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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

クミアイ化 <日足> 「株探」多機能チャートより

■クミアイ化 <4996>  1,035円 (-49円、-4.5%)

 東証プライムの下落率8位。クミアイ化学工業 <4996> [東証P]が続落。前週末1日の取引終了後、集計中の23年10月期連結業績について、売上高が従来予想の1690億円から1612億円(前の期比10.9%増)へ、営業利益が171億円から139億円(同9.7%増)へ下振れて着地したようだと発表しており、嫌気された。海外向けの畑作用除草剤「アクシーブ」について、一部地域での在庫適正化による出荷減少とジェネリック対策による価格対応などにより、売上高・利益が予想を下回ったことが要因としている。なお、持ち分法による投資利益の一過性要因(税還付認識)などにより、純利益は167億円から179億円(同9.6%増)へ上振れたとしている。

■トヨタ <7203>  2,767.5円 (-65.5円、-2.3%)

 トヨタ自動車 <7203> [東証P]が反落。前週末に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行った。利下げについては時期尚早との見解を示しながらも、現在の政策金利については「かなり抑制的な水準」と述べた。市場参加者が見込む政策転換シナリオに沿った発言との受け止めもあって、米長期金利は4.1%台まで低下し、ドル売りを促した。円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=146円台前半と9月以来の水準をつけた。円高による収益圧迫リスクが意識され、自動車株の重荷となっている。ホンダ <7267> [東証P]や日産自動車 <7201> [東証P]、マツダ <7261> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P]も水準を切り下げている。

■コスモHD <5021>  5,495円 (-121円、-2.2%)

 コスモエネルギーホールディングス <5021> [東証P]が4日続落。前週末1日の取引終了後、岩谷産業 <8088> [東証P]がコスモHDの株式を旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)などから取得したと発表した。シティ側と対立していたコスモHDは今月14日に買収防衛策の発動を諮るため、臨時株主総会を開く予定だった。市場では資本効率の向上に向けたコスモHDへの圧力が弱まるとの受け止めが広がり、売りが優勢となった。岩谷産はシティと南青山不動産(東京都渋谷区)、野村絢氏から、コスモHD株を約1740万株取得した。取得価格は1053億円で、岩谷産の持ち株比率は0.07%から19.93%に上昇。公正取引委員会の審査により、排除措置命令を行わないとの通知がなされた場合、シティから25万株を追加取得することを予定している。コスモHDと岩谷産はLPガスやLNG(液化天然ガス)などで取引関係があり、水素関連事業で協業を強化していた。岩谷産は株式取得によりコスモHDとの連携を深化させていく方針。株式取得に向け三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]傘下の三菱UFJ銀行から資金の借り入れを行った。岩谷産は24年3月期の連結業績予想への影響は精査中としている。

■キユーピー <2809>  2,485円 (-35円、-1.4%)

 キユーピー <2809> [東証P]が続落。同社は前週末1日取引終了後、うずら卵やコーンなど家庭用商品22品目の販売価格を24年3月1日から引き上げることを発表した。値上げ幅は3~24%となる見通しで、これに伴う収益採算の改善を期待した買いが入りやすいほか、外国為替市場で足もと円高方向に振れていることで原料高コスト上昇に対する警戒感も薄れている。ただ、時価予想PERは29倍前後と割高感があり、積極的に上値を買い進む動きは見られない。信用倍率が直近データで0.1倍台と大幅な売り長にあるが、同社は11月決算企業であり、目先の配当権利落ち後は動きが悪くなっている。なお、これに加え業務用の126品目の商品価格を同じく24年3月1日から値上げすることも併せて発表している。

■アース製薬 <4985>  4,805円 (-60円、-1.2%)

 アース製薬 <4985> [東証P]が反落。SMBC日興証券が1日付で投資評価を「1」から「2」へ、目標株価を6900円から5300円へ引き下げており、弱材料視されたようだ。23年の虫ケア用品市場は7月以降回復傾向だったが、家庭用品事業の半数の売り上げを占める入浴剤や口腔衛生商品、その他日用品の市況は軟調かつ競合環境も激しいと指摘。製品ポートフォリオの特性上、季節・天候による需要変動に左右され、短期業績のボラティリティが高くなる傾向だが、特に23年12月期は入浴剤や口腔衛生市場が軟調なうえ、その他日用品も含め競争環境が激しく、資源高や円安による原料高騰を値上げでカバーできないとみており、営業利益予想を80億円から49億円へ下方修正。24年12月期も同94億円から69億円へ見直している。

※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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