【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:北陸電工、ソフトバンクG、ディスコ
北陸電工 <日足> 「株探」多機能チャートより
北陸電気工事<1930>は急動意、マドを開けて買われ75日移動平均線とのマイナスカイ離を一気に解消する展開をみせている。北陸電力<9505>を筆頭株主とする電気工事会社だが、北陸を地盤に全国に営業エリアを広げ、業容拡大を図っている。生成AI市場の急成長を背景にAIサーバーの増設需要が国内でも高まっており、データセンター建設で同社のビジネスチャンス拡大が期待される。配当利回りは3%を超えるがPBRは0.8倍前後と会社解散価値を2割程度下回っており、PBR回復に向けた経営戦略にも取り組んでいる。プライム上場銘柄だが、前週21日には、今年3月末時点でプライム市場の上場維持基準のすべてにおいて適合していることを確認したことを発表している。
■科研製薬 <4521> 3,615円 +171 円 (+5.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率9位
科研製薬<4521>が切り返し急。29日午前8時半、スイスのバイオ医薬品企業であるニューマブ社と共同開発するアトピー性皮膚炎対象の新規多重特異性抗体 「NM26」に関し、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>グループ企業の関連会社であるスイスのシーラグ社との間で知的財産の譲渡と販売提携オプションに関する契約を締結したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。科研薬はジョンソン・エンド・ジョンソン側に知的財産を譲渡するとともに、契約一時金2000万ドルを今期中に取得する予定。日本とアジアでの開発の進捗や売り上げの目標達成に応じたマイルストーン収入を最大で1億3850万ドル、更にアジアでの売り上げに応じたロイヤルティー収入を受け取る権利を持つ。また、ニューマブ社からは契約一時金として今期中に6600万ドルを取得する予定。加えて、ジョンソン・エンド・ジョンソン側の開発進捗に応じたマイルストーン収入について最大で1億1390万ドルをニューマブ社から受け取る権利を持つとしている。
■東亜道路工業 <1882> 1,218円 +43 円 (+3.7%) 11:30現在
東亜道路工業<1882>が4日ぶり反発。28日の取引終了後、100万株(自己株式を除く発行済み株数の2.13%)を上限に、29日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。これが好感されている。買い付け価格は28日終値の1175円。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、同社は29日に予定通り100万株の買い付けを完了した。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,002円 +280 円 (+3.2%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>の上げ足に弾みががつき9000円台を回復した。4月下旬に底入れ確認となり、以降は一貫して上値を切り上げる展開。米国株市場では同社株との連動性が高いナスダック総合株価指数が前日に最高値を更新し、足もと追い風となっている。また、前日はフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値を更新しているほか、“エヌビディア効果”でAI関連株人気も復活しており、米ハイテク企業に積極投資するソフトバンクGも含み益拡大期待から戻りに拍車がかかった。特に同社傘下の英半導体設計アーム<ARM>も前日は9%高と急騰を演じ、これが投資家心理に大きく影響したようだ。
■ディスコ <6146> 63,750円 +1,510 円 (+2.4%) 11:30現在
ディスコ<6146>が3連騰で一時2750円高の6万4990円まで上値を伸ばし、前週23日につけた高値6万2670円を大きく上回り上場来高値更新となった。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が最高値圏を快走したほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値を更新するなど半導体セクターに追い風が強い。ただ、東京市場では半導体主力株には跛行色がみられ、買い一巡後に軟化する銘柄も目立つ状況にある。そのなか、ディスコは他社と一線を画し上値追い態勢に陰りがみられない。AI用半導体でGPUとともに需要が急増しているHBM(広帯域メモリー)が注目されているが、HBMはTSVといわれるシリコンウエハーを貫通させてその内側に電極を作製する技術が使われており、市場では「ディスコはこの工程における付加価値の高い精密加工装置(切断装置や研削・研磨装置)で圧倒的シェアを有することが、実需筋の買い攻勢の根拠となっている」(中堅証券アナリスト)と指摘されている。
■UACJ <5741> 4,425円 +85 円 (+2.0%) 11:30現在
UACJ<5741>は4連騰。日本軽金属ホールディングス<5703>が7日ぶりに反発するなど、非鉄株の一角が堅調に推移している。連休明けとなる28日のロンドン金属取引所(LME)では、銅相場やアルミニウム相場が上昇した。中国政府が住宅在庫の買い取り政策などを通じて不動産市場のテコ入れを図る方針を示したことが非鉄金属の相場を押し上げている。アルミニウム総合メーカーである両社に対しては、業績面でのポジティブな影響への期待が膨らみ、株価を押し上げる要因となったようだ。三菱マテリアル<5711>や大紀アルミニウム工業所<5702>なども上昇している。
■ヤマハ <7951> 3,491円 +66 円 (+1.9%) 11:30現在
ヤマハ<7951>が続伸している。28日の取引終了後、自社株630万株(発行済み株数の3.36%)を6月3日付で消却すると発表しており、好材料視されている。消却後の発行済み株数は1億8100万株となる。
■三菱UFJ <8306> 1,659円 +31 円 (+1.9%) 11:30現在
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が前日終値近辺で売り物をこなし頑強な値動きをみせている。今月下旬に入り改めて上値指向を強め、3月8日につけた年初来高値1645円50銭を更新した。ここ、国内でも長期金利の上昇傾向が強まっており、運用環境改善に向けた思惑が再燃している。外国為替市場では円の独歩安が続いており、足もと対ドルでは1ドル=157円台前半と4週間ぶりの円安水準にある。日銀の金融政策正常化が急がれるなか、今後は国内の10年債利回りも日銀の追加利上げの動きを先取りする形で強含みに推移することが見込まれる。きょうは午後取引時間中に日銀の安達審議委員の熊本県金融経済懇談会での記者会見が予定されており、これも長期金利の動向や金融株の値動きに影響を与える可能性があり、同社の株価動向にも注目度が高まっている。
■技研製作所 <6289> 1,844円 +33 円 (+1.8%) 11:30現在
技研製作所<6289>が反発している。28日の取引終了後、ヨーロッパ子会社である技研ヨーロッパが出資する合弁会社が、オランダの世界遺産「アムステルダムの環状運河地域」の護岸改修のための新技術開発プロジェクトにおいて、発注者であるアムステルダム市と商業化フェーズのフレームワーク合意を締結したと発表しており、好材料視されている。フレームワーク合意とは、発注者が長期指名候補者(フレームワーク企業)を選定したうえで、これら企業との間で一定期間内の個別発注に関する契約条件などに合意し、その合意内容に基づき受注者を決定する方式のこと。今回のフレームワーク合意は、23年3月に圧入工程が完了したパイロット施工(施工延長208メートル)が評価されたもので、今後4年間で計1.3キロメートル(パイロット施工含む)区間の工事受注が保証される。なお、今秋より順次圧入施工を開始する予定としている。
■日産化学 <4021> 4,506円 +72 円 (+1.6%) 11:30現在
日産化学<4021>は続伸で4500円台を回復。前週は下値模索の動きを強め、週明けは4388円の年初来安値を形成したが、目先底入れから切り返し態勢を明示している。同社は28日取引終了後、自社株取得枠を現行の125万株(金額ベースで50億円)から250万株(同100億円)に拡大し、取得期間も7月末から25年3月末に延長することを発表し、これが足もとの株価に浮揚力を与えている。企業の株主還元強化の動きが相次ぐなか、同社もその一環として機動的な資本政策に積極姿勢をみせており、これが功を奏した形だ。
■日本触媒 <4114> 1,614円 +25 円 (+1.6%) 11:30現在
日本触媒<4114>が続伸している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「植物などバイオマスを使った紙おむつ原料の生産をインドネシアで始めた」と報じられており、好材料視されている。高吸水性樹脂(SAP)には従来、石油系の粗原料を使っていたが、アジアでも環境意識が高まっていることから、脱炭素につながる素材として日用品メーカーに売り込むという。なお、植物由来のSAPを手掛けるのはベルギー、日本に次いで3カ所目としている。
■レゾナック <4004> 3,512円 +34 円 (+1.0%) 11:30現在
レゾナック・ホールディングス<4004>が3日続伸している。28日の取引終了後、丸紅<8002>とバイオマス製品事業の協業を開始したと発表しており、好材料視されている。フィンランドのバイオマス燃料製造会社であるネステ社と共同で、レゾナック大分コンビナート(大分県大分市)におけるバイオマス原料由来のエチレンやプロピレンなどの製品製造に向けて協業する。今回の協業は、カーボンニュートラル化に向けて国内外で高まっているバイオマス製品の需要に応えるもので、6月からバイオマス原料の使用を開始するとしている。
■SRSホールディングス <8163> 1,189円 +8 円 (+0.7%) 11:30現在
SRSホールディングス<8163>が反発している。28日の取引終了後、グルメ寿司業態「うまい鮨勘」などを運営するアミノ(仙台市太白区)の全株式を7月1日付で取得し子会社化すると発表しており、好材料視されている。同社グループが今まで展開していなかった新たな地域での事業基盤の確立につながるほか、双方の仕入力や店舗運営力、マーケティングやDX施策などを互いに活用、共有することで、仕入れ原価の低減や既存事業の強化が期待できるという。取得価額は65億2500万円。なお、25年3月期業績への影響は精査中としている。
■小林製薬 <4967> 5,384円 -249 円 (-4.4%) 11:30現在
小林製薬<4967>が冴えない。同社の機能性表示食品による健康被害問題に関し、厚生労働省が28日、原因究明調査の途中経過を公表し、プベルル酸が動物実験で腎臓組織に毒性があることが確認されたほか、紅麹配合サプリメントからプベルル酸以外の2種の化合物が検出されたことを明らかにしたと伝わっている。同日に小林製薬は「のどぬ~るスプレー」やカイロ製品の値上げの実施を発表しているが、紅麹問題の動向を懸念した売りが優勢となったようだ。
■三菱重工業 <7011> 1,301円 -56 円 (-4.1%) 11:30現在
三菱重工業<7011>が続落、1300円台で収れんする5日・25日移動平均線を下抜ける格好となった。同社は28日、27年3月期を最終年度とする新たな3カ年の中期経営計画を発表した。27年3月期に本業のもうけを示す事業利益で4500億円以上を目標に掲げ、これは前期実績比で6割以上の伸びとなる。高効率の発電プラント(GTCC)のほか、原子力、防衛の3事業に力を注ぎ成長を目指す方針。ただ、中期計画の最終年度まで今期を含め3期あり、利益成長率としてはサプライズ感が乏しいという見方もある。同社は防衛省との取引額で群を抜いており、防衛関連の中核銘柄として株式市場の期待も強いだけにハードルも高く、目先持ち高調整の売りが優勢となったようだ。
●ストップ高銘柄
なし
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース