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【市況】株価指数先物【寄り前】 戻り待ち狙いのショートスタンスに向かいやすい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 30600 -440 (-1.41%)
TOPIX先物 2230.0 -26.0 (-1.15%)
シカゴ日経平均先物 30610 -430
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場はNYダウ S&P500が下落した一方でナスダックは上昇。アマゾン・ドット・コム<AMZN>が決算評価から一時8%を超す上昇となり、ハイテク株に買いが向かった。しかし、9月の米個人消費支出(PCE)でPCEコア価格指数が前月比0.7%上昇し予想を上回ったほか、10月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の1年後の予想インフレ率が5月以来の高水準となり、追加利上げの可能性が重荷となった。また、イスラエルとハマスの戦闘が激化していることもリスク回避に向かわせた。S&P500業種別指数は小売、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、銀行、医薬品・バイオテクノロジー、電気通信サービスが下落した。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比430円安の3万610円だった。日経225先物(12月限)は日中比90円安の3万950円で始まり、直後に付けた3万990円を高値に下落基調が強まり、3万790円~3万920円処で推移。米国市場の取引開始後に同水準を割り込むと、中盤にかけて一時3万530円まで下落幅を広げた。終盤にかけては3万600円を挟んだ保ち合いが継続し、3万600円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。アマゾン・ドット・コムが買われたことはハイテク株の下支えとなる可能性はあるものの、日本銀行の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、様子見姿勢が強まりそうだ。日銀会合に関しては現在の緩和政策の維持がコンセンサスであるが、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策の修正論は燻る。

 また、今回のFOMCでは政策金利は据え置かれる見通しであるものの、足もとの経済指標を受けて12月もしくは来年1月の会合での追加利上げの可能性が残されている、との見方に向かわせそうである。さらに地政学リスクが警戒されて持ち高調整に傾きやすい需給状況のなか、売り一巡後の自律反発狙いのロングは限られそうだ。

 日経225先物はボリンジャーバンドの-1σと-2σによるレンジ推移を継続しており、ナイトセッションで-2σ水準まで下げている。いったんはリバウンドが意識されやすいが、ロングが入りづらい需給状況なかでは、5日に付けた直近安値3万300円のほか、200日移動平均線が位置する3万円辺りをターゲットとした、戻り待ち狙いのショートスタンスに向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万625円を中心とした上下の権利行使価格である3万375円から3万875円のレンジを想定する。

 VIX指数は21.27(前日は20.68)に上昇した。上向きで推移する25日線に沿ったトレンドを継続しているほか、52週線を明確に上放れてきているため、方向性としては3月高値の26.52を意識したトレンドが意識されやすい。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.75倍に低下した。10月半ばに付けた14.01倍を戻り高値に低下傾向が続いており、支持線として意識されていた25日線を下回っている。NT倍率の低下基調が強まる可能性はあるものの、今週はアドバンテスト <6857> [東証P]など主要ハイテク企業の決算が控えていることもあり、決算反応を見極めながらの対応となるため、NTでのスプレッド狙いはとりづらい。

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