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【特集】佐藤正和氏【週明けの日経平均急騰、日米金融会合でどうなる?】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―先物主導で戻り足加速、為替相場の動向にも視線集まる―

 18日の東京株式市場は先物主導で日経平均株価は大幅高に買われた。引け際一段高で1000円あまりの上昇をみせ、一気に3万9000円台後半まで駆け上がった。日程面ではあすに予定される日銀の金融政策決定会合の結果発表と植田和男日銀総裁の記者会見に注目が集まっている。また、今週央の20日には米国で連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が開示されるが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見と合わせてマーケットの関心は高い。果たしてこの2つのビッグイベント通過後、マーケットはどう動くのか。ここ円安方向に振れる外国為替市場の動向もあわせて、第一線で活躍する市場関係者2人に意見を聞いた。

●「日銀政策変更は織り込み済み、FOMCに注目」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 一連の報道などで、日銀が18~19日の金融政策決定会合で「マイナス金利政策」を解除することは、ほぼ決定的となった。実際19日に正式発表が出ても材料出尽くしとなるだろう。注目されるのは、19日の植田和男日銀総裁の会見だ。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)も撤廃となることも予想されるなか、金利上昇の抑制に向けた政策の内容が注目される。ただ、基本的には緩和的な姿勢を継続することは示されている。今回の政策変更の影響はすでに織り込まれているとみていいだろう。

 むしろ19~20日のFOMCの方が当面の相場への影響は大きいかもしれない。今回は政策金利は据え置きの見通しだが、昨年12月のFOMCで示された年内3回の利下げの見通しに変化があるかなどが注目されるだろう。足もとでは2月の消費者物価指数(CPI)などは上振れており、米長期金利上昇がドル高・円安の要因となっている。パウエルFRB議長は「年内どこかで利下げ」のスタンスを示しているが、実際利下げに踏み切るには証拠が欲しいというところだろう。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場のレンジは1ドル=146円50~150円50銭前後を見込んでいる。基本的にはドル高トレンドの継続を見込んでいるが、FOMC通過後は目立ったイベントはなく、ドル円は一進一退となることもあり得る。

 ユーロドルは1ユーロ=1.0650~1.1050ドルのレンジを想定している。トレンドはユーロ安だろう。ユーロ円は1ユーロ=158円00~164円00銭前後。トレンドは横ばいを想定している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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