【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トランザク、SFOODS、乃村工芸社
トランザク <日足> 「株探」多機能チャートより
トランザクション<7818>が底堅い。12日の取引終了後、23年8月期の連結決算発表にあわせ、24年8月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比5.9%増の35億100万円を計画。前期に続き過去最高益の更新を見込むほか、年間配当予想は同2円増配の37円を予定する。中期経営計画の業績目標の上方修正も公表しており、今後の事業拡大を期待した投資家の押し目買いが入ったようだ。今期の売上高は同9.6%増の251億6000万円となる見通し。消費動向を的確にとらえてエコプロダクツの新製品開発などに取り組み、収益拡大を図る。また、25年8月期を最終年度とする中期経営計画を見直し、売上高の目標を270億円から279億円に、営業利益の目標を47億円から58億5000万円に引き上げた。更に、25年8月期に年間配当を41円に引き上げる方針も示した。
■S Foods <2292> 3,285円 +60 円 (+1.9%) 本日終値
S Foods<2292>が3日ぶりに反発。同社は12日取引終了後、24年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比3.0%減の83億3300万円となったが、通期計画135億円に対する進捗率が61.7%に達していることが好感されたようだ。売上高は同7.8%増の2089億8600万円で着地。積極的に取扱量の拡大を進めたことが奏功した半面、原材料や諸費用の高騰が利益面の重荷となった。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■乃村工藝社 <9716> 931円 +16 円 (+1.8%) 本日終値
乃村工藝社<9716>が続伸。同社は12日取引終了後、第2四半期(3~8月)の連結営業利益が前年同期比2.1倍の22億2000万円となったと発表した。都市再開発に伴う大型商業施設の施工を手掛けた複合商業施設市場やテーマパーク・ホテルなどの新装・改装を多数手掛けた余暇施設市場における売り上げが堅調に推移した。市場には、決算内容をポジティブに評価する見方が出ており、この日の株価も買い先行で推移している。
■USENHD <9418> 3,270円 +40 円 (+1.2%) 本日終値
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が大幅続伸。12日の取引終了後に発表した24年8月期連結業績予想で、売上高3000億円(前期比8.6%増)、営業利益240億円(同11.3%増)、純利益121億円(同10.4%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当予想で前期比3円50銭増の25円を予定していることが好感された。インバウンド需要の回復やリオープニングによる深刻な人手不足を背景に店舗・施設DXサービスの需要が増加すると予想。また、Paravi統合によるシナジーの通年寄与やTBS・テレビ東京との業務提携効果、スポーツ・韓流などのコンテンツ強化でコンテンツ配信事業のユーザー数増加を見込んでおり、これらが業績を牽引する。なお、23年8月期決算は、売上高2763億4400万円(前の期比16.1%増)、営業利益215億6500万円(同24.5%増)、純利益109億5900万円(同26.2%増)だった。
■佐鳥電機 <7420> 1,921円 +1 円 (+0.1%) 本日終値
佐鳥電機<7420>が続伸し年初来高値を更新。2000円の大台に乗せる場面があった。12日の取引終了後、24年5月期第1四半期(6~8月)の連結決算発表にあわせ、11月中間期の業績予想を上方修正した。最終利益の見通しをこれまでの5億円から10億円(前年同期比37.2%減)に引き上げており、好感されたようだ。中間期の売上高予想は710億円から730億円(同3.0%減)に見直した。好調なインド市場を背景とする子会社のSM Electronic Technologiesでの需要増や、車載向け半導体の事業動向などを織り込んだ。通期の業績予想は据え置いた。第1四半期の売上高は前年同期比0.4%減の352億9900万円、最終利益は同30.6%減の3億9900万円だった。
■ティーケーピー <3479> 2,260円 -473 円 (-17.3%) 本日終値
ティーケーピー<3479>が急反落し、年初来安値を更新した。12日の取引終了後、24年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算を発表した。最終損益は53億6700万円の黒字(前年同期は1億200万円の赤字)となり、中間期の最終利益として過去最高。売上高は前年同期比30.8%減の177億5000万円だったが、シェアオフィス事業のリージャスを売却した影響を考慮すると実質的に増収となった。一方、6~8月期のリージャスの影響を除いた調整後営業利益は、前年同期とほぼ横ばいの10億1000万円にとどまった。決算内容は、利益の更なる拡大を見込む投資家にとってはネガティブな内容と受け止められたようだ。株価は前日に好決算への期待から買いが集まっていたこともあって、利益確定目的の売りも膨らんだ。6~8月期の販管費は、リージャスの影響を除いたベースで前年同期比20%増加した。主力の貸会議室事業は季節性の要因と大型拠点の出店を背景に、坪当たり売上高は前四半期の3~5月期比では減少したものの、前年同期比では大きく伸びた。8月中間期の最終利益に関しては、リージャスの売却によって発生した特別目的会社における繰越欠損金を承継したことに伴い、同欠損金に関する繰延税金資産を計上したことも寄与した。
■ダイト <4577> 2,070円 -162 円 (-7.3%) 本日終値
12日に決算を発表。「6-8月期(1Q)経常は26%減益で着地」が嫌気された。
ダイト <4577> [東証P] が10月12日大引け後(15:00)に決算を発表。24年5月期第1四半期(6-8月)の連結経常利益は前年同期比26.0%減の10.9億円に減り、通期計画の48億円に対する進捗率は22.8%にとどまり、5年平均の29.4%も下回った。
⇒⇒ダイトの詳しい業績推移表を見る
■みずほFG <8411> 2,526.5円 -55.5 円 (-2.2%) 本日終値
みずほフィナンシャルグループ<8411>が下落。三井住友フィナンシャルグループ<8316>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンク株が軟調に推移する。前日の米国市場で米10年債利回り(長期金利)は4.7%台に乗せたものの、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>やJPモルガン・チェース<JPM>など金融株には下落圧力が掛かったほか、ロンドン市場では英銀大手のバークレイズ<BCS>が3%超の下落となった。バークレイズ株の下げのきっかけとなったのは、C・S・ベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)が、取引活動の停滞などが銀行収益を一段と圧迫する可能性があると発言したことが背景にあるようだ。一般に債券利回りの上昇(債券価格の下落)は、金融機関にとっては貸出環境の改善につながる一方、保有する債券の含み損が拡大するリスクもある。10月に入り米地銀ETFへの空売りポジションの積み上がりが金融市場で話題となったが、海外では金融機関の業績に対する慎重な見方が強まる過程にあるようだ。欧米銀行セクターの動向を見極めたいとして、銀行株を積極的に買い入れる投資家は限られている。
■キャスター <9331> 2,101円 +400 円 (+23.5%) ストップ高 本日終値
キャスター<9331>に物色人気集中。同社は今月4日に東証グロース市場に新規上場した直近IPO銘柄で、リモートアシスタントをはじめとした人材事業を運営、時価総額が30億円台と小型で値動きが軽い。成長期待から公開価格の3倍で初値を形成したものの、その後は大きく値を崩していた。12日取引終了後に発表した24年8月期の業績予想は売上高が前期比14%増の47億5000万円予想と2ケタ伸長を確保し、営業利益も1億1100万円(前期は200万円の黒字)予想と利益が大きく伸びる見通しとなった。これを材料視する形で上値を見込んだ投資マネーが再び攻勢をかけている。
株探ニュース