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【市況】明日の株式相場に向けて=グロース系小型株に「開花予兆」

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 週明け4日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比200円安の3万3231円と続落。前週末の欧米株市場が全面高商状に買われたにもかかわらず、きょうは終始売りに押される展開となった。足もとで日経平均の上値の重さが際立っているのだが、個別株戦略の観点ではむしろ個人投資家はやりやすくなっている面もある。前週の当欄では12月相場の前半戦(ブラックアウト期間)はグロース株優位との見方を示したが、案の定というべきかグロース市場に上場する小型株に物色の矛先が向かい始めた。プライム市場でみてもきょうは大型・中型・小型株3指数で小型株指数だけが小幅ながらプラス圏で着地した。東証グロース市場指数は為替の円高もメジャーSQもどこ吹く風という風情で1.6%高と上げ足を強め、掉尾の一振は新興株でひと回転というムードが醸成されつつある。

 もちろんグロース市場であれば何でもOKということではなく、銘柄の選別は重要となる。やはり業績面で評価余地があることが条件だ。なおかつ成長シナリオが描けるような銘柄であれば文句はない。言うは易しだが、しかしながら実際にそういう銘柄がたくさん今のグロース市場には放置されている。「玉石混交」といっても悪い意味で捉える必要はなく、無造作に放置された玉の方を拾うチャンスが訪れている。

 前週土曜日、12月2日にアップされた株探トップ特集「爆裂リベンジ相場に乗る8銘柄」では、今期業績好調なグロース上場企業で、ビジネスモデルが時流に乗り成長性を内包させている銘柄が選抜されている。HPCシステムズ<6597>やヘッドウォータース<4011>、エヌ・ピー・シー<6255>、ロジザード<4391>など、業態は違ってもいずれも独自に強みを持つニッチトップ銘柄として見直し人気に乗っている。急伸すればその反動も当然出てくるのが株だが、線香花火では終わらない。上昇トレンドの中での押し目を丁寧に拾っていく算段で報われるのが、今のグロース市場における“勝ち組銘柄投資手法”だ。

 同特集に掲載されていない銘柄では一例として、オフィスや商業施設の空間設計を手掛けるというユニークな業態で、23年12月期営業利益7.2倍化が見込まれ、来期も増益キープの公算が大きいドラフト<5070>に着目。株価は今年8月に長期波動でみた底入れ転換を果たしたばかりで、500円台の株価は依然として値ごろ感がある。また、同じく500円台でマークしたいグロース市場の銘柄として、トラストホールディングス<3286>も面白い存在だ。九州・福岡を本拠に駐車場事業(投資家に小口で販売する事業)を展開、同社もニッチな独自路線で顧客開拓を進めている。23年6月期営業利益は前の期比43%増と高い伸びを達成、24年6月期も会社側計画を上回り2ケタ増益が有力視される。PER6倍は割安感が強い。

 グロース市場の銘柄ではなくても相対的に中小型株に目が向きやすくなっている。その際にマークされるのが不動産流動化に絡む銘柄群。市場では「足もと為替市場では日米金利差縮小思惑から円高方向に振れているが、早晩歯止めがかかる。日銀の金融政策は仮に今後マイナス金利解除があったとしても、金利は低位安定で引き締め的スタンスへと変わる可能性はかなり低い」(中堅証券アナリスト)という見方がある。そうしたなか、中国の不動産規制で行き場を探しあぐねているチャイナマネーが、“円安バーゲン効果”も手伝って日本の土地を買い漁りに上陸してくる、という可能性が取り沙汰されている。コスモスイニシア<8844>、ディア・ライフ<3245>、ムゲンエステート<3299>、コーセーアールイー<3246>、ロードスターキャピタル<3482>などの強いチャートに着目したい。

 また、海運株は単なるバリュー株という範疇ではなくテーマ買いの勢いが強い。ポイントはバルチック海運指数の上昇で、NSユナイテッド海運<9110>の上げ足に反映されている。明海グループ<9115>も要注目。このほか、大運<9363>に穴株素地が感じられる。

 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される11月の都区部消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高いほか、同じく取引開始前に12月の日銀当座預金増減見込みが公表される。また、午前中に10年物国債の入札が予定される。海外では11月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、豪中銀の政策金利発表のほか、米国では11月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数や10月の雇用動態調査(JOLTS)に耳目が集まる。なお、タイ市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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