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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「気掛かりな円高、昨年の師走と酷似」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は12月5日に455円安、6日に670円高と大きく反発するも、7日は再び587円安と乱高下。8日のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出日)を控え、先物主導で振れやすい地合いだったと言える。チャートも6月から続く上値の節目(3万3800円前後)で頭を抑えられ、日足RCI(順位相関指数)が高値信号を灯すなど、ここでの調整は仕方のないところだろう。

◆年末は節税対策売りが出やすく、師走(12月)には調整アノマリー(経験則)もある。さらに気掛かりなのは「円高」の進行であり、7日の午後3時に1ドル=146.6円近辺だったドル円は、その日の夜間に143円台に進んでいる(午前1時現在)。

◆為替の日足チャートを見ると、11月中旬に151円台でダブルトップを描き、その後、25日・75日の両移動平均線を割り込み「円安」から「円高」への基調転換が鮮明となっている。この動きを踏まえると、昨年の師走相場を思い出さずにはいられない。

◆昨年末の日経平均株価は、11月高値の2万8502円から1月大発会安値の2万5661円まで約10%調整したが、その背景には10月の151円台から23年1月の127円台まで大きく「円高」に振れた為替の動きがあった。翻って現在、シカゴ・マーカンタイル取引所に上場するIMM通貨先物で「ドル・円」の投機筋のポジションを見ると、1年前と同様に大量の「円売り」ポジションが滞留しており、売り方の買い戻しが続くのならば日経平均株価も昨年と似た展開を辿りかねない。

◆為替とともに年内の株式市場はまだ乱高下すると思われ、「様子見」も一策となる。ただし、今年(卯年)の日経平均株価は1月の大発会安値から大きく浮上して「33年ぶりの高値」まで跳ねた。来る2024年の躍進(辰巳天井=高値)を想定するなら、この12月の調整は「押し目の好機」を提供することになる。

(12月7日 記、次回更新は12月16日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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