、JR西日本の投資評価を「2」から「3」に引き下げた。中期経営計画の利益目標の引き上げや自己株式の取得の実施に関しては評価する一方、利益率の高い新幹線収入の構成比率を踏まえ、運賃改定の可能性は低いと指摘。25年3月期の業績は踊り場となるとの見方を示した。一方、目標株価については3400円(従来は3350円)に見直している。
■トヨクモ <4058> 1,645円 +237 円 (+16.8%) 本日終値
トヨクモ<4058>が後場急伸。12日午前11時半、Toyokumo kintoneApp(kintone連携サービス)の価格改定を発表しており、材料視されたようだ。サーバー費用など管理コストが上昇していることなどを背景に、月額サービスでは11月利用料金より価格を引き上げる方針。各製品でおおむね20%程度改定するとしている。現在の契約状況を踏まえると、価格改定が全面的に適用となった後、月5000万円程度の売り上げ増加となるという。
■アールエイジ <3248> 949円 +109 円 (+13.0%) 一時ストップ高 本日終値
アールエイジ<3248>が急騰。11日の取引終了後に発表した24年10月期第2四半期累計(23年11月~24年4月)の連結決算は、売上高が前年同期比74.2%増の32億3100万円、最終利益が同2.3倍の4億6600万円となった。最終利益は通期計画(3億3200万円)を上回っており、業績の上振れを期待した買いが入ったようだ。賃貸事業用マンション1棟の販売を実施し、開発販売事業の収益を押し上げた。運営管理事業も増収増益となった。
株探ニュース