【市況】Biteye創業者DeFi Teddy氏インタビュー、アジアのクリプト業界展望【フィスコ・マーケットレポーター】

以下は、フィスコ・マーケットレポーターのタマラ・ソイキナ（X@web3tama / 以下、タ）が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

主に英語で発信されるweb3分野の一次情報はまだ十分に日本語化されているとは言えません。こうした中で、常に最先端の情報に触れ、情報発信するインフルエンサーたちはどのような経歴を持ち、どのような事を考え、行動しているのでしょうか？

今回中国語圏で影響力を持つ、Biteyeというweb3コミュニティのリーダーであるDeFi Teddy氏（X@ DeFiTeddy2020 / 以下、デ）にインタビューしました。

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※2024年2月8日に執筆

タ「Biteyeコミュニティの成り立ちと現在の活動について簡単に教えてください。また、現在の主な焦点と取り組みについて教えてください。」
テ「Biteyeコミュニティは、2020年のDeFi（分散型金融）サマーに生まれました。私はweiboやXでDeFiのリサーチ記事を書き、weiboやXのフォロワーを元にコミュニティを作りました。それ以来、Biteyeは、L1/L2、DeFi、DePin、BTCエコシステムなど、web3の幅広い分野をカバーし、25万人以上のメンバーを擁するアジア有数のweb3リサーチコミュニティへと発展しました。私たちの使命は、コミュニティメンバーがweb3の奥深さを探求できるよう、革新的なリサーチコンテンツと高度な分析ツールを開発することです。」

タ「DeFi Teddyさんの個人的なバックグラウンドについて教えてください。またweb3に関わることになったきっかけは何でしょうか？」
テ「私は米国でコンピューター・サイエンスの博士課程とMBAプログラムを学びました。クリプトの世界に飛び込む前は、ニューヨークのフィンテック業界やシリコンバレーのインターネット企業でキャリアを積んできました。2014年にCoinbaseで初めてビットコインを購入し、2020年にweb3のキャリアをスタートさせました。フィンテックセクターでの経験から、伝統的な金融の効率性を高めるというフィンテックの役割を理解するようになりました。フィンテックは主に金融システムのフロントエンドを革新しますが、バックエンドに革命を起こす可能性があるのは暗号資産です。このシフトは、現在の金融システムの根本的な問題に対処する道を開き、表面的な変革ではなく、包括的な変革を提供します。」

タ「バックエンドに革新をもたらすのは暗号資産だという視点は新鮮ですね。コミュニティ運営に携わる者として、Biteyeコミュニティ内のエンゲージメントとコラボレーションの促進について、どのような知見を得ましたか？」
テ「web3コミュニティやDAOは、従来の企業構造を補完する革新的な組織モデルです。これらのコミュニティは、十分に構造化されたインセンティブとコンセンサスメカニズムによって駆動され、多くの場合、伝統的な企業と比較して、タスクの完了に対するメンバーのモチベーションは高いレベルを示します。

しかし、企業並みの生産性を達成するためには、明らかに課題があります。この問題は、コミュニティメンバーが複数のプロジェクトに従事することが多く、それぞれのプロジェクトに割ける帯域幅が限られていることに一因があります。解決策として考えられるのは、特定のタスクを正社員に割り当て、その他のタスクはコミュニティ・メンバーが効率的に処理することだと思います。」

タ「コミュニティ運営におけるインサイトは企業にとってメンバーのモチベーション管理にかつようできそうですね。2024年、アジア地域でのweb3業界トレンドについてどう予想していますか？」
テ「私はアジアのweb3業界について楽観的です。一方では、米国の厳しい規制により、一部のweb3プロジェクトは米国以外の成長分野に目を向けています。一方、香港はweb3の人材を惹きつけるために、多くの優れた政策を発表しています。香港は暗号資産取引所のライセンスも発行しています。 アジアのweb3業界により多くの人材と資金が集まることを期待しています。」

タ「香港は地理的にも政策的にもweb3業界全体から注目を集めており、今後の動向には注目すべきですね。DeFiが大衆に受け入れられるためには何が必要だと思いますか？」
テ「3つの条件を満たす必要があると思います。第一に、DeFiに関する規制が明確で、リテールユーザーフレンドリーである必要があります。我々は、政府がDeFiセクターの成長を支援・促進する規制を発表することを切望しています。第二に、DeFi製品の体験がユーザーフレンドリーである必要があります。例えば、メタマスクのようなweb3ウォレットは、まだ多くの人にとっても非常に使いにくいです。第三に、DeFiの安全性の問題を適切に解決する必要があります。背景にDeFiのハッキング事件が多発し、何十億ドルも盗まれたことがあるためです。」

タ「DeFiが大きく普及するためにはまだまだ多くの障壁がありそうですね。Biteyeコミュニティの将来のビジョンは何でしょうか？」
テ「私たちはコミュニティの将来について2つのビジョンを持っています。まず、AIによるweb3リサーチの強化です。AI + クリプトの時代がやって来ます。私たちのコミュニティは、AIを活用してリサーチ能力を高めていきます。例えば、ソーシャルメディアやオンチェーンデータからアルファシグナルを作成するためにChatGPTを使用するツールを作成しています。2つ目は、インテント中心の取引です。過去、Biteyeコミュニティはリサーチとデータ分析ツールに重点を置いていました。次の段階は、コミュニティメンバーが手作業に煩わされることなく、リサーチ結果やデータ分析を取引アクションに反映させるための自動取引ツールを作成することです。」

タ「オンチェーンデータのオープン性はAIの活用と相性が良さそうですね。この度はご回答ありがとうございました。アジア地域からグローバル全体を盛り上げられるよう期待しています。」

以上

《TY》

　提供：フィスコ