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【材料】防衛セクターは見かけよりもましとの指摘 ロッキード、ゼネラル・ダイナミクスに期待=米国株個別

 防衛セクターはなかなか勝てない業種と見られている。ボーイング<BA>、ロッキード<LMT>、ゼネラル・ダイナミクス<GD>、ノースロップ・グラマン<NOC>、RTX<RTX>の主要5社の株価は、過去5年間で平均約30%上昇しているが、S&P500と比較すれば、約50%ポイントのアンダーパフォームとなっている。

 737MAXジェット機の問題で50%近く下落しているボーイングを除けば、アンダーパフォームは約30%ポイントに縮小する。良くはなっているが、決して素晴らしいとは言えない。

 防衛セクターの問題は、争いが増えれば投資家は物事が落ち着くことを期待するほか、政府支出が高水準にある場合、財政赤字がセクターを圧迫するのではないかと心配し始める。しかし、アナリストは、市場は国防予算を誤解しており、事態は見かけよりは良いと考えているという。

 同アナリストの予想では、10年後までの防衛装備品への支出は年ベースで5%程度増加し、市場予想の2%よりも遥かに高い。欧州の予算は持続的に増加し、資本展開も株主に優しいままだという。今後数年間の自社株買いや配当を通じた株主還元は1桁台半ばから後半の伸びを期待している。

 その中でも買うべき銘柄としてロッキードとゼネラル・ダイナミクスの2銘柄を挙げ、ロッキードの目標株価は525ドル。ゼネラル・ダイナミクスは320ドルとしている。

 ボーイングも「買い」の評価しているが、民間航空宇宙と自ら招いた737MAX関連の問題からの回復を条件とするものだとしている。ボーイングの株価は、1月5日にアラスカ航空の737MAX-9型機での非常用ドアプラグの吹き飛び事故以来、株価は約28%下落。この事故により生産が遅れ、規制当局の監視が強化され、業績予想が下方修正された。

 ただ、防衛セクターに「買い」の判断をしているアナリストの割合は全体の約45%で、ボーイングを除けば比率は約42%に下がる。一方、S&P500企業の平均の「買い」割合は約55%となっている。市場は、防衛予算と防衛セクターの利益見通しを冷淡に見ているが、アナリストはこの弱気は逆にチャンスだと指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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