【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):丸三、リョービ、明治海
丸三 <日足> 「株探」多機能チャートより
丸三証券<8613>がストップ高。前週末15日の取引終了後、28年3月期まで普通配当に加えて特別配当を実施する方針を公表した。未定としていた24年3月期の中間配当は普通配当10円に特別配当15円を加えて25円とする予定としており、株主還元姿勢を好感した買いを集めた。今期の期末配当は、普通配当は未定とする一方、特別配当は15円とする計画。前期の実績は中間配当が5円、期末配当が7円だった。年間ベースの特別配当は今期から26年3月期までは30円で、27年3月期は20円、28年3月期は10円とする方針。資産管理型営業へ舵を切ったことにより、従来よりも収益基盤が安定化するなか、事業譲渡に伴って株式信用取引に関する融資残高が減少し、手元資金を多額に備えておく必要性が薄れたと判断。内部留保を還元し、資本効率の向上につなげる。
■リョービ <5851> 3,280円 +300 円 (+10.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
リョービ<5851>が全般地合い悪に抗して上値指向が鮮明、約2週間ぶりに年初来高値を更新した。トヨタ自動車<7203>が巨大なアルミ部品を一体化して製造する新たな生産技術「ギガキャスト」を報道メディアに公開、電気自動車(EV)向けで同技術を導入し量産体制を確立する構えにあることで、関連銘柄の株価を刺激している。ダイカスト専業トップメーカーであるリョービは、ギガキャストを使う部品製造に参入する方針を既に明示しており、関連株の最右翼として脚光を浴びている。また、同業のアーレスティ<5852>もギガキャスト関連の一角として投資資金の攻勢が目立ち、こちらは連日の年初来高値更新と気を吐いている。
■アイザワ証券グループ <8708> 1,040円 +88 円 (+9.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
アイザワ証券グループ<8708>が大幅高で3日続伸。1000円台に乗せて連日の年初来高値更新となった。前週末15日の取引終了後、取得総数40万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.1%)、取得総額5億円を上限とする自社株買いの実施を発表しており、好感されたようだ。東証における市場買い付けを通じ取得する。期間は9月19日から2024年1月31日まで。加えて、未定としていた中間期配当について、前年同期と横ばいの13円とする方針も開示した。
■GENDA <9166> 2,531円 +211 円 (+9.1%) 本日終値
GENDA<9166>が3日ぶりに急反発した。SMBC日興証券が前週末15日、同社株の新規カバレッジを開始した。投資評価は「2」とし、目標株価は2400円に設定した。創業後、M&Aや資本提携を重ねてきた同社について、今後の買収戦略に対しても一定の期待ができると指摘。28年1月期までの間、売上高で年率7%、営業利益で年率10%の成長が見込まれるとしたうえで、GENDAの25年1月期営業利益に関しては、56億円になると同証券は予想する。
■淀川製鋼所 <5451> 3,945円 +300 円 (+8.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
淀川製鋼所<5451>が続急伸。2007年5月以来の高値圏で推移している。前週末15日の取引終了後、アクティビストで知られる投資会社ストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)の保有割合が新たに5%を超えたことが明らかになり、これを思惑視した買いが入ったようだ。同日に財務省に提出された大量保有報告書によると、ストラテジックの保有割合は5.03%。報告義務発生日は9月8日で、保有目的は「純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこと」としている。
■明治海運 <9115> 882円 +62 円 (+7.6%) 本日終値
明治海運<9115>が大幅高で4日続伸し、年初来高値を連日で更新した。前週末15日の取引終了後、連結子会社が持つ固定資産の船舶(原油船)の売却を発表した。これに伴い、24年3月期の第4四半期(24年1~3月)決算に売却益を計上する予定。当期純利益には約11億円の影響が見込まれるとしており、業績の上振れを期待した買いが入ったようだ。売却先は海外の第三者法人で、守秘義務条項があり企業名は非開示とする。23年10~11月の売却、引き渡しを予定する。
■GCジョイコ <6249> 4,160円 +260 円 (+6.7%) 本日終値
ゲームカード・ジョイコホールディングス<6249>が大幅高で5連騰。前週末15日にSBI証券が、GCジョイコに関して投資判断「買い」で新規にカバレッジを開始した。目標株価は7770円に設定している。スマート遊技機の普及を背景に、同社のスマートユニットの販売が好調に推移しているとしたうえで、今後も収益拡大トレンドが継続すると予測。同証券はGCジョイコの24年3月期営業利益について118億1100万円と、会社側の計画(50億円)を大きく上回ると予想する。
■水戸証券 <8622> 483円 +30 円 (+6.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
水戸証券<8622>が4日ぶりに反発。15日の取引終了後、未定としていた24年3月期の中間配当を10円(前年同期2円)にすると発表したことが好感された。なお、期末配当予想(前年同期20円)は引き続き未定としている。
■エクサウィザーズ <4259> 406円 +24 円 (+6.3%) 本日終値
エクサウィザーズ<4259>が大幅反発。午前11時ごろの日本経済新聞電子版で「画像の説明文を自動で生成する生成AIのソフトウエアを開発した」と報じられており、好材料視された。従来のAIでは判断の難しかった画像中の違和感や危険性など、要素が複雑な画像でも適切に解釈して文言を対話的に生成できるのが特徴。23年9月末から商用利用を開始するとしており、大量の動画・静止画のデータを業務上確認する必要のある損害保険業や建設業などでの導入を見込むという。
■日本郵船 <9101> 4,382円 +222 円 (+5.3%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>が連日の年初来高値を更新、川崎汽船<9107>も強調展開をみせている。きょうは半導体などハイテクセクターのグロース株が売られる一方、海運や銀行、自動車といった低PBR・高配当利回りのバリュー株に位置する銘柄群に買いが優勢となっている。特に海運セクターは株式需給面で信用売り残が多く、取組妙味が意識されているようだ。また、中国景気の減速が指摘されるなかも、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の値動きを表すバルチック海運指数が、前週末時点で8連騰と急速に水準を切り上げていることも株高を後押ししている。
株探ニュース