【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):安田倉、OKI、郵船
安田倉 <日足> 「株探」多機能チャートより
安田倉庫<9324>は反発し年初来高値を更新した。7日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を前期比6.8%増の720億円、営業利益が同5.9%増の28億円と発表。配当予想も前期比2円増の30円としており、これが好感された。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比12.8%増の673億8400万円、営業利益が同4.3%増の26億4200万円だった。新規取引の開始や既存顧客の取引拡大、倉庫・輸配送ネットワークの拡充などにより、主力の物流事業が伸びた。利益向上やコスト構造改革の取り組みも奏功した。
■沖電気工業 <6703> 1,194円 +48 円 (+4.2%) 本日終値
沖電気工業<6703>がカイ気配スタートで株価水準を切り上げ、一時3月25日につけた年初来高値1205円を上回り新値街道に突入した。情報通信システム構築を手掛けるほか、ATMやプリンターなどを主力展開するが、足もとの業績は販管費などのコスト削減が寄与して利益率が大きく改善している。7日取引終了後、24年3月期業績予想の修正を発表、最終利益は従来予想の120億円から256億円(前の期は28億円の赤字)に上方修正した。繰り延べ税金資産回収の可能性を見直し、税負担軽減効果も反映して大幅な増額となっている。
■日本郵船 <9101> 4,480円 +175 円 (+4.1%) 本日終値
日本郵船<9101>が後場に持ち直した。8日正午、24年3月期の連結決算発表にあわせ、取得総数3500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.6%)、取得総額1000億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。加えて、前期の配当を10円増額修正したうえで、25年3月期の年間配当予想を前期比20円増配の160円とし、株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。自社株の取得期間は9日から25年4月30日。取得した全株式を同年5月30日に消却する予定。25年3月期は売上高が前期比4.1%減の2兆2900億円、最終利益が同7.2%増の2450億円となる見込み。想定為替レートは1ドル=145円とした。
■ホソカワミクロン <6277> 4,655円 +135 円 (+3.0%) 本日終値
ホソカワミクロン<6277>が反発した。7日の取引終了後、24年9月期第2四半期累計(23年10月~24年3月)の連結業績に関し、売上高が414億円(前年同期比11.3%増)、経常利益が42億5000万円(同26.2%増)で着地したようだと発表。これまでの計画と比べ売上高は24億円、経常利益は12億5000万円上振れする。経常利益は減益予想から一転、増益となる見通しとなり、評価されたようだ。対ドル、対ユーロで想定よりも大幅な円安となり、円換算ベースの売上高と利益を押し上げた。海外事業では値上げ効果も発現。欧米を中心に金利が上昇し、受取利息も増加した。
■日本証券金融 <8511> 1,631円 +47 円 (+3.0%) 本日終値
日本証券金融<8511>が急反発した。7日の取引終了後、26年3月期を最終年度とする中期経営計画での新たな株主還元方針を策定したと公表した。中期計画の期間中、総還元性向100%を目指す方針を継続しつつ、配当に関しては25年3月期から26年3月期の間、配当性向70%を目安に積極的な配当を行う。25年3月期の年間配当予想は、特別配当6円を含めて70円(前期は47円)とするほか、取得総数170万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.0%)、取得総額26億円を上限とする自社株買いの実施も発表した。株主還元姿勢を評価した買いが集まったようだ。25年3月期の純利益は前期比5.8%増の85億円を見込む。
■ハイデイ日高 <7611> 2,880円 +78 円 (+2.8%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>が3営業日ぶりに反発。同社は7日取引終了後、4月度の売上高速報を公表。既存店売上高が前年同月比11.2%増だったことが好感されたようだ。既存店の客単価は同0.8%減にとどまったものの、客数が同12.0%増となったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同14.1%増だった。
■新明和工業 <7224> 1,292円 +35 円 (+2.8%) 本日終値
新明和工業<7224>が全般軟調相場に抗して上値指向を継続。前週を境に急速な戻り足でマーケットの視線を集めたが、きょうも大口の買いが流入し株価を押し上げる形となっている。同社が7日取引終了後に発表した24年3月期の営業利益は前の期比27%増の117億6500万円と大幅な伸びを達成した。更に、25年3月期の同利益についても前期比11%増の130億円と2ケタ成長を継続する見通しにあり、買い安心感が広がった。部品不足の解消に伴いダンプトラックなどの生産回復が見込まれるほか、製品価格の値上げ効果も発現する。
■アルプスアルパイン <6770> 1,529円 +31.5 円 (+2.1%) 本日終値
アルプスアルパイン<6770>が10連騰。株価は22年6月以来、約2年ぶりの水準に値を上げている。7日に提出された変更報告書で旧村上ファンド系投資会社のエスグラントコーポレーション(東京都渋谷区)が同社株を買い増したことが明らかになった。保有比率は、共同保有者をあわせて従来の10.08%から11.32%に上昇した。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。
■ユニ・チャーム <8113> 4,817円 +83 円 (+1.8%) 本日終値
ユニ・チャーム<8113>が続伸。7日の取引終了後に発表した24年12月期第1四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7.0%増の2362億8100万円、コア営業利益は同32.1%増の375億4200万円となった。利益成長率を評価した買いが集まったようだ。国内では価格転嫁が浸透し、想定以上の増収増益となったほか、海外ではインドが好調を維持し、北米の収益性が改善した。
■ハーモニック <6324> 4,250円 +70 円 (+1.7%) 本日終値
ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は朝安後に切り返した。7日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、最終損益の赤字幅が計画の8億円から248億円に拡大して着地する見込みだと発表した。前の期は75億9500万円の最終黒字だった。ドイツの連結子会社を巡り、子会社化の際に認識したのれんなどの無形固定資産の一部について減損損失281億5900万円を特別損失として計上する。これに伴って、繰延税金負債を一部取り崩すため、最終損益に及ぼす影響額は242億2000万円となる。これを嫌気した売りが先行したものの、いったん悪材料出尽くしと受け止めた投資家の買いが優勢となり、プラス圏に浮上した。
株探ニュース