【市況】【投資部門別売買動向】信託銀と投信の売り越しが続く一方、個人と海外勢は買い越す (3月第1週)
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
●信託銀と投信の売り越しが続く一方、個人と海外勢は買い越す
東証が14日に発表した3月第1週(4日~8日)の投資部門別売買動向(現物)によると、日銀の金融政策に対する警戒感が強まり、日経平均株価が前週末比221円安の3万9688円と6週ぶりに下落したこの週は、年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行は9週連続で売り越した。売越額は6865億円と前週の2589億円から急拡大し、昨年5月第5週以来およそ10ヵ月ぶりの大きさだった。株高で他資産に振り向けるリバランス(配分調整)目的の売りが続いているもようだ。投資信託も9週連続で売り越し、売越額は2393億円だった。
一方、個人投資家は4週ぶりに買い越し、買越額は3274億円だった。前週は905億円の売り越し。海外投資家は2週連続で買い越し、買越額は1763億円と前週の3834億円から縮小した。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で2週ぶりに買い越した。買越額は177億円だった。現物と先物の合算では2週連続で買い越し、買越額は1941億円と前週の693億円から拡大した。
日経平均が6週ぶりに下落する中、信託銀行と投資信託の売り越しが続く一方、個人投資家と海外投資家は買い越した。
■投資部門別売買代金差額 (3月4日~8日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
3月 ―――
第1週 1,763 ▲6,865 3,274 [ ▲513 3,787 ] 39,688円 ( -221 円)
2月 ―――
第4週 3,834 ▲2,589 ▲905 [ ▲2,337 1,431 ] 39,910円 ( +812 円)
第3週 ▲786 ▲2,235 ▲918 [ ▲1,906 987 ] 39,098円 ( +611 円)
第2週 3,013 ▲4,554 ▲3,164 [ ▲3,439 274 ] 38,487円 ( +1589 円)
第1週 3,663 ▲5,490 2,277 [ 103 2,173 ] 36,897円 ( +739 円)
1月 ―――
第5週 1,783 ▲1,421 569 [ ▲1,261 1,831 ] 36,158円 ( +406 円)
第4週 4,105 ▲3,692 2,946 [ ▲137 3,083 ] 35,751円 ( -212 円)
第3週 3,841 ▲1,915 ▲1,854 [ ▲2,918 1,064 ] 35,963円 ( +386 円)
第2週 9,557 ▲105 ▲10,695 [ ▲8,163 ▲2,531 ] 35,577円 ( +2199 円)
第1週 1,405 49 ▲336 [ ▲1,150 813 ] 33,377円 ( -86 円)
12月 ―――
第4週 ▲2,020 ▲891 ▲2,834 [ ▲3,280 445 ] 33,464円 ( +295 円)
第3週 565 ▲2,035 ▲2,103 [ ▲3,013 910 ] 33,169円 ( +198 円)
第2週 2,378 257 ▲3,298 [ ▲2,123 ▲1,174 ] 32,970円 ( +662 円)
第1週 ▲5,868 1,270 4,194 [ 1,557 2,637 ] 32,307円 ( -1123 円)
11月 ―――
第5週 ▲3,687 ▲111 456 [ ▲612 1,068 ] 33,431円 ( -194 円)
第4週 ▲10 2,370 ▲894 [ ▲1,566 671 ] 33,625円 ( +40 円)
第3週 3,629 ▲238 ▲5,722 [ ▲5,068 ▲654 ] 33,585円 ( +1017 円)
第2週 783 ▲547 ▲2,545 [ ▲2,973 427 ] 32,568円 ( +618 円)
第1週 576 2,135 ▲3,868 [ ▲3,289 ▲578 ] 31,949円 ( +958 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース