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【特集】成功確率が高いんです! の「アクティビスト便乗作戦」で+25%

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 浅川夏樹さんの場合-最終回

登場する銘柄
京成<9009>、OLC<4661>、ユニゾHD<3258>(上場廃止)、三菱重<7011>

取材・文/真弓重孝、高山英聖(株探編集部)

イラスト:福島由恵
■浅川夏樹さん(仮名・50代・女性)のプロフィール:
銀座高級クラブのホステスなどを経て、現在はお茶屋バーを経営する兼業投資家。主な投資対象は日本株で、配当重視の長期投資を軸に4億円を運用している。元々は国内外の株式や債券に幅広く投資をしてきたが、人生設計の変化などを踏まえ2010年代に現在の日本株中心の戦略へとシフトした。著書に『夜の銀座の資本論』(中央公論新社)、『ETF 世界を舞台にした金融商品』(パンローリング)などがある。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

第1回記事「割安成長株、高配当と値上がり益の"いいとこ取り"作戦で資産4倍化に貢献」を読む

浅川夏樹さん(仮名)は、サテライトの投資では短期~中長期でキャピタルゲインを狙う投資をする。イベント・テーマで関心の集まった銘柄を対象に、理論株価やテクニカル指標を参考に売買を行う。

中でも本人が「成功の確度が高い」と感じているのが、アクティビスト(物言う株主)の動きに便乗するイベント投資だ。2回目はその事例と手法に焦点を当てる。

英パリサーが関与する京成電鉄株で+25%のリターン

直近の成功例は、昨秋の2023年10月から24年1月にかけて取引した京成電鉄<9009>になる。

きっかけは、10月18日、同社の8位株主で、英投資ファンドのパリサー・キャピタルが、京成電鉄が保有するオリエンタルランド<4661>(OLC)の株の一部の売却を要求していたことが伝わったことだ。京成の本業との相乗効果が薄いため、売却益を他の投資や株主還元に回して企業価値を高めるべきだとした。

パリサーの要求に「筋は悪くない」と感じた浅川さんは、京成株の株価モメンタム(騰勢)に飛び乗ることにした。2000万円ほどを投じ、取得単価は5349円となった。

取得後も株価の上昇が続く中で、浅川さんは段階的に売却を進める。クローズした時の株価は7000円ほどで、トータルで投資額の+25%となる400万円のリターンを獲得した。

■京成の週足チャート(2023年7月~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


成功のポイントは、バリュエーション(投資尺度)とテクニカル指標を見ながら、感情を排して機械的に売買したことだ。具体的に参考にしたのは、

バリュエーション面では、PBR(株価純資産倍率)基準の理論株価のレンジ
テクニカル指標では、「ボリンジャーバンド」と「スロー・ストキャスティクス(以下スロー・ストキャス)」

――になる。浅川さんの経験の中で、これらを組み合わせると成功の確度が高くなるという。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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