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【市況】FOMC待ちながらハイテク主導で底堅い相場展開に/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 11日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開ながらも底堅さが意識されそうだ。10日の米国市場は、NYダウが69ドル高、ナスダックは59ポイント高だった。今週予定されている5月の米消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見ムードが強まったが、ハイテクの一角が買われナスダックは市場最高値を更新。シカゴ日経225先物は大阪比185円高の39185円。円相場は1ドル157円00銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時38820円まで売られる場面もみられたが、米国市場の取引開始後に強含みの展開となり、終盤にかけて一時39240円まで買われる場面も見られた。足もとで上値を抑えられていた75日線を上放れる形となり、売り方の買い戻しを誘う流れが意識されそうである。また、4月半ば以降、上値抵抗線として機能していた13週線を突破してきたことも、トレンド転換を意識させてきそうだ。

 米国ではFOMCやCPIの結果を見極めたいとの模様眺めムードにより、積極的な売買は手控えられていたが、エヌビディアなどハイテク株の一角が買われていた。また、TSMCが発表した5月の売上高(速報値)は、前年同月比30.1%増の2296億台湾ドル(約1兆1000億円)だった。5月として過去最高を更新しており、米国時間では2%を超える上昇で最高値を更新している。この流れを受けて、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角には支援材料になりそうである。

 昨日の日経平均株価は39000円を回復し、同水準に位置する75日線を捉えてきた。強弱感が対立しやすいだろうが、同線突破により売り方にとってはポジションを圧縮しておきたいところであり、買い戻しに伴う需給が相場全体の底堅さにつながりそうである。また、週末には6月限の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えている。ロールオーバーが中心ながら、レンジを切り上げてくることにより、ヘッジに伴う買いの動きも意識されやすいところであろう。積極的な買いは限られるものの、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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