【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日足チャート好転、師走高に挑戦へ」
株式評論家 富田隆弥
◆「11月は株高」――そんなアノマリー(経験則)通りの展開が見えてきた。日経平均株価は10月30日安値の3万0538円で底を打ち、11月6日高値の3万2766円へと急上昇。日足チャートは200日移動平均線にサポートされて切り返し、25日・75日線、10月13日高値の3万2533円などの節を一気に上抜き、10月4日安値の3万0487円とのダブル底を確定させて「好転」シグナルを灯した。
◆こうなると、今年の高値である3万3700円前後(6月19日高値の3万3772円、9月15日高値の3万3634円)に改めて挑む可能性が出てきたといえる。勿論、11月6日までの上昇がわずか4日間で2200円幅という急騰であっただけに、スピード調整を挟むのは仕方ない。だが、上抜いた75日線(9日時点3万2152円)や25日線(同3万1573円)を維持しているのならば、上昇基調の流れは変わらない。
◆カギを握る米国株も10月は厳しい下げ相場となり、日足チャートは夏場の高値から三段下げを演じたが、順位相関指数(RCI)の底入れとともに調整が一巡。NYダウは11月7日まで7連騰、ナスダックは8日まで9連騰と急回復している。どちらも節目の75日線や上値抵抗線に差し掛かったことから、日本株同様、目先スピード調整を挟むのはやむを得ない。17日に期限を迎える暫定予算の行方も気になる。
◆だが、米国株は金利上昇や地政学リスクという懸念材料を織り込みながら3カ月にわたる調整を入れた。日本株も諸々の懸念を織り込みながら半年近い調整(もみ合い)を入れている。長引く調整で市場の需給は改善しており、11月はアノマリー通りに上値を試してもおかしくない。年末商戦など好材料が加わるなら、12月高値を目指すことも想定される。日経平均株価が25日線を維持しているうちは、このシナリオに基づいて観測を続ける。
(11月9日 記、次回更新は11月18日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース