【市況】注目銘柄ダイジェスト(前場):IRJ-HD、メドレック、Dスタンダードなど
第一三共 <日足> 「株探」多機能チャートより
第一三共<4568>:4189円(+298円)
大幅反発。英アストラゼネカと開発中の抗がん剤「ダトポタマブ デルクステカン」の臨床試験結果を先週末に公表、主要評価項目である無増悪生存期間において、「統計的に有意かつ臨床的意義のある改善を示した」と明らかにしている。同薬に関して市場では慎重な見方が強かったもようであり、株価に期待値は織り込まれていなかったとみられる。安値圏にある株価の格好の反発材料へとつながっているようだ。
DmMiX<7354>:460円(-60円)
大幅反落。23年12月期業績予想、並びに期末配当金の予想を取り下げると発表している。通期営業利益はこれまで58億円で前期比0.5%増を予想していたが、子会社の一部企業に対する過大請求疑義判明で特別調査委員会の調査が継続しており、影響額を予測することは困難としている。年間配当金も前期比1円増の18円計画を取り下げ。なお、第2四半期報告書の提出期限は現在延長されており、10月13日提出の予定となっている。
IRJ-HD<6035>:1898円(-408円)
大幅反落。未定としていた上半期業績予想、並びに中間期末の配当金を先週末に発表している。営業利益は7.8億円で前年同期比58.4%増を予想、第1四半期は9億円を計上していたため、7-9月期の収益水準低下をネガティブに捉える動きが優勢のようだ。また、中間期末配当金は前年同期末比30円減配の15円と予想。大幅減配となる状況をネガティブ視へ。なお、通期予想、期末配当金は引き続き未定としている。
Dスタンダード<3925>:1681円(+266円)
大幅続伸。発行済み株式数の5.0%に当たる68万株、10.2億円を上限とする自己株式の取得実施を発表。取得期間は10月1日から24年3月31日まで。需給改善につながっていくものとして、押し目買いの動きを強めさせているもよう。また、SBIファイナンシャルサービシーズとの資本業務提携深化として、同社のデータクレンジング技術を活用した顧客データ整理とマーケティング活動の推進、同社株式の追加取得などを発表している。
三井住友<8316>:7564円(-237円)
大幅反落。本日は銀行セクターが業種別下落率のトップになっている。先週末には、日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決定されたが、その後も同社などメガバンクは総じて底堅い動きが続く展開であった。ただ、引け後の総裁会見なども早期の正常化観測をけん制する形になっていたため、銀行株にとってはネガティブな大規模緩和策が長期化するとの見方があらためて強まる状況になっているようだ。
メドレック<4586>:264円(+28円)
大幅に続伸。米創薬ベンチャーのAlto社とメドレックスの経皮吸収技術を適用した中枢神経領域の新規医薬品候補に関する提携契約を締結したと発表している。所定の開発段階まで両社共同で開発を実施した後、Alto社が主体となって開発を推進し、全世界で商業化する権利を持つ。メドレックスはAlto社から開発の進捗に応じたマイルストン収入を受領する。製品上市後は売上高に応じたロイヤルティを受領する。
グローバルセキュ<4417>:4575円(+95円)
5日続伸。兵庫県警察とサイバー空間の脅威への対処能力の強化を目的に連携・協力する協定を締結したと発表している。サイバー犯罪被害の警察への相談・通報が促進されるための取り組みに加え、兵庫県内の企業のセキュリティ対策強化に向けた協働、兵庫県警のサイバーセキュリティ対処能力向上で協力する。サイバーセキュリティ分野で兵庫県の神戸市にIT人材が集まる気運を高めるとしている。
バンクオブイノベ<4393>:5640円(+370円)
大幅に続伸。未定としていた23年9月期の営業損益予想を50.00億円の黒字(前期実績10.08億円の赤字)と発表している。新作の開発や事業展開の強化、体制構築にかかる先行投資を実施したが、22年10月にリリースしたスマートフォン向けRPG「メメントモリ」が好調に推移し、黒字に転換する見込みとなった。このところバンク・オブ・イノベーション株は25日移動平均線を下回って推移していたため、値頃感も買いを後押ししているようだ。
《ST》
提供:フィスコ