【市況】株価指数先物【寄り前】 押し目狙いのロング対応で+1σ突破を狙う
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38530 -360 (-0.92%)
TOPIX先物 2719.5 -16.0 (-0.58%)
シカゴ日経平均先物 38560 -330
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げを開始するとの期待が高まるなか、NYダウは一時4万ドルの大台に乗せた。その後は目先的な達成感から、主力銘柄を中心に利益を確定する売りが入り下落に転じた。また、米新規失業保険申請件数が前週比で減少したことも、利益確定に向かわせたようだ。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、保険、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、小売、資本財が下落した。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比330円安の3万8560円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万8870円で始まり、その後はロング優勢のなか、米国市場の取引開始直前には日中で付けた高値3万8970円まで買われる場面も見られた。ただし、日中高値を超えることはできず中盤にかけて下落に転じると、ショート優勢の動きが続き、3万8530円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ショート優勢の流れから始まりそうだ。米国市場では主要な株価指数が下落したものの、NYダウが史上初めて4万ドルに乗せたこともあり、利食いは入りやすいところだろう。また、2024年2~4月期決算を発表したウォルマート<WMT>は市場予想を上回り、7%近く上昇した。インフレ下で経済環境が不透明ななかでの底堅い業績が安心感につながりそうだ。
日経225先物はナイトセッションの安値で終えたが、日中の価格レンジ内での推移であり、ロングの解消など持ち高調整の動きだったと考えられる。75日移動平均線(3万8470円)、25日線(3万8350円)を上回っていることから、両線が支持線として意識されやすいだろう。一方で、上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万8970円)に抑えられる形である。週末要因から積極的にポジションを取りに行く動きが限られるなか、25日線と+1σとのレンジが続きそうである。
そのため、オプション権利行使価格の3万8375円から3万9000円とのレンジを想定する。来週にはエヌビディア<NVDA>の決算が予定されていることもあり、上値追いのロングは期待しづらい一方で、ショート筋にとってはポジションをニュートラルに近づけておきたいところである。節目の3万9000円を捉えてくる局面においては、ショートカバーを誘う動きが強まる可能性がありそうだ。押し目狙いのロング対応とし、+1σ突破を狙うスタンスになろう。
16日のVIX指数は12.42(前日は12.45)に低下した。一時12.33まで下落する場面も見られており、小動きではあるものの主要な株価指数が下落するなかでの低下によって、ショートカバーが入りやすい需給状況と考えられる。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.21倍に上昇した。東京エレクトロン <8035> [東証P]など値がさハイテク株が買われるなか、日経平均型優位の展開となった。抵抗線として意識されていた25日、200日線を突破し、さらに52週線(14.19倍)を上回ってきたことから、NTショートを巻き戻す動きが強まってきている。本日は前日の反動もありそうだが、52週線辺りでの底堅さがみられる局面においては、NTショートの巻き戻す動きが続くと考えられ、NTロングでのスプレッド狙いとなりそうだ。
株探ニュース