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【市況】株価指数先物【寄り前】 抵抗線突破で+1σとのレンジに移行


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38720 +340 (+0.88%)
TOPIX先物 2743.5 +13.0 (+0.47%)
シカゴ日経平均先物 38705 +325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 15日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは3月28日以来、約1カ月半ぶりに最高値を更新し、ナスダック指数は3日続伸で連日の最高値更新となった。4月の米消費者物価指数(CPI)は、総合CPIが前月比0.3%上昇と予想(0.4%上昇程度)を下回ったほか、食品とエネルギーを除くコアCPIは0.3%上昇となり、予想(0.3%上昇)と一致した。コアCPIが前月(0.4%上昇)から伸びが鈍化したことにより、利下げ先送り懸念が後退し、米連邦準備制度理事会(FRB)が年後半に利下げに動くとの期待が広がった。

 また、4月の米小売売上高は前月比横ばいだった。市場予想(0.4%増程度)を下回ったほか、2月、3月分は下方修正された。需要の伸び悩みがインフレ抑制につながるとの見方もあった。米長期金利が低下し、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の上昇が目立った。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、不動産が上昇した一方で、自動車・同部品、保険、食品・飲料・タバコが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比325円高の3万8705円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円安の3万8350円で始まり、3万8280円~3万8360円辺りで保ち合いを継続。米CPIが発表されると一気に3万8500円台を回復し上昇に転じた。買い一巡後は3万8400円~3万8500円辺りでの保ち合いをみせていたが、中盤にレンジを上放れると、終盤にかけて上げ幅を広げた。一時3万8730円まで買われ、3万8720円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まりそうだ。ナスダック指数は連日で最高値を更新しており、エヌビディアなど半導体株の上昇が目立っていたことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。日経225先物はCPIの発表後に25日移動平均線(3万8390円)、75日線(3万8430円)を上放れ、オプション権利行使価格の3万8750円に接近した。

 日経225先物は4月19日に付けた3万6710円(ナイトセッションを含む)を安値に緩やかなリバウンドを継続し、足もとではボリンジャーバンドの-1σと25日線によるレンジを継続していた。上値抵抗として意識されていた25日線を上放れてきたことにより、+1σ(3万9070円)とのレンジに移行する。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定しておきたい。

 買い一巡後は膠着感が強まる可能性はあるものの、3万8500円処を下回る局面では25日線が位置する3万8390円辺りをサポートとした押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、前日に付けた3万8840円を上回ってくるようだと、ショートカバーを誘う動きが強まると考えられ、+1σ水準を狙ったロングが入りそうだ。

 15日のVIX指数は12.45(前日は13.42)に低下した。一時12.38まで下落する場面も見られ、3月21日に付けた12.40を下回ってきた。年初からのボトム水準まで下げてきたことで、いったんはリバウンドも考えられるものの、ショートカバーが入りやすい需給状況だろう。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.05倍に上昇した。東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われたものの、ニトリホールディングス <9843> [東証P]の下落のインパクトが日経平均型の重荷となっていた。主要企業の決算発表が一巡したことにより、個別銘柄による指数への影響は落ち着いてくると考えられ、本日は米ハイテク株高を受け、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。ただし、NTロングに転換するには、25日線、200日線が位置する14.15倍辺りをクリアする必要がありそうだ。

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