市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日清粉G、大ガス、M&A総研

日清粉G <日足> 「株探」多機能チャートより
v■日清製粉グループ本社 <2002>  2,112円  +251 円 (+13.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 日清製粉グループ本社<2002>が全般地合い悪に抗して続伸、カイ気配スタートで4週間ぶりに1900円台を回復してきた。製粉で国内断トツのシェアを誇るが、製品価格の値上げ効果が発現し、足もとの業績は会社側の想定を大幅に上回って推移している。同社は前週末27日取引終了後に24年3月期通期の業績予想の修正を発表、最終利益は従来予想の260億円から300億円(前期は103億8100万円の赤字)に大幅増額した。前期の赤字から一転、過去最高益の大幅更新となる見通し。これを好感する形で投資資金が流入した。なお、好業績を背景に年間配当も従来計画に1円増配するなど株主還元も強化している。

■大阪ガス <9532>  2,716.5円  +247.5 円 (+10.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 大阪ガス<9532>が大幅反発で年初来高値を更新。前週末27日の取引終了後、取得総数1500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.6%)、取得総額200億円を上限とする自社株買いの実施を発表したことが株価の支援材料となった。取得期間は10月30日から2024年2月29日。取得した株式は消却する予定。あわせて同社は24年3月期の業績予想について、売上高のみ2兆170億円から2兆950億円(前期比7.9%減)に見通しを引き上げた。原燃料調整制度に基づくガス販売単価の上昇による影響を反映した。上期(23年4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比1.4%増の9956億9300万円、最終損益が893億5100万円の黒字(前年同期は297億4400万円の赤字)だった。

■M&A総研 <9552>  3,065円  +264 円 (+9.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 M&A総研ホールディングス<9552>が大幅続伸。前週末27日の取引終了後に24年9月期業績予想を発表した。売上高を前期比77.0%増の153億円、営業利益を同57.2%増の72億円と大幅な増収増益となる見通しを示しており、これを好感した買いが入った。積極的な人材採用を図り、1社でも多くの企業の事業承継を支援することでM&A仲介事業の拡大を進める。また、新規事業の立ち上げにも取り組む。同時に発表した23年9月期決算は売上高が86億4200万円、営業利益が45億7900万円だった。23年9月期から連結決算に移行したため前の期との比較はない。

■栗本鐵工所 <5602>  3,115円  +267 円 (+9.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 栗本鐵工所<5602>が続急伸し年初来高値を更新した。27日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績について、最終利益が計画の12億円から28億6000万円(前年同期比75.1%増)に上振れしたようだと発表した。年間配当予想は10円増額し100円(前期比10円増配)に見直した。これらを好感した買いが集まったようだ。9月中間期の売上高は540億円から599億円(前年同期比10.8%増)へと計画を上回る格好となったようだ。ライフライン事業や産業建設資材事業で、下期に予定していた案件の売り上げが上期に計上された。原価低減活動の効果もあって、収益が予想を上回る形となった。

■アイ・ピー・エス <4390>  2,612円  +195 円 (+8.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 アイ・ピー・エス<4390>が大幅続伸した。30日に、国際通信事業とメディカル&ヘルスケア事業についての事業戦略説明会の資料を公表した。23年3月期に約63億円だった国際通信事業の売上高について、5年後に3倍以上となる200億円に拡大するイメージを示しており、中期的な成長を期待した買いを誘ったようだ。同事業の営業利益については、23年3月期の約18億円から5年後に50億円になると想定する。成長性の高いフィリピンの通信市場においてインターネット顧客の獲得に努めつつ、大手通信事業者に先行する形で通信ネットワークの拡大を図る方針。新たなアジア国際海底ケーブルの建設も検討する。同社は株主を対象としたフィリピン視察旅行を28~30日の日程で実施し、事業戦略説明会を開催した。

■キーエンス <6861>  57,310円  +4,260 円 (+8.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 キーエンス<6861>が大幅高で5万7000円台超えとなった。ハイテク系グロース株には向かい風の強い地合いながら、同社株は下値限界とみた押し目買いや買い戻しが流入し株価に浮揚力を与えている。前週末27日取引終了後に発表した23年4~9月期の最終利益が前年同期比若干減の1790億4100万円となった。これは事前コンセンサスを上回る内容だったことが、ショート筋の手仕舞いを誘発したとみられる。テクニカル的には25日移動平均線をマドを開けて上抜いたことで、トレンド転換を示唆している。

■プレミアグループ <7199>  1,560円  +109 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 プレミアグループ<7199>が大幅続伸した。前週末27日の取引終了後、取得総数250万株(自己株式を除く発行済み株式総数の6.4%)、取得総額30億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、材料視されたようだ。取得期間は10月30日から2024年3月29日まで。あわせて発表した24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、営業収益が前年同期比25.7%増の150億5600万円、最終利益が同21.9%減の20億6400万円だった。

■日立製作所 <6501>  9,395円  +511 円 (+5.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 日立製作所<6501>が大幅続伸。前週末27日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせて、通期の業績予想を見直し、売上収益の見通しを8兆8000億円から9兆1500億円(前期比15.9%減)、最終利益の見通しを5000億円から5200億円(同19.9%減)にそれぞれ引き上げた。あわせて、生成AIの活用を通じた成長加速など相乗効果の創出に向けた組織再編も発表しており、今後の収益面での効果への期待もあって、買いが集まったようだ。デジタルシステム&サービス部門では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を促す「ルマーダ」事業が拡大する。日立エナジーも好調な市場環境に支えられ、受注残の着実な売り上げ転換により増収増益を見込む。また、同社は11月1日付でHitachi Vantaraのデジタルソリューション事業を分社化し、新たにHitachi Digital Servicesを新設する。日立デジタル社の戦略のもとグループ各社と連携し、生成AIなどによる業務プロセスの自動化を推進。顧客の業務変革を支援していく。

■文化シヤッター <5930>  1,222円  +60 円 (+5.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 文化シヤッター<5930>が後場に上げ幅を拡大し、年初来高値を更新した。この日、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績に関し、営業利益がこれまでの計画の22億円から43億円(前年同期比66.4%増)に上振れしたようだと発表。業況に対する前向きな見方を広げ、買いを集めた。9月中間期の売上高は930億円から986億円(同13.9%増)と計画を上回って着地する格好となったようだ。大都市圏を中心に物流倉庫や商業施設の建設需要が好調に推移したなか、新規受注工事を含む手持ち工事の進捗が想定以上となった。コストダウンの取り組みを強化したことも奏功した。24年3月期の業績予想は現在精査中として、修正が必要な場合は速やかに公表する予定とした。

■アルゴグラフィックス <7595>  3,250円  +150 円 (+4.8%)  本日終値
 アルゴグラフィックス<7595>が大幅続伸。前週末27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高283億6600万円(前年同期比13.3%増)、営業利益44億8800万円(同20.0%増)、純利益31億1400万円(同20.7%増)と2割以上の増益となったことが好感された。ものづくり支援を中心として、設計から製造、廃棄に至るまでの業務プロセス全般に最適なソリューションを提供するPLMソリューションが、顧客のDXを支援するソリューションが受注増加につながり、自動車関連業界に加え産業機械関連業界へも展開できたことで好調に推移した。また、グループ会社の人材を活用した外注費及び販売管理費のコントロールを継続したことも寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高552億円(前期比3.5%増)、営業利益78億7000万円(同1.2%増)、純利益55億2000万円(同1.8%増)の従来見通しを据え置いている。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均