【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):トヨタ、東エレク、扶桑化学
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
トヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>、ホンダ<7267>、SUBARU<7270>など自動車株が堅調推移。外為市場でドル円相場は1ドル=147円台後半と、円安基調を継続していることに加えて、米国の3大自動車メーカー(ビッグ3)が進める全米自動車労組(UAW)との交渉に進展がみられず、UAWのストライキが長期化している。ビッグ3の生産・販売にはマイナス要因となるとみられる一方、日本の自動車メーカーに対しては、米国の競合メーカーからの顧客シフトなど販売機会拡大につながるとの思惑もあり、物色意欲を強める方向に作用したようだ。
■東京エレクトロン <8035> 20,750円 -1,145 円 (-5.2%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
東京エレクトロン<8035>が大きく売り優勢の展開となり3日ぶり反落。ここ半導体製造装置関連の主力銘柄の戻り足が目立つが、とくに同社株価の復元が顕著で、前週末は2万1900円台まで買われ9月7日につけた年初来高値2万2160円に肉薄する場面があった。ただ、米国では前週末に半導体関連全般が波乱含みの下げをみせており、きょうはその影響を受けている。ソフトバンクグループ<9984>傘下の英半導体設計大手アームの上場後の株価が軟調なほか、海外メディアが台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>が最先端半導体製造装置の納入を遅らせることを要請したと報じたことも逆風材料となっている。
■扶桑化学工業 <4368> 3,990円 -150 円 (-3.6%) 本日終値
扶桑化学工業<4368>が続落。15日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を693億円から605億円(前期比11.6%減)へ、営業利益を138億円から109億5000万円(同42.2%減)へ、純利益を94億5000万円から79億円(同44.1%減)へ下方修正したことが嫌気された。ライフサイエンス事業で、工業用途の需要落ち込みが想定より長期化していることに加えて、海外市場で中国市場、欧州経済の低迷の影響が顕在化し需要が大きく落ち込んでいることが要因。また、電子材料及び機能性化学品事業で、半導体市場の低迷が想定より大きく長期化しており、主力製品である超高純度コロイダルシリカの売上高が計画を下回る見通しという。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,497円 -221 円 (-3.3%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立のなかも、目先利益確定の動き。傘下の英半導体設計大手アーム<ARM>のナスダック市場上場を材料にここ強調展開にあったが、足もとで目先筋の利食いを誘発している。アームはセカンダリーでは売り優勢に傾いていることで、ソフトバンクGの株価にもネガティブに作用しやすい。一方で16日に英フィナンシャル・タイムズの電子版が、ソフトバンクGがアームの上場で調達した資金を活用して米オープンAIと提携を検討していると報じたことは、株価の刺激材料として働いている。
■GMO-GS <3788> 2,791円 -86 円 (-3.0%) 本日終値
GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>が3日続落。前週末15日の取引終了後、24年12月期をもって株主優待制度を廃止すると発表。株主平等の原則に基づく公平な利益還元の在り方や優待制度の利用状況を踏まえ、廃止を決めた。会社側では、引き続き中長期的な成長投資を確保しながら、配当性向50%をメドに安定した配当を維持するよう努めていくとしている。
■アスクル <2678> 1,893円 -56 円 (-2.9%) 本日終値
アスクル<2678>は3日続落。前週末15日の取引終了後に発表した24年5月期第1四半期(5月21日~8月20日)の決算は、営業利益が前年同期比4.4%減の28億2700万円で着地した。通期で増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での減益を嫌気した売りが優勢となった。売上高は同2.7%増の1130億7400万円だった。主力のeコマース事業で法人向けが伸び、全体の売上高を牽引した。利益面ではソフトウエア償却費や減価償却費など販管費の増加が響いた。会社側は「概ね期初計画通り進捗している」とし、通期の増収増益見通しを据え置いた。
■IDOM <7599> 740円 -19 円 (-2.5%) 本日終値
IDOM<7599>が大幅反落。読売新聞オンラインが16日、「中古車販売大手のビッグモーターが経営再建策として、保有する中古車販売大手『ガリバー』の運営会社IDOM(イドム)の株式や不動産の売却などを検討していることが15日、わかった」と報じており、需給面への影響を警戒した売りが出ているようだ。ビッグモーター(東京都港区)は今年2月末時点で、IDOM株式の5.67%を保有している。記事によると、保険金の不正請求問題などの影響から顧客離れが広がり業績が悪化していることから売却により資金を確保する方針とあり、近く株式の売却を始めることを検討しているという。
■プロディライト <5580> 1,930円 +400 円 (+26.1%) ストップ高 本日終値
プロディライト<5580>がストップ高。前週末15日、同社のクラウド電話システム「INNOVERA」と、TOA<6809>の「IPオーディオシリーズ」との連携ソリューションの提供を開始したと発表。顧客層の拡大を伴った中期的な事業成長の期待を高め、個人投資家による買いを誘ったようだ。今回の連携により公共施設や工場、イベント会場に設置される音響・放送設備において、スマートフォンアプリや固定IP電話機などから放送を行えるようになるという。TOAのIPオーディオシステムはこれまで据え置き型のPBX(構内交換機)のみに対応していたが、クラウドPBXとの連携はプロディの製品が初となるとしている。あわせてプロディは、「P-net Voice ファミリー/マンション 固定IPプラン」の月額料金について、2024年2月利用分から値上げすることも発表している。
■コマースワン <4496> 714円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
コマースOneホールディングス<4496>がストップ高。15日の取引終了後、24年3月期から配当を開始すると発表したことが好感された。従来予想では無配としていたが、中間配当で記念配当20円を含む27円、期末配当で7円の年34円を実施する。
■サトー商会 <9996> 1,630円 +225 円 (+16.0%) 一時ストップ高 本日終値
サトー商会<9996>が急反騰し年初来高値を更新した。15日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を459億4300万円から476億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を11億600万円から14億8000万円(同19.4%増)へ、純利益を8億6600万円から11億8000万円(同21.9%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各17円の年34円としていた配当予想を中間・期末各20円の年40円(前期31円)へ引き上げたことが好感された。外食業種を中心に景況感が想定を上回る見込みで推移しているほか、既存顧客への営業活動強化の成果が表れていることが要因。また、継続的なコスト削減に努め、人件費や水道光熱費などの管理費が想定よりも低減する見通しであることも寄与する。
●ストップ高銘柄
ペルセウス <4882> 426円 +80 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
日本高周波鋼業 <5476> 700円 +100 円 (+16.7%) ストップ高 本日終値
トラストHD <3286> 567円 +80 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
など、6銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース