【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):アテクト、アスタリスク、竹田iP
アテクト <日足> 「株探」多機能チャートより
アテクト<4241>は4日ぶり急反騰。株式需給面で売り物が枯れた状態にあり、一気に切り返す展開でストップ高に買われる場面があった。半導体保護資材(スペーサーテープ)で世界シェア約7割というグローバルニッチトップ企業で、中期的な成長期待が強い。半導体市況底入れの動きが観測されるなか見直し人気に沸いている。24年3月期業績は営業利益段階で前期比9%減の1億6000万円を予想しているが、上期(23年4~9月)段階で前年同期比33%増の1億2700万円と大幅な伸びを確保、対通期進捗率も約8割に達していることで上振れ期待も根強い。また、25年3月期以降に業績向上が加速する可能性もあり、時価総額30億円は評価不足顕著とみた投資資金の流入を誘っているようだ。
■アスタリスク <6522> 756円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
アスタリスク<6522>がストップ高。同社は28日、米子会社が現地企業とアライアンスを組み、主力製品であるスマートフォン装着型バーコードリーダー「AsReader」(ASR-022D)を同国最有力食品・飲料メーカー及び販売店に2万台以上納入したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。ASR-022Dは、iPhone装着型のバーコードリーダー(2次元コード対応)で、商品の読み取りの速さが重要視される現場や、多くのバーコードを読み取る現場でも、軽量な機器で高速読み取りを実現。更に、スマートフォンとリーダーは有線接続のため、通信環境に左右されず、読み取り連携もスムーズに行えるという。
■竹田iP <7875> 784円 +98 円 (+14.3%) 一時ストップ高 本日終値
竹田iPホールディングス<7875>が急動意。カタログなどの商業印刷を手掛けるが、高度な印刷技術を応用して半導体関連マスクの製造も手掛け、設計から製造まで一貫生産を行っている点が強みとなっている。国内では半導体マスク事業を承継した竹田東京プロセスサービスとプロセス・ラボ・ミクロンの2社を擁し、これに中国及び東アジアを拠点とする海外3社との連携を強化し、海外事業にも力を入れ半導体分野の育成を図っている。東京市場では半導体関連の中小型株に人気化する銘柄が相次いでおり、同社株もその流れに乗る形となった。
■テリロジHD <5133> 327円 +39 円 (+13.5%) 本日終値
テリロジーホールディングス<5133>が急伸。デジタル庁が28日、政府や自治体が共同で使う政府クラウドの提供事業者にさくらインターネット<3778>を追加すると発表し、さくらネット株は足もと急騰している。こうしたなか、さくらネット子会社と今年5月に資本・業務提携したテリロジHDに思惑的な買いが入ったようだ。さくらネットと行政DX領域で連携することについて協議を始めたと8月に明らかにしたスマートバリュー<9417>も買われている。
■カオナビ <4435> 2,468円 +195 円 (+8.6%) 本日終値
カオナビ<4435>が急反発。28日の取引終了後、23年3月期決算・上場企業の人的資本に関連する情報を収集・一覧化し、新サービス「人的資本データnavi β版」としてリリースしたと発表しており、好材料視された。「人的資本データnavi β版」は、上場企業2300社以上の人的資本に関連する開示情報を収集し、一覧化したサービス。各社が開示している多様性に関する3指標などの平均値を算出するほか、結果を棒グラフで表示。その上で従業員数別・業種別・エリア別などをかけ合わせ、絞り込みや指定項目の並び替えができるため、同業種など自社に近い条件の企業の傾向を確認することが可能で、人的資本経営のKPIを設定する際などの参考になるとしている。
■キャリアインデックス <6538> 244円 +16 円 (+7.0%) 本日終値
キャリアインデックス<6538>は大幅続伸した。28日の取引終了後、グループ企業のマージナルが提供するオンライン面接ツール「BioGraph(バイオグラフ)」について、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ<ZM>のビデオ会議システム「Zoom Meetings」との連携を開始したと発表。製品の販売拡大と業績押し上げ効果を期待した買いが入ったようだ。今回リリースした「BioGraphコネクト」は、面接ではZoom Meetingsを利用しながら、バイオグラフの特徴である面接の日程調整機能や、応募者管理機能を利用することができ、業務の効率化につながる。料金は広告非表示プランで月額3300円。有料Zoomアカウントが必要となる。
■NJS <2325> 2,830円 +170 円 (+6.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
NJS<2325>が急反発した。28日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想の修正を発表した。売上高の見通しを、期初時点の予想の213億5000万円から223億円(前期比16.0%増)、最終利益の見通しを18億円から22億円(同27.5%増)に引き上げた。海外業務の大型案件が寄与したほか、賃貸不動産の売却益の計上も最終利益を押し上げる。年間配当予想は5円増額し85円(前期比10円増配)に見直しており、これらをポジティブ視した買いが入ったようだ。今期の営業利益と経常利益の見通しは、国内業務で来期に収益が繰り越しとなる案件が発生したことを受けて下方修正した。同社は9月に賃貸用不動産の売却による特別利益の計上の発表後、通期の業績予想をいったん非開示としていた。今回の業績予想の修正とともに、男性育児休業取得率100%を目指すことも公表した。
■ダイセキS <1712> 1,015円 +45 円 (+4.6%) 本日終値
ダイセキ環境ソリューション<1712>が堅調。29日、豊田通商<8015>のグループ会社である豊田通商マリンフューエルを通じ、トヨフジ海運(愛知県東海市)が運航する外航船舶にバイオディーゼル燃料の供給を実施したと発表した。二酸化炭素(CO2)排出量の削減が期待されるバイオ燃料の拡販を期待した買いが入ったようだ。更に、静岡県の川勝平太知事が28日、リニア中央新幹線の工事に関し、大井川の水問題への対策としてJR東海<9022>が示した田代ダム案について尊重する意向を示した。リニア中央新幹線の工事が進展し、土壌汚染対策事業を手掛けるダイセキSの業績に好影響をもたらすとの見方が広がったことも、同社株を支援する形となったとみられている。
■ニーズウェル <3992> 723円 +25 円 (+3.6%) 本日終値
ニーズウェル<3992>が続伸。28日の取引終了後、自社開発したパートナー要員の調達を効率化する案件配信サイト「BP-Collabo」について、IT業界以外の企業に向けて提供を開始したと発表しており、好材料視された。「BP-Collabo」の提供は、IT業界以外のパートナー探索を支援するのが狙い。イベントスタッフ、倉庫スタッフ、警備スタッフ、飲食店のホールスタッフなど適切なタイミングで最適な人材を調達するためのソリューションとして活用することが可能で、即戦力人材の募集、急な欠員の補充、繁忙期の短期増員など、効率的な調達業務のスキームとして各企業のパートナー探索を支援するとしている。
■フジ日本精糖 <2114> 972円 +33 円 (+3.5%) 本日終値
フジ日本精糖<2114>が大幅高。28日の取引終了後、2040年までの長期経営計画を策定したと発表した。定量目標として、最終年度となる40年の経常利益を100億円(23年3月期は21億2400万円)、ROE(自己資本利益率)を12%以上(同8%)などとする目標を掲げた。25年3月期からの5年間では、経常利益を36億円、ROE9%に伸ばす構え。フードサイエンスカンパニーへの転換と、海外事業の拡大に向けた方針を評価した買いが入ったようだ。DOE(株式資本配当率)は40年に4.0%(同2.2%)に高める目標。25年3月期以降の5年間においては3.5%を目指す構え。長期経営計画に基づいた25年3月期からの5年間の第1次中期経営計画は、策定次第改めて開示する予定としている。
●ストップ高銘柄
地盤HD <6072> 280円 +80 円 (+40.0%) ストップ高 本日終値
さくらインターネット <3778> 1,900円 +400 円 (+26.7%) ストップ高 本日終値
ZUU <4387> 863円 +150 円 (+21.0%) ストップ高 本日終値
スマートバリュー <9417> 467円 +80 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値
など、6銘柄
●ストップ安銘柄
アーキテクツ <6085> 779円 -150 円 (-16.2%) ストップ安 本日終値
WT天然ガス <1689> 1円 0 円 (0.0%) ストップ安 本日終値
以上、2銘柄
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