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【市況】次第にFOMCモードへ 市場が考えを変えるかは未知数

 NY時間の終盤に入って、米株式市場は堅調な推移を継続しており、ドル円は145円台半ばで落ち着いている。この日の米消費者物価指数(CPI)、そして米30年債入札も通過して、いよいよ市場はFOMCの結果待ちの雰囲気を強めている。ただ、明日は結果発表前に米生産者物価指数(PPI)があることは忘れてはならない。

 きょうの米CPIを受けて市場では、FRBが勝利宣言を急ぐことはないとの見方を強めている。最新の数字はFRBのハト派移行に対する見方に疑問を投げかけ、きょうの米CPIもパウエル議長が市場の利下げ期待に冷や水を浴びせるとの憶測を呼んでいる。

 しかし、市場の利下げ期待は行き過ぎた3月こそ若干修正させているものの、まだ5月は完全に織り込んでいる状況。FRBがこれまで通りのタカ派姿勢を温存してくるのは、ブラックアウト前のFOMC委員の発言や、先週の予想を上回る米雇用統計ですでに確認済みのはず。それでもなぜか市場は来年の利下げに対するスタンスを概ね変えていない。明日のFOMCで予想通りにタカ派姿勢を強調したとしても、果たして市場が考えを変えてくるかは未知数の部分が多いようにも思われる。
 
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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