【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):塩野義、Bマインド、日本ラッド
塩野義 <日足> 「株探」多機能チャートより
塩野義製薬<4507>は9日続伸し連日で昨年来高値を更新。同社は5日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」について、同日付で厚生労働省から通常承認を取得したと発表しており、好材料視された。同薬は既に22年11月に緊急承認を受けていたが、通常承認により従来は処方時に必須となっていた文書による患者からの同意取得の手続きが不要となる。なお、国内で新型コロナ治療薬に通常承認が下りたのは初となる。
■フジ・コーポレーション <7605> 1,782円 -130 円 (-6.8%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
フジ・コーポレーション<7605>は大幅反落。5日の取引終了後に発表した第1四半期(23年11月~24年1月)連結決算が、売上高166億100万円(前年同期比9.0%増)、営業利益26億1100万円(同6.1%減)、純利益18億6900万円(同5.0%減)と増収減益となったことが嫌気された。例年ほどではないまでも降雪地区に降雪があったためタイヤホイールを中心に売上高は伸長したものの、度重なる値上げによる仕入れコストの上昇などが利益を圧迫した。なお、24年10月期通期業績予想は、売上高455億円(前期比0.9%増)、営業利益56億円(同1.3%増)、純利益40億5000万円(同1.6%増)の従来見通しを据え置いている。
■村田製作所 <6981> 2,965円 -40 円 (-1.3%) 本日終値
村田製作所<6981>、アルプスアルパイン<6770>、TDK<6762>など電子部品株が売られる展開。ここ米国株市場ではスマートフォン大手のアップル<AAPL>の株価下落基調が続いており、前日は3%近い下げで5日続落となった。中国でのiPhone販売が低迷しており、これが嫌気されている。東京市場でも村田製を筆頭にアップルの有力サプライヤーである大手電子部品メーカーに逆風材料となっている形だ。外国為替市場で為替が円高方向に振れていることもネガティブに作用している。
■ヤマシナ <5955> 118円 +30 円 (+34.1%) ストップ高 本日終値
ヤマシナ<5955>がストップ高。同社は5日、電動垂直離着陸飛行機(eVTOL)開発企業のHIEN aero technologies(東京都小金井市)と技術提携契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。今回の技術提携で、同社は高強度アルミボルトなど軽量化ファスニング技術や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用ナットなど電食対策技術、スレッドフォーミングスクリューを用いたボルトのゆるみ対策や締結コスト低減技術などを、締結ノウハウや試験データとともに提供するとしている。
■ブロードマインド <7343> 1,548円 +300 円 (+24.0%) ストップ高 本日終値
ブロードマインド<7343>が急騰。5日の取引終了後、配当方針の変更を発表。新たな配当方針として、2025年3月期から27年3月期までの配当性向を100%とする目標を掲げ、ポジティブ視されたようだ。あわせて同社は中期経営計画も公表した。フィナンシャルパートナー事業の着実な成長や新領域でのサービス開発などを通じ、27年3月期の売上高を80億円(24年3月期の見通しは53億円)、27年3月期の営業利益率を16%(同14.2%)に伸ばす方針。34年3月期の目標としては売上高200億円超、営業利益率20%超とする目標を掲げている。
■日本ラッド <4736> 1,626円 +300 円 (+22.6%) ストップ高 本日終値
日本ラッド<4736>が3日連続ストップ高に買われたほか、前日まで1本値で連続ストップ高に買われ値幅制限上方拡大となったサイオス<3744>は一時68%高という驚異的パフォーマンス。同じく値幅制限が拡大されたテックファームホールディングス<3625>も一時30%高に買われる人気。このほか、ヘッドウォータース<4011>、ソケッツ<3634>、JDSC<4418>、Kudan<4425>など人工知能(AI)関連に位置付けられる小型株が軒並み急騰。生成AIの登場によってAI市場の拡大が加速しており、今から3年後の2027年には市場規模が4000億ドル(約60兆円)を超えるとの試算も出ている。そうしたなか、AI先進国の米国に続く形で日本でも株式市場のAI株人気に火が付く格好となった。ここまで、AI用先端半導体に対するニーズ急増を背景に半導体製造装置関連株を中心に物色の矛先が向いていたが、直近ではこれに代わって、中小型のソフトウェア関連株に投資マネーの流入が際立つ。相対的に時価総額の小さい銘柄が多いことで値動きも大きくなりやすく、個人投資家資金を巻き込んでモメンタム相場の流れが激化している。
■Jティッシュ <7774> 681円 +100 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
ジャパン・ティッシュエンジニアリング<7774>が大幅高で3日続伸した。東京証券取引所が5日の取引終了後、J・TECを6日付で貸借銘柄に選定すると発表。売買の活発化により株式の流動性が高まると期待した投資家の買いが入ったようだ。日本証券金融も6日約定分から、J・TECを貸借銘柄に追加した。
■フォーカスシステムズ <4662> 1,349円 +187 円 (+16.1%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位
フォーカスシステムズ<4662>は一時ストップ高。時価は2000年10月以来約23年半ぶりの高値圏に浮上。独立系情報システム会社で、開発・保守・運用・セキュリティーと一気通貫で手掛ける。金融関連システムに強く、暗号システムなどで独自の技術力を発揮している。業績は申し分なくトップライン、利益ともに拡大基調で過去最高更新が続いている。医療系の外部研究機関と共同で人工知能(AI)を活用したヘルステック分野での研究開発を推進中。認知症やパーキンソン病などの診断に使うSPECT装置で生成された画像をAIで高精度化する研究などを進捗させている。AI関連株が相次いで人気化するなか、同社に対する注目度も急速に高まっているようだ。
■モビルス <4370> 530円 +61 円 (+13.0%) 一時ストップ高 本日終値
モビルス<4370>が3連騰。5日の取引終了後、資本・業務提携先であるテクマトリックス<3762>との提携関係を強化すると発表しており、好材料視された。テクマトがモビルスの筆頭株主であるラン・ホアン氏の全保有株を取得する。これによりテクマトはモビルス株式の171万7524株(発行済み株数の28.75%)を保有することになり、モビルスはテクマトの持ち分法適用関連会社となる。両社間の事業面での連携は更に強化されることとなり、シナジーの早期発現に向けて取り組みを進めるとしている。
■タカショー <7590> 563円 +48 円 (+9.3%) 本日終値
タカショー<7590>が大幅高となっている。同社は5日取引終了後、25年1月期通期の連結業績予想を公表。営業損益の見通しを5億8300万円の黒字(前期は1億800万円の赤字)としていることや、期末一括配当計画を前期比3円増配の8円としていることが好感されたようだ。売上高は前期比13.6%増の220億4700万円を見込む。主力のプロユース事業では、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)型販売促進の展開によるブランド力の向上と営業活動の強化を図るとともに、グループの強みでもある別注対応により非住宅分野(公共施設や商業施設)などの販路を拡大するとしている。
●ストップ高銘柄
ソーシャルワイヤー <3929> 334円 +80 円 (+31.5%) ストップ高 本日終値
ファンペップ <4881> 225円 +50 円 (+28.6%) ストップ高 本日終値
サクシード <9256> 1,608円 +300 円 (+22.9%) ストップ高 本日終値
放電精密加工研究所 <6469> 2,195円 +400 円 (+22.3%) ストップ高 本日終値
クロスキャット <2307> 2,322円 +400 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
など、16銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース