【市況】前場に注目すべき3つのポイント~物色は決算を手掛かりとした個別での値幅取り狙い~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■物色は決算を手掛かりとした個別での値幅取り狙い
■コマツ、2Q営業利益 40.3%増 2969億円、24/3上方修正
■前場の注目材料:新明和、廃棄物用大型トラック投入、積載量向上・映像で収集支援
■物色は決算を手掛かりとした個別での値幅取り狙い
30日の日本株市場は、売り一巡後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。27日の米国市場はNYダウが366ドル安、ナスダックは47ポイント高だった。アマゾン・ドット・コムやインテルの決算評価からナスダックは上昇したものの、9月の米個人消費支出(PCE)統計や10月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を上回るなか、金融引き締め長期化への思惑が重荷となった。また、イスラエル軍がガザ地上部隊拡大するとの報道を受けて地政学リスクが警戒されリスク回避に向かわせた。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比430円安の30610円。円相場は1ドル149円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まりそうだ。日銀会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、直近の下落で積み上がったとみられる売り方の買い戻しは意識されそうである。しかし、地政学リスクへの警戒から持ち高調整の流れが強まるなか、自律反発狙いの買いは限られる可能性があるだろう。そのため、短期的には自律反発狙いの買いが入るものの、積極的な上値追いは限られそうだ。
一方で、日経平均は足もとでは4日に付けた直近安値30487円とのボトム形成が意識されやすいものの、同水準を下回ってくるようだと、200日線が位置する30300円辺りを試してくる可能性がありそうだ。また、先週末の反発でボリンジャーバンドの-1σ水準を捉えたものの、同バンドが抵抗として跳ね返される格好から-2σへのバイアスが強まりやすく、200日線水準を意識される。そのため、戻り待ち狙いの売り仕掛け的な動きになりそうである。
全体としては不安定な相場のなか、物色は決算を手掛かりとした個別での値幅取り狙いに向かわせよう。先週末の引け後の決算では、カゴメ<2811>、SPK<7466>、中部電力<9502>、タカラトミー<7867>、日車輌<7102>、エムケー精工<5906>、エスペック<6859>、コマツ<6301>などの動向が注目される。
■コマツ、2Q営業利益 40.3%増 2969億円、24/3上方修正
コマツ<6301>が発表した2024年3月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比12.6%増の1兆8229.94億円、営業利益は同40.3%増の2969.76億円だった。鉱山機械を中心とした機械の高稼働による部品・サービス売上げの増加や、各地域での販売価格の改善や円安の影響。産業機械他部門では、自動車産業向けの大型プレスの販売が増加した。あわせて2024年3月期業績予想の修正を発表。売上高を3兆3820億円から3兆6600憶円、営業利益を4910億円から5480億円に上方修正した。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(30991.69、+389.91)
・ナスダック総合指数は上昇(12643.01、+47.41)
・SOX指数は上昇(3227.09、+38.67)
・米原油先物は上昇(85.54、+2.33)
・活発な自社株買い
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・新明和<7224>廃棄物用大型トラック投入、積載量向上・映像で収集支援
・SBIHD<8473>台湾PSMCと宮城に半導体工場、投資8000億円規模
・ニデック<6594>TAKISAWAへのTOB、株8割超取得で成立へ
・日立<6501>ITと制御技術融合、来月に新会社
・コニカミノルタ<4902>中国2子会社の株80%を売却、現地部品大手に
・ブリヂストン<5108>タイのタイヤ生産拠点再編
・オムロン<6645>通期、当期益を下方修正、JMDCの評価損120億円計上
・日野自<7205>航続延長装置型PHVトラック、30年めど投入
・北陸電力<9505>三井物産・福井県と協定、敦賀港で水素・アンモニア供給網事業化調査
・ソディック<6143>精密小物部品に照準、新型射出成形機、薄肉・軽量化対応
・シチズン<7762>シチズンマシナリー、仏売上高28年めど3割増、営業・保守を強化
・旭化成<3407>硬化剤新グレード開発、車塗装工程4割低温下
・北海道電力<9509>異業種と事業共創へ推進室設置
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・09:30 豪・9月小売売上高(前月比予想:+0.3%、8月:+0.2%)
《ST》
提供:フィスコ