【経済】【クラファン】IoTロボティクス×顔認証AI領域で注目! PLEN Robotics、5月13日募集開始
顔認証AIロボの開発・販売などを行うPLEN Robotics株式会社(大阪市北区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは5月13日19時30分開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
代表は世界最小級"二足歩行ロボット"を開発
PLEN Roboticsの赤澤夏郎代表は2004年、小型の二足歩行ロボットを開発する会社を起業。2007年、当時世界最小級の二足歩行ロボット「PLEN」を開発し、サンフランシスコで開催された国際的なロボット競技会「Robo Games」で2年連続で金賞を受賞しました。
チームメンバーには、ロボティクス分野に精通したエンジニアが集結。中国、フランス、インドネシアなどの多国籍集団で、世界標準のエンジニアリングを駆使した開発体制を構築しているそうです。
同社は、顔認証AIロボ「PLEN Cube」などの自社製品の開発・販売のほか、ロボット開発で培った技術力を生かした受託開発事業を行っています。
「PLEN Cube」は学校や医療施設への導入を皮切りに700台以上納品。また、独自の顔認証システムや機械制御技術が評価され、多くのプロジェクトに採択されるなどさまざまな対面業務の省人化に貢献しているそうです。
受託開発事業では、ハードウェアとソフトウェア双方の知見を元に、さまざまな業界の顧客にIoTソリューションを開発・提供。大手鉄道や電力などのインフラ系企業から案件を獲得しており、デバイスとアプリケーションの連携やクラウド基盤との接続など多くのプロジェクトに参画しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【課題】
「PLEN Cube」開発を機に多くの企業に技術力が認知され、受託開発の相談が急増する一方、自社エンジニアは常時フル稼働しており、人材リソース不足から、断ってしまっている案件もある状況。
【解決方法】
・ハードウェアとソフトウェア双方の知見を有するエンジニア獲得と育成
・営業対応できるリソースを確保
前回からの進捗
(出典:FUNDINNO)
新たにIoTソリューションの開発と提供を行う受託開発事業を展開。創業以来、ロボットの研究開発を継続し、ハードからソフトまでワンストップで対応できる体制を構築しているため、組み込みシステム開発の引き受けが可能だといいます。
主な実績としては、四国電力 <9507> [東証P]とのEV充電器のバックエンドシステムの開発案件や、ウェアラブルデバイスとアプリの接続案件などがあります。
(出典:FUNDINNO)
前回募集時は出願中だった「人の顔を追尾する認証システム」の特許を取得したほか、カメラに映った人のストレスレベルをチェックする機能を搭載した「Care Cube」も販売開始、労務管理市場にアプローチしているそうです。
また、新たな顧客層として地方自治体からの引き合いがあるといいます。自治体の多くは、出退勤管理にタイムカードを活用するなど煩雑な管理に悩んでいますが、「PLEN Cube」を導入することで、職員の手間なく出退勤管理ができる上、データベースと接続することで、記録の管理や関係部署との連携もスムーズになるそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社は2024年4月、人工知能大国を目指す台湾のAI企業Super Genius AI tek Co.,Ltd(SGAItek)、医療・介護施設向けにデバイスを販売するサイチ(SS SAICHI)と技術業務提携しています。
「PLEN Cube」にSGAItekの画像解析プログラムを連携させ、数秒間の顔の映像データから血管の変化を捉えることで、呼吸、心拍、血中酸素等の生理パラメーターを取得でき、非接触かつスピーディな健康管理DXが可能になると考えています。
さらに、SS SAICHIが有する医療・介護現場や建設現場などの販売ネットワークを活用して実証実験を加速させ、早期実用化を目指したい考えです。
前回募集時の、2023年5月期の売上高目標は未達。要因としては、コロナショックで多くの商談が白紙となり、ハードウェア販売台数が計画を大幅に下回ったことを挙げています。「PLEN Cube」の主なターゲットである飲食店や教育機関、ホテルなどは損失が大きく、導入ハードルが高くなったそうです。
一方で、コロナ禍が収束したタイミングで大手企業を中心にDX需要が増大。「対面業務のDX」という切り口で実施したマーケティングが奏功し、大企業のプロジェクトに採用され、700台以上の導入実績があるといいます。
「今後はこれまでに培った組み込み技術を活用して、さまざまなアプリケーションやシステム等と連携したカスタマイズ受注に注力することで、顧客単価を上げていきたいと考えています」(同社)
「組み込みエンジニア」不足がIoT化のネックに
(出典:FUNDINNO)
DXが重要視される昨今、大企業ではIT人材の獲得・育成に向けた投資や新たなシステム導入などの施策が進む一方、宿泊施設や飲食業など接客が必要な中小事業者にとってDX推進のハードルは高く、未対応の企業が多いと同社は見ています。
原因としては、業務プロセスのデジタル化に必要な膨大な開発費負担が困難なことや、専門知識やITリテラシー不足などの要因も挙げられるそうです。「企業の規模や業種を問わず、DXは必須ではあるものの、中小事業者が自前で対応するには厳しい状況にあると考えています」(同社)。
一方、IoTはデバイスを介してさまざまなデータを取得したり、遠隔操作を可能にするものであり、DX推進に欠かせない要素ですが、IoT化を進める上では、ハードウェアとソフトウェアを連携させる「組み込みエンジニア」の不足がネックだそうです。
「『組み込み』には、モーター制御や電子回路、センサー、通信、クラウドやエッジコンピューティングなど多方面の経験と知識が求められるため難易度が高いのです」(同社)
IT領域では、IoT化プロジェクトをワンストップで推進できる人材もシステム開発企業も市場に少ないため、複数企業による分業となるケースが多く、「デバイスとアプリケーションの連携がうまくいかない」「バグがあるものの原因を特定できない」などの事象が頻発しているといいます。
市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴
(出典:FUNDINNO)
同社によると、中小企業を含む産業全体のDXが急務とされる中、DXに不可欠な要素であるIoT関連市場も拡大し、医療や産業用途での導入が進展。国内のIoT導入企業は2020年時点で約12.4%ですが、そのうち、導入効果を実感した企業は80%を超えるなど、IoT需要は高まっていくものと見られるそうです。
「これは、高いシステム開発力・構築力を持つ弊社にとって強い追い風であり、実際にレガシー産業の大手も含め、開発委託の依頼が増えてきています」(同社)
DX市場が拡大する中、顔認証システム市場は2024年に約66億ドルと推定されており、2029年までの年平均成長率約は16.2%と強い成長が予測されているそうです。背景には、セキュリティ対策の重要度が増してきたことによる入退室管理や本人確認の必要性の高まり、省人化・無人化・効率化の機運の高まりが挙げられるといいます。
顔認証システムを手掛ける企業が増える中、同社は、ソフトだけでなくハードも開発でき、量産体制を構築していること、専門性の高いソフトとハードの組み込み開発に対応できることが大きな強みだといい、有望なパートナー先として、それらの企業の動向を注視しているそうです。
「この拡大していく市場において、強みを武器に今後も顔認証を用いたサービスの社会実装を進めてまいります」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社は対人業務の完全自動化を目指すべく、手軽に導入できる非接触型の顔認証AIロボット「PLEN Cube」、ストレスチェックに特化した「Care Cube」を開発・販売しています。
顔認証技術は日々進化しているものの、逆光や身長差等による弊害が生じた際、その精度が損なわれるという弱点があるそうですが、独自のロボット制御技術によりインタラクティブに顔を追尾し、高い認識率を維持するため、受付等でカメラの前に顔を近づけるなどの煩わしさがなく、効率的に顔情報が取得可能です。
また、一辺約7.4センチの小型化を実現し、大型工事不要で設置場所にも困らないため、専門知識や広いスペースを確保できない中小事業者でも手軽に導入できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
また、「PLEN Cube」の開発で得た「組み込み」エンジニアリングの知見を生かして、IoTやロボティクス領域に特化した受託開発事業も展開しています。
物理的なモノとアプリケーションをつなぎ、サービス要件を満たすシステム全体を設計・開発できる開発会社は珍しいといい、上場企業を含む多くのクライアントから相談があるそうです。
「また、ハードウェア開発において、企画から量産まで内製化を実現しており、その過程で得られたノウハウをもとに、中小規模メーカーやベンチャー企業における『技術の実用化』の支援もしています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「PLEN Cube」は医療施設や学校のほか、ホテルや学童施設など幅広いシーンで活用されているといい、小型化と低価格を訴求ポイントに、中小規模の事業所が導入しやすくしているそうです。
収益化については、ハードウェア販売の19万8000円(税別)と利用者300名単位で毎月5000円(同)を課金するサブスクモデルを採用。「ipadなど既存デバイスを活用したい」などのニーズもあり、こうした顧客にはソフトウェアのみの提供など柔軟な対応が可能だといいます。
受託開発事業については、大手鉄道会社や電力会社などの大規模案件も増加しており、売上の半分程度を占めるまで拡大しているそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社は自社の特徴として、これまでの「PLEN Cube」の開発で得た、ソフトウェアとハードウェアの「組み込み」技術を有している点を挙げています。
これにより、「PLEN Cube」にさまざまな技術を組み込むことが可能で、顔認証、音声認識などの基盤技術のほか、決済や勤怠管理などの機能を搭載することで、活用シーンを拡大してきたそうです。
また、他社の技術と連携させることで用途はさらに広がるといい、すでに、声からモチベーションを可視化する「Motivel」という技術と連携した「Care Cube」を製品化しているほか、AI企業や大学の研究技術とも連携しています。
「このように、『PLEN Cube』は自社開発のソフトウェアに限らず、他社技術も搭載できるプラットフォームとして、今後も活用の幅を広げてまいります」(同社)
現在、国内で顔認証のソリューションを展開している企業は大手中心で、数万人単位の顔認証など、大規模に施設導入する高価格なビジネスモデルやビルトインする(設備工事が必要な)ソリューションが多い一方、「PLEN Cube」は数百~数千人の顔認証を工事不要で導入できるため、低価格・スピーディな運用開始を実現しているそうです。
また、競合各社がクラウドでの顔認証処理を行っている一方、同社は端末側(エッジ側)で顔認証処理を行うため、ネット環境が不安定でもサービス提供が可能で、クラウドに顔情報を持たないため、セキュリティ対策コストを抑えられるといいます。
今後の成長に向けて
(1)将来的なExitはIPOを計画
(出典:FUNDINNO)
(出典:FUNDINNO)
(2)短期計画
「PLEN Cube」は自治体を新たなターゲットとして、営業活動を強化していく方針です。
ストレスチェックに特化した「Care Cube」の販売も開始しており、ストレスを検知した従業員には精神科医によるカウンセリングをオプションに加えるなど、企業の労務管理負担削減を訴求していきたいとしています。
受託開発案件については、「PLEN Cube」の実績を通じて、IoT系開発の需要を捉えることができているそうです。案件獲得に向けて営業人員を強化し、重要な収益の柱として成長させていきたいといいます。
(3)中長期計画
長期的には、得意とするロボティクス領域の研究を継続し、人とロボットをスマートにつなぐHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)を追求した新たな主力製品を生み出していきたい考えです。
「業界や事業者の規模を問わず、誰もが気軽に導入することができ、ロボットやIoTの恩恵を享受することができる世界を目指して精進してまいります」(同社)
(4)2030年に端末販売数量193台を計画
(出典:FUNDINNO)
株主及び新株予約権者構成
同社は以下のVC、事業会社、エンジェル投資家より出資を受けています。
・ABBALabスタートアップファンド投資事業有限責任組合
・おおさか社会課題解決投資事業有限責任組合
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ヘッドウォータース <4011> [東証G]
・フィーチャ <4052> [東証G]
・セキュア <4264> [東証G]
・トリプルアイズ <5026> [東証G]
・HOUSEI <5035> [東証G]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
PLEN Robotics株式会社
大阪市北区中津三丁目33番16号
資本金:49,577,037円(2024年3月4日現在)
発行済株式総数:106,135株(同)
発行可能株式総数:5,000,000株
設立日:2017年6月19日
決算日:5月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 赤澤夏郎
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 13,689株
■募集株式の払込金額
1株あたり 7,300円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,290万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 750万円
広告宣伝費 327万円
手数料 212万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額8,702万円(目標募集額1,290万円と上限募集額9,992万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
人件費 4,162万円
広告宣伝費 1,728万円
設備投資 270万円
研究開発費 1,105万円
手数料 1,435万円
■投資金額のコース及び株数
94,900円コース(13株)
189,800円コース(26株)
284,700円コース(39株)
379,600円コース(52株)
474,500円コース(65株)
949,000円コース(130株)
1,898,000円コース(260株)
2,847,000円コース(390株)
3,796,000円コース(520株)
4,745,000円コース(650株)
9,964,500円コース(1,365株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、474,500円コース(65株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,964,500円コース(1,365株)を上限とする。
■申込期間
2024年5月13日~5月23日
■目標募集額
12,906,400円(上限募集額 99,929,700円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,905,800円とする。
■払込期日
2024年6月17日
■連絡先
PLEN Robotics株式会社
電話番号:06-4256-6630
メールアドレス:ir@plenrobotics.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼〈J-Startup KANSAI〉注目のIoTロボティクス×顔認証エッジAI技術。世界標準のグローバルエンジニア集団が開発「PLEN Cube」がロボット時代のプラットフォームへ
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:1290万6400円、上限募集額:9992万9700円 |
・ | VC出資実績あり |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 2回目(1回目は3918万4880円調達) |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B) |
・ | みなし時価総額:7億7478万5500円 |
・ | 類似上場企業:ヘッドウォータース <4011> [東証G]、フィーチャ <4052> [東証G]、セキュア <4264> [東証G]、トリプルアイズ <5026> [東証G]、HOUSEI <5035> [東証G] |
代表は世界最小級"二足歩行ロボット"を開発
PLEN Roboticsの赤澤夏郎代表は2004年、小型の二足歩行ロボットを開発する会社を起業。2007年、当時世界最小級の二足歩行ロボット「PLEN」を開発し、サンフランシスコで開催された国際的なロボット競技会「Robo Games」で2年連続で金賞を受賞しました。
チームメンバーには、ロボティクス分野に精通したエンジニアが集結。中国、フランス、インドネシアなどの多国籍集団で、世界標準のエンジニアリングを駆使した開発体制を構築しているそうです。
同社は、顔認証AIロボ「PLEN Cube」などの自社製品の開発・販売のほか、ロボット開発で培った技術力を生かした受託開発事業を行っています。
「PLEN Cube」は学校や医療施設への導入を皮切りに700台以上納品。また、独自の顔認証システムや機械制御技術が評価され、多くのプロジェクトに採択されるなどさまざまな対面業務の省人化に貢献しているそうです。
受託開発事業では、ハードウェアとソフトウェア双方の知見を元に、さまざまな業界の顧客にIoTソリューションを開発・提供。大手鉄道や電力などのインフラ系企業から案件を獲得しており、デバイスとアプリケーションの連携やクラウド基盤との接続など多くのプロジェクトに参画しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【課題】
「PLEN Cube」開発を機に多くの企業に技術力が認知され、受託開発の相談が急増する一方、自社エンジニアは常時フル稼働しており、人材リソース不足から、断ってしまっている案件もある状況。
【解決方法】
・ハードウェアとソフトウェア双方の知見を有するエンジニア獲得と育成
・営業対応できるリソースを確保
前回からの進捗
(出典:FUNDINNO)
新たにIoTソリューションの開発と提供を行う受託開発事業を展開。創業以来、ロボットの研究開発を継続し、ハードからソフトまでワンストップで対応できる体制を構築しているため、組み込みシステム開発の引き受けが可能だといいます。
主な実績としては、四国電力 <9507> [東証P]とのEV充電器のバックエンドシステムの開発案件や、ウェアラブルデバイスとアプリの接続案件などがあります。
(出典:FUNDINNO)
前回募集時は出願中だった「人の顔を追尾する認証システム」の特許を取得したほか、カメラに映った人のストレスレベルをチェックする機能を搭載した「Care Cube」も販売開始、労務管理市場にアプローチしているそうです。
また、新たな顧客層として地方自治体からの引き合いがあるといいます。自治体の多くは、出退勤管理にタイムカードを活用するなど煩雑な管理に悩んでいますが、「PLEN Cube」を導入することで、職員の手間なく出退勤管理ができる上、データベースと接続することで、記録の管理や関係部署との連携もスムーズになるそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社は2024年4月、人工知能大国を目指す台湾のAI企業Super Genius AI tek Co.,Ltd(SGAItek)、医療・介護施設向けにデバイスを販売するサイチ(SS SAICHI)と技術業務提携しています。
「PLEN Cube」にSGAItekの画像解析プログラムを連携させ、数秒間の顔の映像データから血管の変化を捉えることで、呼吸、心拍、血中酸素等の生理パラメーターを取得でき、非接触かつスピーディな健康管理DXが可能になると考えています。
さらに、SS SAICHIが有する医療・介護現場や建設現場などの販売ネットワークを活用して実証実験を加速させ、早期実用化を目指したい考えです。
前回募集時の、2023年5月期の売上高目標は未達。要因としては、コロナショックで多くの商談が白紙となり、ハードウェア販売台数が計画を大幅に下回ったことを挙げています。「PLEN Cube」の主なターゲットである飲食店や教育機関、ホテルなどは損失が大きく、導入ハードルが高くなったそうです。
一方で、コロナ禍が収束したタイミングで大手企業を中心にDX需要が増大。「対面業務のDX」という切り口で実施したマーケティングが奏功し、大企業のプロジェクトに採用され、700台以上の導入実績があるといいます。
「今後はこれまでに培った組み込み技術を活用して、さまざまなアプリケーションやシステム等と連携したカスタマイズ受注に注力することで、顧客単価を上げていきたいと考えています」(同社)
「組み込みエンジニア」不足がIoT化のネックに
(出典:FUNDINNO)
DXが重要視される昨今、大企業ではIT人材の獲得・育成に向けた投資や新たなシステム導入などの施策が進む一方、宿泊施設や飲食業など接客が必要な中小事業者にとってDX推進のハードルは高く、未対応の企業が多いと同社は見ています。
原因としては、業務プロセスのデジタル化に必要な膨大な開発費負担が困難なことや、専門知識やITリテラシー不足などの要因も挙げられるそうです。「企業の規模や業種を問わず、DXは必須ではあるものの、中小事業者が自前で対応するには厳しい状況にあると考えています」(同社)。
一方、IoTはデバイスを介してさまざまなデータを取得したり、遠隔操作を可能にするものであり、DX推進に欠かせない要素ですが、IoT化を進める上では、ハードウェアとソフトウェアを連携させる「組み込みエンジニア」の不足がネックだそうです。
「『組み込み』には、モーター制御や電子回路、センサー、通信、クラウドやエッジコンピューティングなど多方面の経験と知識が求められるため難易度が高いのです」(同社)
IT領域では、IoT化プロジェクトをワンストップで推進できる人材もシステム開発企業も市場に少ないため、複数企業による分業となるケースが多く、「デバイスとアプリケーションの連携がうまくいかない」「バグがあるものの原因を特定できない」などの事象が頻発しているといいます。
市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴
(出典:FUNDINNO)
同社によると、中小企業を含む産業全体のDXが急務とされる中、DXに不可欠な要素であるIoT関連市場も拡大し、医療や産業用途での導入が進展。国内のIoT導入企業は2020年時点で約12.4%ですが、そのうち、導入効果を実感した企業は80%を超えるなど、IoT需要は高まっていくものと見られるそうです。
「これは、高いシステム開発力・構築力を持つ弊社にとって強い追い風であり、実際にレガシー産業の大手も含め、開発委託の依頼が増えてきています」(同社)
DX市場が拡大する中、顔認証システム市場は2024年に約66億ドルと推定されており、2029年までの年平均成長率約は16.2%と強い成長が予測されているそうです。背景には、セキュリティ対策の重要度が増してきたことによる入退室管理や本人確認の必要性の高まり、省人化・無人化・効率化の機運の高まりが挙げられるといいます。
顔認証システムを手掛ける企業が増える中、同社は、ソフトだけでなくハードも開発でき、量産体制を構築していること、専門性の高いソフトとハードの組み込み開発に対応できることが大きな強みだといい、有望なパートナー先として、それらの企業の動向を注視しているそうです。
「この拡大していく市場において、強みを武器に今後も顔認証を用いたサービスの社会実装を進めてまいります」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社は対人業務の完全自動化を目指すべく、手軽に導入できる非接触型の顔認証AIロボット「PLEN Cube」、ストレスチェックに特化した「Care Cube」を開発・販売しています。
顔認証技術は日々進化しているものの、逆光や身長差等による弊害が生じた際、その精度が損なわれるという弱点があるそうですが、独自のロボット制御技術によりインタラクティブに顔を追尾し、高い認識率を維持するため、受付等でカメラの前に顔を近づけるなどの煩わしさがなく、効率的に顔情報が取得可能です。
また、一辺約7.4センチの小型化を実現し、大型工事不要で設置場所にも困らないため、専門知識や広いスペースを確保できない中小事業者でも手軽に導入できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
また、「PLEN Cube」の開発で得た「組み込み」エンジニアリングの知見を生かして、IoTやロボティクス領域に特化した受託開発事業も展開しています。
物理的なモノとアプリケーションをつなぎ、サービス要件を満たすシステム全体を設計・開発できる開発会社は珍しいといい、上場企業を含む多くのクライアントから相談があるそうです。
「また、ハードウェア開発において、企画から量産まで内製化を実現しており、その過程で得られたノウハウをもとに、中小規模メーカーやベンチャー企業における『技術の実用化』の支援もしています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「PLEN Cube」は医療施設や学校のほか、ホテルや学童施設など幅広いシーンで活用されているといい、小型化と低価格を訴求ポイントに、中小規模の事業所が導入しやすくしているそうです。
収益化については、ハードウェア販売の19万8000円(税別)と利用者300名単位で毎月5000円(同)を課金するサブスクモデルを採用。「ipadなど既存デバイスを活用したい」などのニーズもあり、こうした顧客にはソフトウェアのみの提供など柔軟な対応が可能だといいます。
受託開発事業については、大手鉄道会社や電力会社などの大規模案件も増加しており、売上の半分程度を占めるまで拡大しているそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社は自社の特徴として、これまでの「PLEN Cube」の開発で得た、ソフトウェアとハードウェアの「組み込み」技術を有している点を挙げています。
これにより、「PLEN Cube」にさまざまな技術を組み込むことが可能で、顔認証、音声認識などの基盤技術のほか、決済や勤怠管理などの機能を搭載することで、活用シーンを拡大してきたそうです。
また、他社の技術と連携させることで用途はさらに広がるといい、すでに、声からモチベーションを可視化する「Motivel」という技術と連携した「Care Cube」を製品化しているほか、AI企業や大学の研究技術とも連携しています。
「このように、『PLEN Cube』は自社開発のソフトウェアに限らず、他社技術も搭載できるプラットフォームとして、今後も活用の幅を広げてまいります」(同社)
現在、国内で顔認証のソリューションを展開している企業は大手中心で、数万人単位の顔認証など、大規模に施設導入する高価格なビジネスモデルやビルトインする(設備工事が必要な)ソリューションが多い一方、「PLEN Cube」は数百~数千人の顔認証を工事不要で導入できるため、低価格・スピーディな運用開始を実現しているそうです。
また、競合各社がクラウドでの顔認証処理を行っている一方、同社は端末側(エッジ側)で顔認証処理を行うため、ネット環境が不安定でもサービス提供が可能で、クラウドに顔情報を持たないため、セキュリティ対策コストを抑えられるといいます。
今後の成長に向けて
(1)将来的なExitはIPOを計画
(出典:FUNDINNO)
(出典:FUNDINNO)
(2)短期計画
「PLEN Cube」は自治体を新たなターゲットとして、営業活動を強化していく方針です。
ストレスチェックに特化した「Care Cube」の販売も開始しており、ストレスを検知した従業員には精神科医によるカウンセリングをオプションに加えるなど、企業の労務管理負担削減を訴求していきたいとしています。
受託開発案件については、「PLEN Cube」の実績を通じて、IoT系開発の需要を捉えることができているそうです。案件獲得に向けて営業人員を強化し、重要な収益の柱として成長させていきたいといいます。
(3)中長期計画
長期的には、得意とするロボティクス領域の研究を継続し、人とロボットをスマートにつなぐHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)を追求した新たな主力製品を生み出していきたい考えです。
「業界や事業者の規模を問わず、誰もが気軽に導入することができ、ロボットやIoTの恩恵を享受することができる世界を目指して精進してまいります」(同社)
(4)2030年に端末販売数量193台を計画
(出典:FUNDINNO)
株主及び新株予約権者構成
同社は以下のVC、事業会社、エンジェル投資家より出資を受けています。
・ABBALabスタートアップファンド投資事業有限責任組合
・おおさか社会課題解決投資事業有限責任組合
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ヘッドウォータース <4011> [東証G]
・フィーチャ <4052> [東証G]
・セキュア <4264> [東証G]
・トリプルアイズ <5026> [東証G]
・HOUSEI <5035> [東証G]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
PLEN Robotics株式会社
大阪市北区中津三丁目33番16号
資本金:49,577,037円(2024年3月4日現在)
発行済株式総数:106,135株(同)
発行可能株式総数:5,000,000株
設立日:2017年6月19日
決算日:5月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 赤澤夏郎
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 13,689株
■募集株式の払込金額
1株あたり 7,300円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,290万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 750万円
広告宣伝費 327万円
手数料 212万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額8,702万円(目標募集額1,290万円と上限募集額9,992万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
人件費 4,162万円
広告宣伝費 1,728万円
設備投資 270万円
研究開発費 1,105万円
手数料 1,435万円
■投資金額のコース及び株数
94,900円コース(13株)
189,800円コース(26株)
284,700円コース(39株)
379,600円コース(52株)
474,500円コース(65株)
949,000円コース(130株)
1,898,000円コース(260株)
2,847,000円コース(390株)
3,796,000円コース(520株)
4,745,000円コース(650株)
9,964,500円コース(1,365株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、474,500円コース(65株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,964,500円コース(1,365株)を上限とする。
■申込期間
2024年5月13日~5月23日
■目標募集額
12,906,400円(上限募集額 99,929,700円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,905,800円とする。
■払込期日
2024年6月17日
■連絡先
PLEN Robotics株式会社
電話番号:06-4256-6630
メールアドレス:ir@plenrobotics.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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