【市況】NY株式:NYダウは196ドル安、AIへの期待でハイテクが下支え
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は196.82ドル安の39,806.77ドル、ナスダックは108.91ポイント高の16,794.88で取引を終了した。
利下げ期待の後退で、寄り付き後、まちまち。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官がインフレが持続的に2%目標に達する確信がまだ持てず当面金利を維持する慎重姿勢を示したため、長期金利の上昇で上値が抑制された。ダウは節目となる4万ドル近辺からの利益確定売りに押され、下落に転じ、終盤にかけ下げ幅を拡大。一方、今週四半期決算発表が予定されている半導体エヌビディア(NVDA)の上昇がけん引しナスダックは上昇し過去最高値を更新、まちまちで終了した。セクター別では、半導体・同製造装置が上昇した一方、銀行が下落。
クルーズ船運営のノルウェ―ジャンクルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)は強い需要や予約増で通期の調整後1株利益見通しを引き上げ上昇。同業のロイヤル・カリビアン(RCL)やカーニバル(CCL)も期待感に買われ、連れ高となった。携帯端末のアップル(AAPL)は競争が激化している中国で売上回復を目指しアイフォーン価格の値下げを発表し、上昇。ソフトウエア会社のマイクロソフト(MSFT)はイベントで生成AI(人工知能)機能搭載の新型パソコン、「コパイロットプラスPC」を発表し、上昇。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)はアナリストが投資判断を引き上げ、上昇。同業のエヌビディア(NVDA)はアナリストが目標株価を引き上げ、上昇した。ヘルスケアソフトウエアソリューションを提供する新興企業、ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)はGLP-1減量注射薬を供給すること明らかにし、売り上げ増期待に大幅上昇。
ディスカウント小売のターゲット(TGT)は食料品の値下げ計画を発表し、利益率の低下を警戒し、売られた。金融のJPモルガン(JPM)は、年次の投資家デーで、通期の純金利収入予想を上方修正したが、ダイモン最高経営責任者(CEO)が5年以内に退任する意向を示したほか、自社株購入策を計画していないことを明らかにしたため売りに転じた。
オンライン会議プラットフォームを提供するズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は取引終了後、決算を発表。第1四半期の調整後1株利益が予想を上回ったが、第2四半期の見通しが予想を下回り、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》
提供:フィスコ