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【市況】株価指数先物【寄り前】 米政府による対中輸出規制の強化が重荷


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32120 +80 (+0.24%)
TOPIX先物 2301.5 +10.0 (+0.43%)
シカゴ日経平均先物 32110 +70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 17日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500ナスダックは下落。9月の米小売売上高が前月比0.7%増と予想(0.3%増程度)を上回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を長期にわたって高い水準を維持するとの見方が強まった。ただし、想定以上に米国経済が強いとの見方から消費関連株などが買われ、NYダウを牽引した。半面、長期金利が再び4.8%台に上昇したことで、大型テック株やハイテク株は軟調。また、エヌビディア<NVDA>は、米政府が中国市場向けに設計した半導体の販売を規制すると伝わったことが嫌気されるなど、半導体関連株への売りが重荷となった。S&P500業種別指数は銀行、素材、エネルギーが上昇した一方で、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、医薬品・バイオテクノロジーが下落した。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比70円高の3万2110円だった。日経225先物(12月限)は日中比20円安の3万2020円で始まり、じりじりと下げ幅を広げ、一時3万1820円まで売られる場面が見られた。米国市場の取引開始直後に反転し一気にプラスに転じると、中盤にかけて3万2230円まで買われた。終盤にかけて軟化する場面も見られたが、3万2000円をキープし、3万2120円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや買い先行で始まることになりそうだ。米小売売上高を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内の追加利上げに動くとの見方がある半面、インフレが加速するなかでも個人消費が力強さを維持していることが、プラス評価されたことは安心感につながる。しかし、米政府の対中輸出規制の強化を受けてエヌビディアが4.6%ほど下落するなど、半導体株の一角が売られており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷となろう。

 日経225先物は心理的な抵抗線として意識される25日、75日移動平均線が位置する3万2100円~3万2200円水準では強弱感が対立しやすい。3万2000円処での底堅さがみられる局面では押し目狙いのロング対応となろうが、抵抗線近辺では戻り待ち狙いのショートが入りやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円を中心とした上下の権利行使価格である3万1750円から3万2250円辺りのレンジを想定する。

 バイデン大統領がイスラエルを訪問すると発表したことで、中東情勢を巡ってリスク回避姿勢はやや和らいだとみられる一方、本日のところは米中対立の行方に関心が集まりやすいだろう。VIX指数は17.88(前日は17.21)に上昇しており、25日線を支持線とした上昇により200日線を上回っている。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.98倍に上昇した。本日は東京エレクトロン <8035> [東証P]などの値がさ半導体株が重荷となり、NT倍率は低下するとみられる。先週末には8月末以来の14.00倍台を一時回復したこともあり、いったんは低下が意識されやすいだろう。ただし、13週線が位置する13.94倍辺りで下げ渋るようだと、現在のトレンドからはNTショートを巻き戻す動きが継続する可能性がある。

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