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【市況】今週の【早わかり株式市況】2週続落、高ボラ地合いのなか円高背景に大幅安

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週続落、前週末比1000円超安に
 2.週明けから下落基調、米指標やメジャーSQ控え
 3.水曜は一転大幅高、米ハイテク株高で心理改善
 4.週後半は大幅続落、ボラティリティの高い展開続く
 5.一時1ドル141円台に、植田発言で修正観測高まる

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1123円(3.4%)安の3万2307円と、2週連続で下落した。

 今週はボラティリティの高い地合いだった。米ハイテク株の動向や円高を背景に週明けから下落基調が続いていたが、水曜に一転して大幅高に。しかし、翌日から再び売りが強まり、結局日経平均は週間で1000円を超える下げ幅となった。

 週明け4日(月)の東京株式市場は売り優勢でスタート。前週末の欧米株市場が高かったものの、米金利低下を背景にした円高が輸出セクターを中心に逆風となった。この週は米国で雇用関係の指標が相次ぐことや、週末にメジャーSQ算出を控えていたことから、積極的な買いが入りにくかった。5日(火)も下落基調が継続。前日の米ハイテク株安を引き継ぎ、半導体関連株の一角が売られ全体を押し下げた。アジア株市場で香港ハンセン指数などの下げが目立ち、その連想で見切り売りを誘発した部分もあった。6日(水)は一転してリスクオンの流れが加速。日経平均は670円高と急反発した。米国では金利低下によって株式の相対的な割高感が緩和され、特にハイテク株に投資資金が集中。この流れを受け東京市場でも投資家心理が改善し、先物を絡めた買い攻勢が顕著となった。7日(木)は反動安に見舞われた。前日の米国株市場では11月のADP全米雇用リポートが事前予想を下回り長期金利が低下したものの、ハイテク株中心に軟調な地合いとなった。外国為替市場で円高が進んだこともあり、東京市場は大きく下げ日経平均は600円近い下落となった。8日(金)も日経平均は大幅下落。植田日銀総裁の発言を受けて金融政策の修正観測が高まり、為替市場では一時1ドル=141台まで円が急伸。株式市場に逆風となったが、金利上昇の恩恵を受ける銀行株や円高メリット株の空運株などは買われた。

■来週のポイント
 来週は為替の円高がどこまで進むのかの見極めがポイントとなりそうだ。全体相場は短期的に調整局面にあり、日経平均は3万2000円台の攻防が予想される。個別では円高メリット銘柄や金融株に物色の矛先が向きそうだ。

 重要イベントとしては、国内では11日朝に発表される10-12月期法人企業景気予測調査、13日朝に発表される日銀短観、14日朝発表の10月機械受注が注目される。海外では、12日~13日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、12日発表の米国11月消費者物価指数、13日に発表される米国11月生産者物価指数、14日に発表されるECB(欧州中央銀行)の政策金利、米国11月小売売上高、15日に発表される中国11月の鉱工業生産指数と小売売上高、米国11月鉱工業生産指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月4日~12月8日)

【↓】  12月 4日(月)―― 続落、円高進行で輸出株中心に売り優勢
 日経平均 33231.27( -200.24)  売買高13億1591万株 売買代金 3兆3211億円

【↓】  12月 5日(火)―― 大幅安、半導体株中心に売られ3万3000円台割れ
 日経平均 32775.82( -455.45)  売買高13億4935万株 売買代金 3兆5833億円

【↑】  12月 6日(水)―― 急反発、米金利低下でハイテク株中心に買い優勢
 日経平均 33445.90( +670.08)  売買高14億3245万株 売買代金 3兆5298億円

【↓】  12月 7日(木)―― 急反落、米株安や円高でリスク回避の売り優勢
 日経平均 32858.31( -587.59)  売買高15億4582万株 売買代金 3兆7010億円

【↓】  12月 8日(金)―― 大幅続落、円高進行で利益確定売り優勢
 日経平均 32307.86( -550.45)  売買高20億4933万株 売買代金 4兆8397億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、28業種が値下がり
 (2)原油市況の急落でINPEX <1605> など鉱業が値下がり率トップ。
   資源株は住友鉱 <5713> など非鉄、三菱商 <8058> など大手商社も大幅安
 (3)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、日立 <6501> など電機といった輸出株も大きく売られた
 (4)積水ハウス <1928> など建設、エムスリー <2413> などサービス、菱地所 <8802> など不動産といった内需株も総じて安い
 (5)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融、野村 <8604> など証券が軟調な一方、SOMPO <8630> など保険は買われた
 (6)原発再稼働の動き前進で東電HD <9501> など電気・ガスが値上がり率トップ

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 1(1) 半導体
 2(2) 円高メリット
 3(5) 生成AI ── IBMとメタが開発や利用を促進する新団体を設立
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 5(4) 人工知能 ── エヌビディアCEO来日で新たなシナリオ創出
 ※カッコは前週の順位

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