【市況】ダウ平均は続伸 米CPIはコアインフレの根強さ示す 期待は大きくは変わらず=米国株概況
NY株式12日(NY時間16:20)(日本時間06:20)
ダウ平均 36577.94(+173.01 +0.48%)
S&P500 4643.70(+21.26 +0.46%)
ナスダック 14533.40(+100.91 +0.70%)
CME日経平均先物 32940(大証終比:+230 +0.70%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。この日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)は予想通りの結果となった。エネルギー・食品を除くコア指数も概ね予想通りの内容。ただ、コア指数は予想通りではあったものの前月比の伸びが0.3%と前回から上昇したほか、パウエルFRB議長も気にしているとされる住居費を除くサービスインフレ、いわゆるスーパーコアが計算値で前月比0.4%と前回の0.2%から上昇していた。全体的のインフレは落ち着きつつあるものの、コアインフレの根強さは示されている格好。
これを受けて序盤の米株式市場は上値の重い値動きも見られ、IT・ハイテク株中心に軟調な動きも見られていた。しかし、下値での押し目買い意欲も強く、指数は上げに転じている。
市場は来年の米利下げ期待を若干は後退させたものの、大きくは変えていない。きょうからFOMCが始まり、明日結果が発表される。物価上昇圧力は数十年来の高水準から後退しているが、労働市場は依然として堅調で、個人消費と経済全体をけん引している。FOMCは金利を再び据え置く見通しだが、これまでのタカ派姿勢と、追加利上げの可能性も残し、利下げを行う前に物価上昇の持続的な後退を確認したい意向を改めて表明するとの見方も多い。しかし、市場も大きくは姿勢を変えないと思われる。
市場からは、「投資家が1年を好調に終えようとしている。最近の上昇はゴルディロックス型のシナリオへの期待に基づいている。経済成長は鈍化するものの景気後退はなく、インフレの持続的低下による来年の利下げ期待などである。ただ、残念ながら、まだその良いニュースの多くは割り引かれている状態だと思われる」といった前向きな見方も出ている。
オラクル<ORCL>が決算を受けて下落。前日引け後に9-11月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高が予想を下回った。クラウド部門の伸びが25%と第1四半期の30%から2四半期連続で鈍化した。インフラ事業の成長は1年余り加速した後、第1四半期に初めて鈍化していた。その中での今回の結果は競争の激しい市場で、同社の成長努力が進展していないのではないかと投資家を懸念させる内容となった。
ワクチンを開発のアイコサバックス<ICVX>が急伸。アストラゼネカが同社を11億ドルで買収することで合意した。1株15ドルの現金での買収で、前日終値よりも43%高い水準。
百貨店のメーシーズ<M>が反落。前日は投資家グループが58億ドルで買収提案を行ったと伝わり、買いが強まっていた。ただ、きょうはアナリストが投資判断を「売り」に引き下げている。投資家グループからの買収提案の実現に懐疑的な見方を示した。
がん治療薬開発のシーゲン<SGEN>が上昇。同社はファイザー<PFE>との合併で合意しているが、12月14日に買収を完了するために必要なすべての規制当局の承認を得たと発表した。
スクールバス製造のブルーバード<BLBD>が決算を受け上昇。24年度の通期ガイダンスを引き上げた。
電気自動車(EV)のルーシッド<LCID>が下落。前日引け後に同社のハウスCFOの突然の辞任を発表した。
石油・ガス資産の取得開発を手掛けるシルバーボウ・リソーシズ<SBOW>が下落。大株主のストラテジック・バリューの170万株の売り出しが伝わった。
防災、空調、ビル管理のジョンソン・コントロールズ・インターナショナル<JCI>が決算を受け下落。24年度通期の1株利益の見通しが予想を下回った。9月に発生したサイバー攻撃の影響に言及。
モバイルサービス・プラットフォームを手掛けるデジタル・タービン<APPS>が上昇。グーグルがエピック・ゲームズ社との反トラスト法裁判で敗訴したことを好感されている模様。
地方紙のガネット<GCI>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」、目標株価を5ドルでカバレッジを開始した。
*米消費者物価指数(11月)22:30
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 3.1%
予想 3.1% 前回 3.2%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 4.0%
予想 4.0% 前回 4.0%(コア・前年比)
・スーパーコア(住居費を除くサービス業)
結果 0.4% 前回 0.2%(前月比)
オラクル<ORCL> 100.81(-14.32 -12.44%)
アイコサバックス<ICVX> 15.68(+5.19 +49.48%)
メーシーズ<M> 19.05(-1.72 -8.28%)
ブルーバード<BLBD> 24.09(+2.28 +10.45%)
ルーシッド<LCID> 4.22(-0.39 -8.46%)
ジョンソン・コントロールズ<JCI> 53.19(-3.38 -5.97%)
シルバーボウ<SBOW> 27.35(-2.60 -8.68%)
デジタル・タービン<APPS> 6.47(+0.37 +6.07%)
ガネット<GCI> 2.21(+0.32 +16.93%)
アップル<AAPL> 194.71(+1.53 +0.79%)
マイクロソフト<MSFT> 374.38(+3.08 +0.83%)
アマゾン<AMZN> 147.48(+1.59 +1.09%)
アルファベットC<GOOG> 133.64(-1.06 -0.79%)
テスラ<TSLA> 237.01(-2.73 -1.14%)
メタ・プラットフォームズ<META> 334.22(+8.94 +2.75%)
AMD<AMD> 137.61(+3.20 +2.38%)
エヌビディア<NVDA> 476.57(+10.30 +2.21%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ダウ平均 36577.94(+173.01 +0.48%)
S&P500 4643.70(+21.26 +0.46%)
ナスダック 14533.40(+100.91 +0.70%)
CME日経平均先物 32940(大証終比:+230 +0.70%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。この日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)は予想通りの結果となった。エネルギー・食品を除くコア指数も概ね予想通りの内容。ただ、コア指数は予想通りではあったものの前月比の伸びが0.3%と前回から上昇したほか、パウエルFRB議長も気にしているとされる住居費を除くサービスインフレ、いわゆるスーパーコアが計算値で前月比0.4%と前回の0.2%から上昇していた。全体的のインフレは落ち着きつつあるものの、コアインフレの根強さは示されている格好。
これを受けて序盤の米株式市場は上値の重い値動きも見られ、IT・ハイテク株中心に軟調な動きも見られていた。しかし、下値での押し目買い意欲も強く、指数は上げに転じている。
市場は来年の米利下げ期待を若干は後退させたものの、大きくは変えていない。きょうからFOMCが始まり、明日結果が発表される。物価上昇圧力は数十年来の高水準から後退しているが、労働市場は依然として堅調で、個人消費と経済全体をけん引している。FOMCは金利を再び据え置く見通しだが、これまでのタカ派姿勢と、追加利上げの可能性も残し、利下げを行う前に物価上昇の持続的な後退を確認したい意向を改めて表明するとの見方も多い。しかし、市場も大きくは姿勢を変えないと思われる。
市場からは、「投資家が1年を好調に終えようとしている。最近の上昇はゴルディロックス型のシナリオへの期待に基づいている。経済成長は鈍化するものの景気後退はなく、インフレの持続的低下による来年の利下げ期待などである。ただ、残念ながら、まだその良いニュースの多くは割り引かれている状態だと思われる」といった前向きな見方も出ている。
オラクル<ORCL>が決算を受けて下落。前日引け後に9-11月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高が予想を下回った。クラウド部門の伸びが25%と第1四半期の30%から2四半期連続で鈍化した。インフラ事業の成長は1年余り加速した後、第1四半期に初めて鈍化していた。その中での今回の結果は競争の激しい市場で、同社の成長努力が進展していないのではないかと投資家を懸念させる内容となった。
ワクチンを開発のアイコサバックス<ICVX>が急伸。アストラゼネカが同社を11億ドルで買収することで合意した。1株15ドルの現金での買収で、前日終値よりも43%高い水準。
百貨店のメーシーズ<M>が反落。前日は投資家グループが58億ドルで買収提案を行ったと伝わり、買いが強まっていた。ただ、きょうはアナリストが投資判断を「売り」に引き下げている。投資家グループからの買収提案の実現に懐疑的な見方を示した。
がん治療薬開発のシーゲン<SGEN>が上昇。同社はファイザー<PFE>との合併で合意しているが、12月14日に買収を完了するために必要なすべての規制当局の承認を得たと発表した。
スクールバス製造のブルーバード<BLBD>が決算を受け上昇。24年度の通期ガイダンスを引き上げた。
電気自動車(EV)のルーシッド<LCID>が下落。前日引け後に同社のハウスCFOの突然の辞任を発表した。
石油・ガス資産の取得開発を手掛けるシルバーボウ・リソーシズ<SBOW>が下落。大株主のストラテジック・バリューの170万株の売り出しが伝わった。
防災、空調、ビル管理のジョンソン・コントロールズ・インターナショナル<JCI>が決算を受け下落。24年度通期の1株利益の見通しが予想を下回った。9月に発生したサイバー攻撃の影響に言及。
モバイルサービス・プラットフォームを手掛けるデジタル・タービン<APPS>が上昇。グーグルがエピック・ゲームズ社との反トラスト法裁判で敗訴したことを好感されている模様。
地方紙のガネット<GCI>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」、目標株価を5ドルでカバレッジを開始した。
*米消費者物価指数(11月)22:30
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 3.1%
予想 3.1% 前回 3.2%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 4.0%
予想 4.0% 前回 4.0%(コア・前年比)
・スーパーコア(住居費を除くサービス業)
結果 0.4% 前回 0.2%(前月比)
オラクル<ORCL> 100.81(-14.32 -12.44%)
アイコサバックス<ICVX> 15.68(+5.19 +49.48%)
メーシーズ<M> 19.05(-1.72 -8.28%)
ブルーバード<BLBD> 24.09(+2.28 +10.45%)
ルーシッド<LCID> 4.22(-0.39 -8.46%)
ジョンソン・コントロールズ<JCI> 53.19(-3.38 -5.97%)
シルバーボウ<SBOW> 27.35(-2.60 -8.68%)
デジタル・タービン<APPS> 6.47(+0.37 +6.07%)
ガネット<GCI> 2.21(+0.32 +16.93%)
アップル<AAPL> 194.71(+1.53 +0.79%)
マイクロソフト<MSFT> 374.38(+3.08 +0.83%)
アマゾン<AMZN> 147.48(+1.59 +1.09%)
アルファベットC<GOOG> 133.64(-1.06 -0.79%)
テスラ<TSLA> 237.01(-2.73 -1.14%)
メタ・プラットフォームズ<META> 334.22(+8.94 +2.75%)
AMD<AMD> 137.61(+3.20 +2.38%)
エヌビディア<NVDA> 476.57(+10.30 +2.21%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美