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【特集】LeTech Research Memo(1):2024年7月期第2四半期はレジデンス開発が好調に推移し増収増益(1)

LeTech <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

LeTech(リテック)<3497>は、東京証券取引所(以下、東証)グロース市場に上場している独立系の総合不動産デベロッパーである。仲介・コンサルティングから土地の購入・開発まで展開し、土地活用における最適なソリューションを提供している。主力の不動産開発の中心として東京・大阪エリアに展開する富裕層向け低層賃貸マンション「LEGALAND」を位置付けており、既に110棟(2024年1月末現在の開発中物件含む)の実績を積み上げている。同社の大きな強みである「LEGALAND」は、差別化された低層マンションであり、狭小地に適した壁式構造を採用することで、入居者の使いやすさや工期面・費用面での優位性を実現している。また、大阪・東京の両市場に精通していることや、祖業より権利調整案件を得意としてきたことによる仕入れの間口の広さも特長である。

1. 直近業績:2024年7月期第2四半期は「LEGALAND」をはじめとしたレジデンス開発が好調に推移し増収増益。高収益開発案件などが寄与し経常利益率で初の10%達成
2024年7月期第2四半期の同社の業績は、売上高9,460百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益1,164百万円(同43.4%増)、経常利益949百万円(同96.7%増)、四半期純利益946百万円(同105.5%増)と「LEGALAND」をはじめとしたレジデンス開発が好調に推移し、増収増益を達成した。特に、経常利益に関しては、高収益開発案件の奏功及び金融コスト等の減少により、上場来最高となる経常利益率10.0%を達成した。なかでも不動産ソリューション事業の売上総利益の増益の寄与が大きく、前年同期比で388百万円の増加となった。販管費に関しては、前年同期に資本調達にかかる諸経費を計上していたため当四半期は金融関連費用等が減少した(前年同期比114百万円改善)。セグメント別に見ると、不動産ソリューション事業では、売上高8,956百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益1,439百万円(同30.2%増)となった。主力商品である「LEGALAND」販売をはじめ、得意とするレジデンス開発物件の販売が好調であった。不動産賃貸事業は、売上高478百万円(同5.1%減)、営業利益112百万円(同73.0%増)となった。レジデンス物件の販売に伴う賃貸収入の減少があったものの、インバウンド需要の回復を背景として、保有する大阪の民泊マンション・京都のホテル物件の収支が大きく改善し増益となった。財務に関しては、自己資本比率が前期末の19.5%から26.0%に改善した。利益の計上及び有利子負債の圧縮により、目標である自己資本比率20~30%を達成し、財務体質の健全化が順調に進んだと言える。

2. 今後の見通し:2024年7月期は経常利益10億円計画に向け順調な進捗(進捗率95%)。将来に向け販売用不動産(仕掛含む)150億円以上を確保
2024年7月期の業績予想は、売上高21,400百万円(前期比33.8%増)、営業利益1,500百万円(同7.7%増)、経常利益1,000百万円(同21.7%増)、当期純利益1,030百万円(同11.4%減)と売上高は増収、経常利益も20%を超える増益を見込んでおり、期初(2023年9月発表)から予想を据え置いている。2024年7月期は、新中期経営計画の初年度にあたり、前期の経常黒字化の流れを引き継ぎ、さらに経常利益を増加させる。前期に行った第三者割当増資による調達資金は、主に不動産ソリューション事業における不動産開発資金として充当し、堅調な販売実績を上げている「LEGALAND」用の用地確保は順調に進捗している(2024年7月期上半期は6件取得)。2024年7月期は、都心10区中心に得意とする主力の「LEGALAND」の積極開発とともに、新ブランド「LEGALAND+」などを展開して不動産の大型化、開発エリアに合わせて特徴を持ったレジデンス開発にも挑む。少数精鋭による効率的な事業運営を徹底することで、販管費の伸びを抑制する取り組みを継続し、経常利益の拡大に結び付けたい考えだ。上半期を終えて、通期計画に対する2Q進捗率は、売上高で44.2%(前年同期は55.9%)、経常利益で94.9%(前年同期は58.8%)であり、特に利益ベースでは進捗が著しく、通期の計画達成が間近となる。販売用不動産(仕掛含む)の水準は、15,286百万円(前期末は16,408百万円、前年同期対比1,758百万円増加)と十分確保した。弊社では、住居セクターの活況は継続すると見ており、東京都心での「LEGALAND」を中心とした開発・販売戦略による業績の積み上げは確実性が高く、特に利益の上半期の進捗が好調であり、通期業績目標の達成は間違いないと考えている。むしろ、下半期は来期以降に向けた仕入れや体制整備、次世代に向けた新規性の高い取り組みが焦点となる。財務基盤が健全化し、金融機関との信頼関係も良好なため、今後は中期的な成長に向けて、これまで以上に積極的な仕入れが展開できるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《HH》

 提供:フィスコ

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